Googleは2024年10月のFeature Dropに合わせてPixel Cameraアプリの大型アップデート、バージョン9.6をリリースした。このアップデートにより、Pixelユーザーの写真撮影体験が大幅に向上し、特にPixel 9シリーズの端末において注目すべき機能が追加された。
新たに導入された水中撮影機能や縦パノラマモードにより、写真の可能性が広がると同時に、旧モデル向けにも天体撮影モードの使いやすさが改善されている。
水中撮影機能で新たな深みへ
Pixel Camera 9.6のアップデートにより、Pixel 9シリーズは水中撮影機能を標準搭載することとなった。これにより、ユーザーは専用アプリや特定の防水ケースを使用する必要なく、水中で鮮やかかつリアルな写真や動画を撮影できるようになる。
カメラ設定の「高度な設定」メニューから「水中写真/動画」オプションを有効化するだけで利用可能である。水中環境でも画質を損なわない工夫が施されており、深い青や光の反射を細部まで捉えることができる。
この機能の導入により、ダイビングやシュノーケリングなどのアクティビティを楽しむユーザーにとって、大きな利便性がもたらされる。これまで別途機器を用意する必要があった水中撮影が手軽に行えることで、アウトドアや旅行の記録がより多彩なものとなることが期待される。
縦パノラマで創造性を広げる
Pixel Camera 9.6は新たに縦パノラマ機能を搭載し、これによりユーザーはこれまでの横方向のパノラマ撮影に加え、垂直方向の広大な風景を収めることが可能となった。高層ビルや大木、山々といった縦方向に広がる被写体を捉えることで、よりダイナミックで印象的な写真を撮影できる。
設定は通常のパノラマモードと同じくシンプルで、撮影時に縦方向の動きを指示するだけで自動的に連続撮影が行われる。縦パノラマは、都市や自然の風景をより印象的に記録するのに適しており、特に建築写真や旅行写真での活用が期待される。これにより、Pixelユーザーの写真表現の幅が一層広がり、アーティスティックな視点を取り入れた作品づくりが可能となる。
旧モデル向けの天体撮影の簡略化
Pixel Camera 9.6では、Pixel 6から8aまでの旧モデル向けに天体撮影モードの操作が簡略化された。従来は特定の条件下での起動が必要であったが、新バージョンでは「夜景モード」タブ内に専用ボタンが追加され、これをタップするだけでモードに切り替えられる。これにより、星空の撮影が以前よりも直感的かつ手軽に楽しめるようになった。
天体撮影はPixelシリーズの特徴的な機能の一つであり、この改善によりさらに多くのユーザーが美しい星空や天の川の写真を撮影できるようになる。特に暗所での高感度撮影性能が向上しており、光害のある都市部でも鮮明な星空を捉えることが可能となる。
将来に向けたクイックアクセスコントロールの追加
Pixel Camera 9.6には、将来的に有効化される予定の「クイックアクセスコントロール」機能が組み込まれている。この機能は、ホワイトバランスや明るさ、シャドウなどの設定を撮影画面から直接調整できるようにするもので、より素早い撮影環境の設定が可能となる。
以前のバージョンに見られたスライダーコントロールの復活とも言えるアプローチであり、撮影者の意図を瞬時に反映できるのが特徴である。クイックアクセスコントロールは、プロフェッショナルな写真家だけでなく、初心者にとっても扱いやすい設計が施されている。この機能が正式にリリースされれば、Pixelのカメラ操作性がさらに向上し、多様なシーンでの撮影が容易になることが期待される。