AMDは、次世代の「Ryzen AI Max 300 Strix Halo」APUシリーズの命名を公式に確認した。ASUSの最新チップセットドライバにおいて、このシリーズが言及されており、16コアのZen 5 CPUと40ユニットのRDNA 3.5ベース統合GPUを搭載することが判明した。

この新しいAPUは、ゲームだけでなくワークステーション向けにも設計されており、外部GPUなしでも高性能を発揮できる点が注目される。さらに、2025年に予定されているCESでの発表が期待されている。

AMD、Strix Haloシリーズの命名を公式発表

AMDは、最新のチップセットドライバにおいて「Ryzen AI Max 300 Strix Halo」という新たなAPUシリーズの存在を確認した。この命名は、ASUSの公式サイトに掲載されたドライバのリリースノートに記載されており、リーク情報が事実であることが判明した。Strix Haloシリーズは「Ryzen AI Max 300」という名称を採用し、AMDの次世代APUとして登場する見込みである。

Strix Haloは、これまでのStrix Pointチップと似た命名規則に従っており、Ryzen AI Max 300という名前が高性能なAPUラインアップに付与されることが示唆されている。このシリーズは、特にゲーミングシステムやワークステーション向けに設計されており、現行のAPUに比べて飛躍的な性能向上が期待されている。

この発表により、AMDのAPU市場での競争力がさらに強化されることが予想される。Strix Haloシリーズは、特に高性能な統合グラフィックスを備えており、専用のGPUを必要とせずとも高品質なゲーム体験を提供できるという点で、注目を集めている。

Zen 5アーキテクチャに基づく最大16コアCPU

Ryzen AI Max 300 Strix Haloは、最大で16コアのZen 5アーキテクチャを採用したCPUを搭載する。Zen 5は、AMDの最新世代のプロセッサアーキテクチャであり、前世代のZen 4と比較してさらなる性能向上が図られている。特に、マルチスレッド性能とエネルギー効率に優れ、ハイエンドユーザーやプロフェッショナル向けのワークステーションやゲームシステムにおいて大きな利点をもたらすとされている。

この新しいAPUは、8コアから16コアの構成が用意されており、異なるユーザーニーズに応じた選択肢が提供される。また、16MBのL3キャッシュを共有し、データ処理速度の向上にも寄与している。これにより、複数のタスクを同時に処理する際の効率が格段に上がり、従来のAPUを凌駕するパフォーマンスを発揮する。

Zen 5ベースのStrix Haloは、2024年後半に発表される予定であり、これまで以上に高度なプロセッシング能力を誇る製品として市場に登場することが期待される。

40ユニットのRDNA 3.5ベース統合GPU

Ryzen AI Max 300 Strix Haloは、最大40ユニットのRDNA 3.5ベースの統合GPUを搭載している。この統合グラフィックスは、従来のAPUの統合GPUを大幅に超える性能を誇り、特にゲームやグラフィックス処理において飛躍的な向上が見込まれている。現行のStrix Point APUが16ユニットのCompute Unitsを持つのに対し、Strix Haloはその倍以上のグラフィックス処理能力を提供する。

RDNA 3.5ベースの統合GPUは、AMDの最新グラフィックス技術を基盤としており、特にエネルギー効率に優れている点が特徴だ。この技術により、ゲーミングPCやノートパソコンでの高解像度ゲームプレイが可能となり、フレームレートやビジュアルクオリティの向上が期待される。また、この統合GPUは、専用のグラフィックスカードを必要とせずとも、GTX 1660などのエントリーレベルのGPUに匹敵する性能を発揮することが確認されている。

このように、Strix Haloは単なるAPUを超え、ゲームやクリエイティブ作業においても強力なツールとなるだろう。

2025年のCESで正式発表予定

Ryzen AI Max 300 Strix Haloは、2025年に開催されるCESで正式に発表される予定である。この発表は、AMDの次世代APUの詳細が明らかになる重要なイベントとなることが予想されている。AMDは、これまでもCESで数多くの革新的な製品を発表しており、Strix Haloもその一環として注目を集めることになるだろう。

Strix Haloシリーズは、FP11ソケットを採用し、BGAパッケージで提供される。このソケットは、最大で2077本のピンを持ち、高性能なCPUと統合GPUの性能を最大限に引き出すための設計となっている。また、Strix Haloは、最大60TOPS(Tera Operations Per Second)のAI性能を備えており、AIワークロードにも対応できる次世代プロセッサとして位置づけられている。

2025年のCESでの発表が待ち遠しいStrix Haloシリーズは、今後のAMDの製品戦略において重要な位置を占めるだろう。