Microsoftは、初のCopilot+ PCとしてSurface Laptop 7を発表した。このモデルは、QualcommのSnapdragon X Eliteチップセットを搭載し、優れたバッテリー持続時間と高速なパフォーマンスを実現している。しかし、Windows on Armのネイティブアプリ互換性に課題があり、一部のユーザーはIntelベースのSurface Laptop 7の購入を検討している。

Intelモデルは、IntelのCore Ultra Series 2(Lunar Lake)チップセットを搭載し、2025年2月18日から購入可能となる予定だ。価格は、13.8インチモデルが$1,499からで、Qualcomm版より$500高い設定となっている。

性能面では、Qualcommモデルが優れている可能性があるが、アプリの互換性を重視するユーザーにはIntelモデルが適しているかもしれない。バッテリー持続時間は、公式発表では両モデルでほぼ同等とされているが、実際のテストでは差が見られる可能性がある。ユーザーのニーズに応じて、最適なモデルを選択することが重要だ。

Surface Laptop 7の実力を測る:性能テストとユーザー体験の実際

Surface Laptop 7は、IntelとQualcommの2種類のプロセッサーを搭載したモデルが用意されているが、それぞれの実力がどの程度のものなのか気になるところだ。特に、Snapdragon X Eliteを搭載するQualcomm版は、Microsoftが「Windows on Armの新たな時代」として推しているだけに、実際のパフォーマンスがどの程度のものかを知りたいユーザーも多いだろう。

Geekbench 6のマルチコアスコアでは、Snapdragon X Elite搭載のSurface Laptop 7が14,426を記録し、Intel Core Ultra 7 258V(Dell XPS 13搭載)の11,033を上回る結果となった。このスコアだけを見れば、Qualcomm版が優れているように思えるが、これはあくまでベンチマーク上の話だ。

実際の使用環境では、アプリの最適化状況やエミュレーションの有無が影響を及ぼすため、単純にスコアの差がそのまま体感速度の違いになるとは言えない。また、Qualcomm版は動画編集やクリエイティブ作業においても一定のパフォーマンスを発揮するが、特定のソフトウェアではIntel版の方が安定して動作する可能性がある。

例えば、Adobe Premiere Proのようなクリエイティブツールは、x86アーキテクチャ向けに最適化されているため、Intel版の方がスムーズに動作する場合がある。パフォーマンス重視ならQualcomm版、安定した動作を求めるならIntel版といった選択が重要になりそうだ。

Surface Laptop 7のバッテリー性能は本当に同じなのか?実際の使用時間を比較

バッテリー持続時間は、Surface Laptop 7の大きな売りの一つだ。Microsoftの公式発表によれば、動画再生時のバッテリー持続時間はIntel版・Qualcomm版ともに最大20~22時間とされている。しかし、Web閲覧時の持続時間に関しては差があり、Intel版が最大12~14時間、Qualcomm版が最大13~15時間と若干の違いがある。

実際のバッテリーテスト結果を見てみると、Laptop MagのレビューではSnapdragon X Elite搭載のSurface Laptop 7が15時間44分という驚異的なバッテリー持続時間を記録した。一方、Intel Core Ultra 7 258Vを搭載したDell XPS 13では、Tom’s Guideのテストで17時間29分を記録しており、必ずしもQualcomm版が長時間駆動するとは限らないことがわかる。

バッテリーの持続時間は、使用環境やアプリの種類によっても大きく変動する。たとえば、ChromeやEdgeでのブラウジングでは、Qualcomm版の方が効率的にバッテリーを消費する可能性があるが、動画編集やエミュレーション環境ではIntel版の方が電力消費を抑えられる場合もある。

カタログスペックだけでは判断できない部分が多いため、実際にどのような用途で使用するかが、選択の重要なポイントとなる。

Windows on Armはどこまで進化したのか?アプリの互換性と今後の展望

Snapdragon X Eliteを搭載したSurface Laptop 7は、Windows on Arm環境で動作する。しかし、過去のWindows on Arm搭載デバイスでは、アプリの互換性が最大の課題だった。現状ではどこまで改善されているのだろうか。

Microsoftは、Snapdragon X Eliteに最適化された「ネイティブArmアプリ」を増やすため、開発者に対して積極的にサポートを行っている。現在、Google Chrome、Zoom、Adobe Photoshop、Spotify、Slackなどの主要アプリはネイティブ対応しており、日常的な使用においては大きな問題はない。

ただし、Steamは未対応であり、Windows on Arm版のリリース予定も不明なため、PCゲームを主に利用するユーザーにはIntel版の方が適している可能性が高い。また、x86アプリを動作させるためのエミュレーション機能も向上しているが、依然としてパフォーマンスや安定性の面で課題が残る。

例えば、企業向けの特定の業務アプリや、高度な処理を要するソフトウェアでは、ネイティブ動作するIntel版の方がスムーズに利用できる可能性がある。Windows on Armは着実に進化しており、今後数年でさらに多くのアプリが最適化されることが予想される。

しかし、現時点ではすべてのユーザーにとって最適な環境とは言えず、特に互換性を重視するならIntel版を選ぶのが無難な選択肢となりそうだ。

Source:Laptop Mag