SamsungのOne UI 7はベータ版の開始から3か月が経過しているが、いまだに安定版の提供が始まっていない。この遅延により、Galaxy S24シリーズ以外のデバイスは正式なアップデートを待ち続ける状況が続いている。

この問題を受け、SamsungはOne UI 7.1や7.1.1の開発を省略し、直接One UI 8へ移行する計画を進めていると著名リーカーが報じた。これが事実ならば、SamsungはAndroid 16のリリーススケジュールと連動し、2025年8月にOne UI 8のベータ版を公開する可能性がある。

Android 15対応のOne UI 7が遅延したことで、多くのユーザーが不満を抱える中、Samsungがこの決断で遅れを取り戻せるのか注目が集まる。今後のアップデート戦略がGalaxyユーザーの信頼回復につながるのか、その動向に目が離せない。

One UI 7の遅延がもたらした影響とは

Samsungは2024年12月にGalaxy S24シリーズ向けにOne UI 7のベータプログラムを開始した。しかし、2025年3月時点で安定版はリリースされておらず、ベータ版も4回の更新にとどまっている。この進捗の遅れにより、S24シリーズ以外のデバイスは正式なアップデートを待たされる状態が続いている。

One UI 7はスムーズなアニメーション、ホーム画面のビジュアル改善、ウィジェットの強化、タッチ応答性の向上などの進化を遂げている。しかし、これらの機能が実装されているのはGalaxy S24シリーズのベータ版のみであり、他のデバイスは未対応のままだ。特に、Galaxy S23やS22シリーズなど、数多くのモデルがこのアップデートを期待しているが、Samsungは具体的なリリース時期を公表していない。

このような遅れは、Samsungのソフトウェアアップデートの信頼性に疑問を投げかける要因となる。過去にも、Samsungは主要アップデートを計画通りに進められなかった例があるが、今回は次世代のAndroid 15をベースにしたOne UI 7であるため、多くのユーザーが不満を抱えている状況だ。

SamsungがOne UI 8へ移行する理由

Samsungは通常、基本バージョンのアップデート後にマイナーアップデート(例:One UI 7.1や7.1.1)をリリースする傾向がある。しかし、今回のOne UI 7の遅延により、この流れを大きく変更する可能性がある。著名リーカーのIce Universeによれば、Samsungは7.1や7.1.1の開発を見送り、直接One UI 8へ移行する計画を進めているという。

この決断にはいくつかの要因が考えられる。まず、One UI 7の遅れにより、すでにAndroid 16のベータテストが進行していることだ。Googleは2024年後半からAndroid 16の開発者向けプレビューを開始しており、正式リリースは2025年6月から7月に予定されている。Samsungはこれに合わせ、One UI 8をAndroid 16ベースで開発し、8月にベータ版を公開する可能性がある。

また、折りたたみスマートフォンのGalaxy Z FoldシリーズやZ Flipシリーズは、例年マイナーアップデートで新機能を追加されてきた。しかし、今回はそのプロセスを省略し、One UI 8に向けてより大規模な機能強化を行う狙いがあるかもしれない。この動きが実現すれば、Samsungのソフトウェア戦略が大きく変わることになる。

One UI 8は遅延の悪印象を払拭できるのか

SamsungがOne UI 7を省略し、One UI 8へ直接移行することで遅延の影響を最小限に抑えられる可能性がある。しかし、それがユーザーの不満を解消するかは別の問題だ。

Galaxyユーザーにとって重要なのは、安定したソフトウェアの提供とアップデートの確実性である。今回の遅延により、多くのユーザーが「自分のデバイスがいつアップデートされるのか」という不安を抱えている。仮にOne UI 8が8月にベータ公開され、数か月以内に安定版が提供されるとしても、それまでの期間は現行のOne UI 6.xまたはOne UI 7ベータ版で待たなければならない。

さらに、Samsungが今後も大規模アップデートのたびに遅延を繰り返すようなら、ユーザーの信頼低下は避けられない。特に、Google Pixelシリーズがいち早くAndroid 16を適用する中、Samsungが遅れを取ることになれば、競争力の低下につながる可能性もある。One UI 8がどれほどの完成度で登場し、どれだけ迅速に安定版を配信できるのかが、今後の評価を左右するだろう。

Source:Sammy Fans