Appleは2024年9月にApple Watch Series 10を発表した。このモデルは、デザイン面での進化が大きな特徴となっており、より軽量化され、スクリーンが大きくなっている。しかし、ソフトウェア面での革新は少なく、ハードウェアやデザインに焦点を当てたモデルと言えるだろう。

バッテリーや水深50メートルまでの耐水性能、心電図や酸素濃度の測定といった従来の健康管理機能も引き続き搭載されている。

新型Apple Watchのデザインと特徴

Apple Watch Series 10の最大の特徴は、デザインの刷新である。これまでのモデルと比べ、スクリーンサイズがさらに大きくなり、エッジがより薄くなったことにより、視認性が向上している。特に屋外での使用時に明るさが向上した点は、多くのユーザーにとって有利なポイントである。具体的には、2,000ニトの輝度を誇り、日光の下でも問題なく視認できる仕様になっている。

また、筐体はアルミニウムとステンレススチールの2つの素材から選べる点も従来通りであるが、軽量化が進み、腕への負担が軽減されている。サイズは42mmと46mmの2種類が提供され、ユーザーの好みに応じて選択可能である。見た目のデザイン変更が主な改良点ではあるが、全体としてシリーズ10はより洗練された外観と、実用性の高い機能を両立している。

デザイン面での進化に加えて、快適な装着感を追求したこの新モデルは、毎日使用するウェアラブルデバイスとしてさらに磨きがかかっている。

シリーズ10のハードウェアとヘルスケア機能

Apple Watch Series 10は、ハードウェア面でいくつかの注目すべき進化を遂げている。最も目立つのは、Ultra Wideband (UWB) 2チップの搭載である。この技術により、対応デバイスの位置をより正確に特定することが可能となり、特に「iPhoneを探す」機能が大幅に向上している。これは、迷子になりがちなデバイスの追跡に便利なツールとなる。

また、健康管理機能は従来のECG(心電図)や血中酸素濃度のモニタリング、心拍数の異常を検知する機能が引き続き搭載されている。加えて、新たに睡眠時無呼吸症候群(アプネア)の検出機能が追加された点も見逃せない。これは、健康リスクの早期発見に役立つ機能であり、ユーザーの健康管理をさらに強化する。

バッテリー持続時間は通常18時間だが、省電力モードを使用することで36時間に延長可能である。また、USB-Cを使用した高速充電にも対応している点が、忙しい現代人にとって大きなメリットとなるだろう。

モデルと価格の詳細

Apple Watch Series 10は、サイズや接続オプションに応じて複数のモデルが展開されている。42mmと46mmのサイズが選べるほか、GPSのみのモデルと、GPSに加えてeSIMを搭載したCellularモデルが用意されている。Cellularモデルを選択すれば、iPhoneが手元になくても通話やメッセージの送受信が可能となり、独立した通信端末として機能する。

価格は、42mmとGPSのみのモデルが449ユーロ、46mmのGPSモデルは479ユーロとなっている。Cellularモデルになると、42mmで569ユーロ、46mmでは599ユーロに跳ね上がる。この価格差は120ユーロと、従来のモデルよりも若干大きくなっている。eSIMの必要性を慎重に検討することが求められるだろう。

一方、より高級な素材や特別仕様のモデルも存在し、これらはさらに高額で提供されている。基本的なシリコンバンド付きのモデルであれば、前述の価格で入手可能であるが、時間が経つにつれて割引や特別セールの可能性も期待できる。

よくある質問と使い勝手

Apple Watch Series 10に関して、よく寄せられる質問の一つに「Apple Payを利用できるか」というものがある。これは、iPhoneが手元になくても、またバッテリーが切れていても利用可能であり、非常に便利な機能である。特に、買い物の際に財布やiPhoneを取り出す手間を省ける点が、多くのユーザーに支持されている。

もう一つのよくある質問は、「水や埃に対する耐性」についてである。Apple Watch Series 10は、ISO 22810:2010規格に準拠し、50メートルまでの耐水性能を備えているため、プールや浅い海での使用が可能である。しかし、深海でのダイビングや高速での水上スポーツには適していない。また、IP6X認証も取得しており、完全な防塵性能を持つ。

これらの機能は、日常生活やアクティビティをサポートする上で非常に役立つものであり、特にアウトドアやフィットネスを楽しむユーザーにとって有益な機能となるだろう。