Samsungの最新フラッグシップモデル「Galaxy S25 Ultra」は、強化されたディスプレイと新設計のチタンフレームを特徴としている。しかし、人気の耐久テストで前モデルS24 Ultraと比較された結果、傷の耐性では予想外の結果となった一方、落下時の耐久性ではその強度を証明した。
最先端のガラス素材を採用しながらも、スクラッチテストではS24 Ultraに劣る結果となったものの、落下テストでは大きな進化を見せた点は注目に値する。
Corning × Samsungの新ガラスが傷に弱かった理由とは
Samsung Galaxy S25 Ultraには、CorningとSamsungが共同開発した最新のディスプレイガラスが採用されている。このガラスは、光の反射を抑える反射防止コーティングが施され、屋外でも視認性を向上させる設計がなされている。しかし、スクラッチテストの結果を見ると、従来のGorilla Armorを搭載したS24 Ultraよりも傷がつきやすいという意外な結果が出た。
この要因として、反射防止コーティングの層がガラス表面の硬度に影響を与えた可能性がある。通常、ガラスの表面に特殊なコーティングを施すと、視認性や指紋の付きにくさは向上するものの、硬度が低下する場合がある。特に、Gorilla Armorはこれまでの耐傷性を大きく向上させた実績があり、それと比べると新ガラスの特性が異なることが分かる。
また、S25 Ultraのディスプレイサイズが6.9インチとやや大型化したことも影響しているかもしれない。ガラスが大きくなると、表面にかかる力の分散が変化し、傷のつきやすさに影響を与える可能性がある。現時点では確定的な分析は出ていないが、反射防止コーティングのトレードオフとして、傷への耐性が若干下がったと考えられる。
それでも、S25 Ultraのディスプレイは日常的な使用で問題になるほど脆弱というわけではない。スクラッチテストは極端な条件下での試験であり、実際の利用環境では適切な保護フィルムを使用することでリスクを抑えることができる。ユーザーにとっては、視認性の向上と傷への耐性のバランスをどのように取るかが重要なポイントとなるだろう。
チタンフレームの採用がもたらした耐久性の変化
S25 Ultraは、前モデルのアルミニウムフレームからチタンフレームへと変更された。これは、Appleの最新モデルにも採用された素材であり、強度と軽量性の両立を目的としている。今回の落下テストでは、S25 Ultraのチタンフレームが衝撃を分散し、損傷を最小限に抑えたことが確認された。
チタンは、アルミニウムと比較して約2倍の強度を持ち、耐食性にも優れている。ただし、加工が難しいためコストが上昇しやすいというデメリットもある。Samsungは、このチタンフレームに適した設計を施すことで、落下時のダメージ軽減を実現した。特に、フラットディスプレイ、平坦なエッジ、丸みを帯びたコーナーの組み合わせが、衝撃を吸収しやすくする要因となったと考えられる。
さらに、カメラモジュールのデザインも耐久性に寄与している。S24 Ultraでは、カメラリングがフレームから若干突出していたが、S25 Ultraではわずかな隙間を持たせることで衝撃吸収を狙った構造になっている。実際、落下テストではカメラレンズに大きなダメージは見られず、レンズリングも外れることなく安定していた。
このように、Samsungは単なる素材変更にとどまらず、全体的な設計を見直すことで耐久性を向上させた。特に、スマートフォンを裸のまま使用するユーザーにとって、S25 Ultraの落下耐性は実用面での大きな強みとなるだろう。一方で、チタンフレームはアルミニウムよりも加工が難しく、修理や交換時のコストが上昇する可能性もある。これらの点を踏まえた上で、ユーザーの使い方に合わせた選択が求められる。
新モデルの耐久性は総合的に向上したのか
S25 Ultraの耐久テスト結果を見ると、傷への耐性は前モデルに劣るものの、落下時の強度は確実に向上している。では、総合的に見て耐久性は進化したと言えるのか。
まず、ディスプレイの傷への耐性が下がった点については、反射防止コーティングの影響が大きいと考えられる。これにより、視認性は向上したが、傷に対する強度が低下した可能性がある。これは、画面の見やすさを優先した結果であり、実際の使用では保護フィルムを併用することで対応可能だ。
一方、落下テストではディスプレイが損傷を受けなかった点が大きな進化と言える。これまでのGalaxy Sシリーズでは、曲面ディスプレイの影響もあり、落下時に画面が割れやすい傾向があった。しかし、S25 Ultraはフラットディスプレイを採用し、チタンフレームとの相乗効果で強度を向上させた。これにより、スマートフォンを裸のまま使用するユーザーにとって、より安心感のある端末になったと言える。
また、カメラ部分の耐久性も考慮された設計となっており、レンズリングの隙間がありながらも、実際の落下試験では脱落しなかった点は評価できる。ただし、長期間の使用においてどのような影響が出るのかは今後の検証が必要だ。
このように、S25 Ultraは「傷には弱くなったが、落下には強くなった」モデルと言える。特に、実用面での耐久性が向上している点は、多くのユーザーにとって歓迎すべき変化だろう。最終的には、どのポイントを重視するかによって評価が分かれるが、落下耐性の向上は日常使用においてメリットが大きいと言える。
Source:NotebookCheck