Oura Ring 4は、ウェアラブル技術の中で新たなステージに到達したデバイスである。Apple WatchやSamsung Galaxy Ringといった競合製品に比べ、特にバッテリー寿命とAIによるデータ解析機能で一歩先を行く。
このリング型デバイスは、健康データをより深く理解するためのAIアドバイザーを搭載し、ユーザーの健康管理をサポートする。そのデザインと機能のバランスは、まさに洗練の極みと言える。
長持ちバッテリーと洗練されたデザイン
Oura Ring 4は、ウェアラブル市場で特筆すべき存在感を放つ。最大の魅力は、そのバッテリー寿命の長さである。Apple Watchや他のスマートウォッチが1〜2日のバッテリー持ちを強調する中、この小型デバイスは1週間にわたり健康データを欠かすことなく記録できる。
そのバッテリー性能に加え、デザイン面でも進化を遂げている。Oura Ring 4は、従来モデルに見られた突起したセンサーを取り除き、滑らかな内側デザインを採用。これにより、指にはめた際の不快感を最小限に抑えつつ、見た目の美しさも追求している。特に、ゴールドやローズゴールドといった仕上げは高級感を漂わせ、ファッション性にも優れている。
さらに、サイズ展開も豊富で、細い指から太い指まで対応できるよう設計されている。多くのユーザーが自分にぴったり合うサイズを見つけられるよう、購入時にはフィッティングキットも提供されるため、安心して選べる点も評価できる。
健康データ解析の進化：AIアドバイザーの優位性
Oura Ring 4の最大の強みは、AIアドバイザーによる健康データの解析能力である。従来のフィットネストラッカーやスマートウォッチは、単にデータを収集するだけであったが、このデバイスはそれを一歩進め、収集したデータを基にユーザーに具体的なアドバイスを提供する。
例えば、日々のストレスレベルや睡眠の質、心拍数の変動などを解析し、ユーザーに対して「どうすればより健康的な生活を送れるか」という具体的なアドバイスを与えてくれる。このアドバイザー機能は、単にデータを確認するだけでなく、そのデータが持つ意味をわかりやすく説明してくれる点で非常に優れている。
さらに、アドバイザーのトーンもカスタマイズ可能で、厳しめのコーチングスタイルから、優しく励ましてくれるスタイルまで、自分の好みに合わせて設定できる。これは、データの理解に悩むユーザーにとって非常に有用な機能であり、他のデバイスにはない大きな利点である。
精度向上したセンサーとフィットネス追跡機能
Oura Ring 4では、センサーの精度が大幅に向上している。Ouraは、従来のOura Ring 3と比較して、信号経路を8から18に増やすことで、データ収集の精度を高めた。この改良により、特に睡眠時の血中酸素レベル（SpO2）の測定が120％向上し、平均的なSpO2測定の正確性が30％向上したという。
また、昼間の心拍数グラフにおける欠落が7％減少し、夜間では31％の欠落が解消されている。このような改良により、運動時や日常生活においても、心拍数やストレスレベルの計測がより正確に行われるようになった。実際、筆者がOura Ring 4を装着してランニングを行った際、Ouraアプリは自動的にその活動を検知し、簡単な確認操作だけでデータを記録してくれた。
さらに、月経サイクルの追跡や心血管年齢の測定機能も備えており、ユーザーのライフスタイルに合わせたフィットネス追跡が可能である。Oura Ring 4は、単なるトラッカーにとどまらず、ユーザーの健康状態を多角的にサポートするウェアラブルとして進化を遂げている。
iOSとAndroidの互換性：デバイスによる使用感の違い
Oura Ring 4は、iOSとAndroidの両方に対応しているが、使用感には明らかな差が存在する。筆者がテストした限りでは、iPhone 16 Pro MaxとSamsung Galaxy S24 Ultraでの体験には大きな違いがあった。特に、iPhoneとのペアリングはスムーズで、アプリ内のデータ表示も非常に迅速に行われた。
一方で、Androidデバイスでは接続に手間がかかり、データの同期にも時間がかかることが多かった。さらに、iPhoneではヘルスケアアプリとの連携も可能で、Oura Ringから得られたデータが一元管理されるため、健康管理がより効率的に行える。一方、Androidではこのような統合的なデータ管理は行われず、iOSデバイスに比べて不便さを感じる場面があった。
そのため、特にiPhoneユーザーにはOura Ring 4が強く推奨される。一方で、Androidデバイスとの互換性を重視するのであれば、Samsung Galaxy Ringの方が選択肢としては優れている可能性がある。