AMDがCES 2025で次世代ゲーミングハードウェアを披露すると発表した。同イベントは1月6日、米国時間午前11時より開催され、ライブ配信も予定されている。発表される候補の主力製品として、RDNA 4アーキテクチャを採用した新型GPUや、Ryzen 9 9950X3Dが挙げられる。

さらに、AI性能を強化したStrix Haloシリーズや、統合型GPU(iGPU)を搭載する次世代プロセッサも注目の的である。これには40基の計算ユニットを搭載したRadeon 8000Sが含まれる可能性が高い。昨年、AI技術を全面に押し出したAMDが、今年はゲーミング領域でどのような進化を遂げるのか、大きな期待が寄せられている。

イベントはAMDが再びゲーミング市場での存在感を高める契機となるかもしれない。特に、Steam Deckの次世代機の基盤となるようなハードウェア発表も注目されており、PCゲーム市場の新たな潮流を予感させる。

AMDが注力するAI対応プロセッサ 新たな標準を目指すStrix Haloシリーズ

AMDのジャック・フィン氏は、Xでの投稿で「AI PC」について言及。これはAI性能を強化したプロセッサ「Strix Halo」シリーズをCES 2025で発表する可能性を示唆している。同シリーズはNeural Processor Unit(NPU)を搭載し、高度なAI処理を可能にする設計が特徴である。これにより、ユーザーはより効率的なデータ処理やリアルタイムの分析機能を享受できると期待される。

また、40基の計算ユニットを搭載するとの統合型GPU(iGPU)「Radeon 8000S」にも注目が集まる。同GPUは従来のモデルを大幅に凌駕する性能を持ち、特にモバイル環境における性能向上が期待されている。

この動きは、競合のNvidiaがAI市場での地位を確立している中で、AMDが同領域で遅れを取らないための戦略とみられる。ただし、これらの技術革新が実際の製品にどのような形で反映されるかは不透明であり、同社がAI対応プロセッサで新たな市場基準を確立できるかは今後の展開次第であるといえよう。AMDのこれまでのNPU導入実績を踏まえると、同社がAI分野でさらに深い進化を遂げる可能性は十分にある。

RDNA 4アーキテクチャが描く次世代GPUの展望

CES 2025で披露されるとされるRDNA 4アーキテクチャは、グラフィックス性能における新たな指標を提示する可能性がある。特に、新型GPU「Radeon RX 8800 XT」は、従来比45%のレイトレーシング性能向上が噂されており、高精細なグラフィックス描画において競合のNvidia RTX 4080と同等の性能を発揮するとされる。

この進化は、ゲーミング業界のみならず、デジタルコンテンツ制作やAIトレーニングにも影響を与える可能性がある。ただし、AMDがNvidiaの支配的な地位に対抗するには、ハイエンド製品だけでなく、価格と性能のバランスが取れたミッドレンジ市場への対応が鍵となるだろう。昨年発表されたRyzen 8000Gシリーズで見られたように、RDNAアーキテクチャは幅広い用途での適応が可能であるため、今回の発表がどのような市場セグメントに訴求するかが注目される。