Microsoftは、Windows 11の新しい非セキュリティアップデートKB5044380をリリースした。このアップデートは、Windows 11の23H2および22H2バージョンに対応し、新機能の導入と複数の不具合修正を含んでいる。

特に注目すべきは、ゲームパッドで操作可能な新しいキーボードレイアウトの追加や、Copilotキーのカスタマイズ機能の強化である。また、バッテリー消費の最適化やMicrosoft Teamsの問題も修正された。

新しいオンスクリーンキーボードの導入

今回のアップデートでは、ゲームプレイ時に便利な新しいオンスクリーンキーボードが導入された。この新機能は、Xboxコントローラーを使用して文字入力が可能となる「ゲームパッドキーボード」レイアウトを提供する。このキーボードでは、Xボタンでバックスペース、Yボタンでスペースを入力することができ、画面上でのナビゲーションが容易になるようデザインされている。キー配置は縦に整列されており、より直感的な操作が可能だ。

また、特定のボタンを使って加速操作もできるため、タイピングのスピードを向上させることができる。このアップデートはゲームプレイをしながら快適に入力を行いたいユーザーにとって有益であり、特にゲーム中にメッセージを素早く送信したり、検索を行う場面で役立つ。新しいキーボードレイアウトは順次ロールアウトされるため、全ユーザーに提供されるまでには少し時間がかかる見込みである。

このような新機能は、ゲームプレイヤーだけでなく、キーボードを頻繁に使用するユーザーにとっても便利なツールとなるだろう。特にゲームパッドを使った複雑な操作が求められるシーンでは、入力効率が飛躍的に向上すると考えられる。

通知管理とスタートメニューの改善

アップデートでは、通知の管理がさらに柔軟にできるようになった。ユーザーはアプリからの通知を一時的にオフにする提案を簡単に停止できるようになった。これにより、煩わしい通知の提案が表示されるのを防ぎ、自分にとって必要な通知のみを受け取ることが可能となる。通知の管理は、通知バー内のメニューから素早くアクセスできるため、設定を変更する手間が大幅に軽減されている。

さらに、スタートメニューにも変更が加えられている。これまでは「すべてのアプリ」という名称だったメニューが「すべて」に変更された。これにより、よりシンプルで分かりやすい操作性が実現された。日常的に使うスタートメニューは、使いやすさが重要視される部分であり、この変更によりより直感的に目的のアプリケーションへアクセスできるようになった。

これらの改善は、日常的にWindowsを使用する際の操作感を向上させるためのものであり、特に通知が多いアプリケーションを利用しているユーザーにとっては大きな恩恵となるだろう。シンプルなメニュー表示と柔軟な通知管理により、効率的な作業環境が提供される。

Copilotキーのカスタマイズ機能

新しいアップデートでは、Copilotキーのカスタマイズ機能が追加された。この機能により、ユーザーは自分の作業スタイルに合わせてキーの役割を変更することが可能だ。デフォルトでは、Copilotキーを押すと、Microsoft Copilotアプリが起動するように設定されている。しかし、設定メニューからこの動作を変更し、別のアプリや検索機能を割り当てることができる。

このカスタマイズ機能は、特にMicrosoft Entra IDを使用してサインインしているユーザー向けに設計されており、M365アプリを開くためにも使用可能だ。カスタマイズするためには、アプリがセキュリティ基準を満たしたMSIXパッケージとして署名されている必要があるため、セキュリティ面での安心感も提供されている。これにより、業務で頻繁に使用するアプリへのアクセスがスムーズになり、生産性を向上させることができる。

ただし、Copilotキーが搭載されていないデバイスの場合、この設定変更は影響を与えない。また、このキーのカスタマイズにより、ユーザーごとに最適化されたワークフローが実現し、効率的な作業環境が整うことが期待される。

バッテリー消費とMicrosoft Teamsの修正

今回のアップデートでは、バッテリー消費に関する問題が修正された。特に、Modern Standbyモード中に過剰なバッテリー消費が発生する問題が改善されている。この修正により、モバイルユーザーやノートPCを使用するユーザーにとって、より長時間のバッテリー駆動が可能となり、外出先での利用がさらに便利になるだろう。スタンバイモード中のバッテリー消費を抑えることで、エネルギー効率が向上し、環境にも優しい結果をもたらす。

また、Microsoft Teamsに関連する不具合も修正された。これまでは、Outlookの会議リマインダーを選択した際にTeams会議に参加できない問題が発生していたが、このアップデートにより解決されている。リモートワークやオンライン会議が一般化している現代において、Teamsの安定性は非常に重要であり、この修正は多くのビジネスユーザーにとって歓迎される変更である。

これらの修正は、日常的にWindows 11を使用する上での快適さを向上させ、特にバッテリー管理やリモート会議の利便性を大きく向上させる。