マイクロソフトは、Windows 11の最新アップデート「24H2」を公開し、セキュリティアップデート時のCPU使用率を最大25%削減するなど、パフォーマンス向上を謳っている。特に新しいAI機能に対応しているが、古いPCでも十分に動作するかという点には注目が集まっている。
10年以上前のIntel Celeron N2940プロセッサ搭載のラップトップでも、動作が報告されており、ファイルエクスプローラーやChrome、YouTubeなどのタスクで高速化が確認されている。ただし、完全な互換性については慎重に検証が必要である。
Windows 11 24H2の主な改善点
Windows 11 24H2は、マイクロソフトがこれまでにリリースしたアップデートの中でも、特にAI機能を強化したバージョンである。主な改善点として、セキュリティアップデート時のCPU使用率を最大25%削減し、全体的なパフォーマンス向上が図られている。また、インストール速度は45%速くなり、再起動も約40%向上したとされている。
このアップデートでは、ファイルエクスプローラーやChromeなどのアプリケーションにおいても効率的な動作が期待され、最新機能である「Copilot+」や「Recall」「Super Resolution」など、特にAI関連の機能が追加されているのが特徴だ。また、セキュリティ面でも新しい対策が講じられ、特に企業ユーザーにとって安心して利用できる環境が整備されている。
これらの改善は、最新のPCだけでなく、やや古いデバイスでも一定の恩恵を受ける可能性があるとされており、Windows 11の基盤となる部分が強化されている。特に、マイクロソフトの最新アプリケーションのインストールサイズも最適化されており、インボックスアプリの処理が改善された結果、ダウンロードサイズが約200MB縮小された。
しかし、全てのユーザーがこれらの改善を体感できるかどうかはデバイスによるところが大きく、特に古いPCでの動作には引き続き注意が必要である。
古いPCでの動作報告と性能
Windows 11 24H2のリリース後、古いPCでも動作可能であるとの報告がいくつか寄せられている。特に、10年以上前のIntel Celeron N2940プロセッサを搭載したラップトップで、動作が確認された事例が注目されている。このケースでは、ファイルエクスプローラーやChrome、YouTubeといった日常的なタスクにおいても、以前のバージョンと比較して高速な処理が可能になったとされている。
また、このバージョンではCPU使用率の削減に加え、再起動やアップデートのインストール速度の向上が確認されており、これが古いPCでも顕著に現れている。特に、月次のセキュリティアップデート時にCPU負荷が25%低減されることで、古いPCでも軽快に動作する可能性が示されている。
ただし、全ての古いPCで同様のパフォーマンスが保証されるわけではない。デバイスのハードウェア構成や状態によっては、予期しない不具合が発生する可能性があるため、事前にシステム要件を確認することが推奨される。また、特に非公式な情報源からの報告については、その信頼性に留意し、最新のアップデート情報を確認する必要がある。
マイクロソフトの推奨と制限事項
マイクロソフトは、Windows 11 24H2の動作について一定の要件を設けており、全てのデバイスでの互換性を保証しているわけではない。特に、ハードウェアの制約や互換性の問題が原因で、いくつかのデバイスでは24H2のインストールが制限されている。
例えば、Asusの低価格モデルであるX415KAおよびX515KAについては、ハードウェアの互換性に問題があり、マイクロソフトがアップデートを停止している。加えて、いくつかのデバイスでは、指紋認証やネットワーク接続に関する問題が発生しており、これに対しても修正が求められている。
また、カメラアプリに問題があるデバイスについては、互換性に関する警告が発されており、24H2のインストールが一時的に保留されている場合もある。これらの問題は、将来的なアップデートで解消される見込みではあるが、現時点では十分な検証が必要である。
ユーザーは、マイクロソフトの公式サイトやサポートページで最新の互換性情報を確認し、自身のデバイスに適したアップデートを選択することが推奨される。
問題点と今後の展望
Windows 11 24H2は、多くの改善をもたらしたものの、いくつかの問題も報告されている。特に、指紋認証やネットワーク接続の不具合が一部のユーザーから報告されており、これに対してはマイクロソフトも対応を進めている。加えて、特定のカメラアプリに関する互換性の問題があるデバイスでは、アップデートが一時的に停止されるケースも存在している。
また、これまでのバージョンからアップデートする際、ダウンロードファイルのサイズが縮小されたとはいえ、デバイスの性能によってはアップデートに時間がかかる場合がある。これにより、特に古いPCを使用しているユーザーは、システムのバックアップを行うことが推奨される。
今後、24H2の改善が進むことで、さらに多くのデバイスで安定した動作が期待される。特に、マイクロソフトは今後のパッチや追加アップデートを通じて、現在報告されている問題の修正を行う予定である。ユーザーは、定期的にアップデートを確認し、最新の状態を維持することで、より快適な利用が可能になるであろう。
一方で、今後のWindows 11の進化は、AI機能のさらなる強化が見込まれており、これに対応できるハードウェア環境の整備が重要になると考えられる。