AMDは新たな中堅チップセット「B850」を搭載した初のマザーボードを発表するとの噂が浮上している。B850は、Ryzen 9000シリーズの「Zen 5」プロセッサに対応し、Gen5 SSDサポートやCPUおよびメモリのオーバークロック機能を備えるとされる。競合するIntel B760と比べ、コストパフォーマンスが高く、ユーザーに多様な選択肢を提供することが期待される。

VideoCardzにて公開されたGigabyte製B850M AORUS ELITE WIFI6E ICEマザーボードの画像は、白を基調としたデザインと強化されたVRM構造を特徴としている。さらに、USB 3.2 (20Gbps) を搭載するが、上位モデルのX870シリーズに比べUSB4やさらなるGen5レーンは採用していないという。

AMDは、このB850および下位モデルのB840をCES 2025で正式発表するとされており、ゲーマーやコスト意識の高いユーザーに対する市場戦略が注目される。

AMD B850が示す次世代マザーボードの方向性

AMDの新たなB850チップセットは、中堅クラスの市場において従来モデル以上の進化を遂げるだろう。Gen5 SSD対応を標準装備し、CPUおよびメモリのオーバークロックが可能となるであろう点は特筆すべき特徴である。

VideoCardzで公開された画像を踏まえたTweakTownの見解によれば、このマザーボードは、白を基調としたデザインに加え、VRMの強化が目立つ。これは、冷却効率を高めつつ、高性能プロセッサに対応する設計思想を反映していると考えられる。また、USB 3.2 (20Gbps) の搭載により、転送速度や周辺機器との接続性を確保しながら、コスト抑制を実現すると考えられる。これらの要素は、IntelのB760との直接的な競争を見据えたものだろう。

しかし、USB4や複数のGen5レーンを備えた上位モデルX870シリーズとの差別化も重要である。AMDがこの中堅モデルで追求しているのは、上位モデルの機能を必要最低限に絞り込むことでコストと性能のバランスを取ることであると思われ、これが多くのユーザー層に支持される理由となる可能性が高い。

AMDとIntelの競争がもたらす市場への影響

AMDのB850は、IntelのB760と真っ向から対峙する製品である。B850はGen5 SSDサポートを標準としつつ、CPUとメモリのオーバークロックを可能とする。一方、B760は信頼性やサポート面でIntel独自の強みを発揮しており、この二者の競争は消費者にとっての選択肢を広げるものとなる。

また、価格帯においても激しい競争が予測される。中堅クラスのマザーボード市場では、コストパフォーマンスの高さが重要視されるが、AMDはB850でこれを実現する設計に注力していると考えられる。

この競争の結果、消費者は多様なニーズに応じた選択肢を得ることができるだろう。特に、新しいRyzen 9000シリーズやIntelの最新プロセッサを活用する上で、これらのマザーボードがもたらす性能の違いが市場に与える影響は無視できない。

CES 2025が示す未来の中堅モデル市場

CES 2025で正式に発表されると言われているB850およびB840は、AMDの中堅モデル戦略の重要な一歩となるだろう。B840はGen5およびGen4のサポートを削減し、Gen3を採用することでさらに低価格帯を目指す一方で、メモリのオーバークロック機能は維持するとされている。この仕様は、エントリーユーザーやコスト意識の高いユーザー層に向けた製品である。

一方で、Gigabyteをはじめとするメーカー各社は、B850を中心に新たなラインナップを用意し、これは中堅クラス市場の活性化につながると考えられる。また、AMDのBシリーズチップセットがRyzen 9000シリーズの性能をどの程度引き出すかという点も、CES 2025での注目ポイントである。

これらの新製品がもたらす市場の変化は、単なるスペック競争にとどまらない。企業が示す技術的な方向性や戦略が、消費者に新たな価値を提供し、競争が市場の成長を促進する可能性を秘めていると言えるだろう。