2023年7月、GoogleはPixelシリーズにおいて充電を80%に制限する機能を導入する兆しを見せた。この機能はAndroid 15 QPR1ベータ2で正式に登場したが、最新のAndroid 15正式版には含まれていない。9to5Googleによると、この機能は最初の安定版アップデートには期待すべきではなかったとされている。
充電制限機能の登場とその意図
2023年7月、Pixelシリーズに搭載される可能性のある新機能として、充電を80%に制限する機能が初めて話題となった。これは、バッテリーの劣化を防ぎ、寿命を延ばすことを目的としたもので、スマートフォンが最大まで充電される際に発生する熱の増加や充電サイクルの減少を抑える狙いがある。
この充電制限機能は、バッテリーを最適な範囲で維持することで、ユーザーがデバイスを長期間にわたって快適に使用できるようにするものだ。その後、Android 15 QPR1ベータ版でのコード解析によって、この機能の実装が確認された。GoogleはすでにPixelデバイスに7年間のサポートを提供するとしているが、長期的なバッテリー寿命を確保するためにも、このような機能の追加は理にかなっていると考えられている。
QPR1ベータ版での試験的導入
充電制限機能は、Android 15 QPR1ベータ2で「充電最適化」メニューに新たに追加され、80%までの充電制限が可能となった。このベータ版は、9月にリリースされ、Pixelユーザーの一部に試験的に提供された。この時点で、Googleは正式版への導入を予告していたわけではなく、あくまで機能の安定性や実用性を確認するための段階的なテストと位置づけられていた。
ベータテストを通じて、ユーザーからのフィードバックを収集し、最適な形での機能実装を目指すことが目的であったが、その一方で、正式版リリース時にすぐに機能が含まれるという誤解も一部のユーザーに広まった。この結果、期待外れの反応が一部で見られた。
Android 15での欠如とその理由
Android 15が正式にリリースされた際、多くのPixelユーザーが期待していた充電制限機能が見当たらなかった。実際には、この機能が最初の安定版リリースに含まれる予定はなく、QPR1、すなわち四半期ごとの最初のアップデートで提供されることが示唆されていた。このため、初期のAndroid 15に機能が搭載されなかったことは、予定通りの結果であったといえる。
この機能の欠如に対するユーザーの失望は、特に長期間のサポートを見越してデバイスの寿命を最大限に活用しようとするユーザーにとって大きなものだった。しかし、Googleが長期的に計画を進めていることを考慮すれば、正式導入に向けた調整が行われているとみられる。
次回アップデートでの登場が期待される時期
現時点で充電制限機能は実装されていないが、12月に予定されているAndroid 15の次回アップデートであるQPR1での導入が見込まれている。QPR1は四半期ごとに行われるアップデートの第一弾であり、新機能の追加やバグ修正が行われるタイミングでもある。ベータ版でのテスト結果を踏まえ、最適化された形で提供されることが期待される。
Pixelシリーズにおける長期サポートの観点からも、バッテリー寿命を延ばすためのこの機能は、デバイスの耐用年数を向上させる重要な役割を果たすだろう。