サムスンディスプレイがCES 2025で、18.1インチの折りたたみ式OLEDディスプレイを発表した。この新型パネルは、折りたたむと13.1インチのノートPCディスプレイとして機能し、広げると18.1インチの大画面モニターとなる。3年前のモデルを上回るサイズで、Windows搭載デバイスへの採用が期待されている。

また、サムスンはスライド式OLEDの新しいコンセプトも公開。デバイスの画面拡張を可能にするこれらのデザインは、ノートPCやスマートフォン、自動車用途への応用が見込まれる。製品化の時期は未定だが、多様なデバイスでの利用が期待されている。

折りたたみ式OLEDが描く新しいデバイスの可能性

サムスンディスプレイがCES 2025で披露した18.1インチの折りたたみ式OLEDディスプレイは、単なるサイズの進化ではなく、次世代デバイスの形を提示している。このパネルは、折りたたみ時には13.1インチのコンパクトなノートPC画面として機能し、広げると18.1インチの広大な作業スペースを提供する。

これにより、モバイルデバイスとデスクトップデバイスの垣根を曖昧にする設計が実現される。特に注目すべきは、ASUSの「ZenBook 17 Fold」などで既に実用化されている技術が、さらに大画面化を果たした点だ。

この技術がもたらすメリットは、物理的なスペースの制約を克服しながら、作業効率や映像体験を向上させる点にある。また、サムスンのビデオでWindows上での動作が確認されたことで、従来のOSとの高い互換性も期待できる。これにより、既存のノートPCユーザー層にも大きな影響を与える可能性があるだろう。

サムスンが自身でこのパネルを搭載した製品を製造するという確証はないが、レノボやASUSといった企業に供給することで、より幅広い市場への展開が期待される。折りたたみ技術のさらなる普及が、デバイスの多様性を一層広げることになるだろう。

スライド式OLEDが実現する新たなデザインの自由度

サムスンディスプレイが披露した「スライダブルフレックス」シリーズは、折りたたみ技術とは異なるアプローチで画面拡張を可能にする。たとえば「スライダブルフレックスデュエット」は、両側から画面を広げられる設計で、8.1インチの画面を12.4インチのタブレットサイズに変化させる。

一方、「スライダブルフレックスソロ」は片側のみの拡張に特化し、13インチから17.3インチまでの画面サイズ変更が可能である。このスライド式技術の魅力は、デバイスの携帯性を損なうことなく、用途に応じた画面サイズを提供できる点にある。

スマートフォンの例として「スライダブルフレックスバーティカル」は、5.1インチから6.7インチへの拡張が可能で、縦型の使用に特化したデザインとなっている。これらの技術は、コンテンツ閲覧や作業内容に応じて瞬時に最適な画面サイズに調整できる利便性を持つ。

ただし、この技術が市場でどのように採用されるかは未知数である。サムスンディスプレイがこれまで他社にパネルを供給してきた実績を踏まえると、ノートPCだけでなく、スマートフォンやタブレット、自動車用途など、多岐にわたる可能性が考えられる。この柔軟なデザインは、デバイスの進化に新たな方向性を示す重要な要素となるだろう。

自動車用途を狙うディスプレイ技術の未来

サムスンディスプレイは、折りたたみ式やスライド式ディスプレイ技術を家庭用デバイスだけでなく、自動車分野にも展開する姿勢を示している。自動車向けディスプレイ市場は急成長を続けており、特にEVや自動運転車の開発が進む中で、インテリアディスプレイの重要性が高まっている。

今回の発表された技術は、車載ディスプレイにおいても革新的な利用が期待される。たとえば、スライド式ディスプレイを使用すれば、ドライバーや乗客のニーズに応じて画面を拡張したり、折りたたみ式ディスプレイで車内スペースを有効活用しながら高解像度の情報を表示することが可能となる。

サムスンディスプレイが既存の自動車メーカーと提携を強化することで、これらの技術が車載用途でどのように進化するかが注目される。実用化が進めば、情報表示だけでなく、エンターテイメントやナビゲーションの分野にも革新をもたらすだろう。今後の動向次第では、自動車産業そのものを変える技術基盤となる可能性が高い。