Appleは10月23日に新型iPad mini (A17 Pro)を発売する。このモデルは、iPhone 15 Proシリーズと同じA17 Proチップを搭載しており、ベンチマークテストでも高い性能を示した。特に、前モデルであるiPad mini 6との比較では、シングルコアおよびマルチコアのスコアで大幅な向上が見られる。GPU性能においても、iPad mini 6に比べて約25%のスコア向上を記録している。

iPad mini (A17 Pro)の発売日と仕様

Appleは2024年10月23日に新型iPad mini (A17 Pro)をリリースする。このモデルは、同社の最新プロセッサであるA17 Proを搭載し、8GBのRAMを備えている。これは、2021年に発売された前モデルのiPad mini 6が4GBのRAMだったのに対し、倍の容量であり、処理速度やマルチタスク性能の向上が期待される。

さらに、A17 ProはAppleのAI技術「Apple Intelligence」をサポートしており、最新の機械学習機能や高度なグラフィックス処理が可能である。ディスプレイサイズは従来と同様の8.3インチで、コンパクトなサイズ感を維持しながらも、性能面で大幅な進化を遂げた。

Appleはこのモデルの位置付けを、より携帯性の高いタブレットとして強調しており、モバイルワークやクリエイティブ用途においても高いパフォーマンスを提供することを目指している。

前モデルとの性能差:ベンチマークスコアの比較

新型iPad mini (A17 Pro)は、前モデルであるiPad mini 6と比較して、CPUおよびGPUのパフォーマンスが大幅に向上している。Geekbenchのベンチマークテストでは、シングルコアスコアが2800を超え、マルチコアスコアは約6500を記録した。これは、iPad mini 6のシングルコアスコア2100、マルチコアスコア5400に対して、それぞれ約30%および20%の性能向上を示している。

GPUテストにおいても、A17 Proの5コアGPUが従来のA15 BionicチップのGPUを凌駕し、25,600という高いスコアを達成した。iPad mini 6のGPUスコア20,200と比較して、グラフィック性能が25%以上向上している。

これらの結果から、新型iPad miniは処理速度やグラフィック性能において、明確な進化を遂げたといえる。

iPhone 15 Proシリーズとの違い

iPad mini (A17 Pro)とiPhone 15 Proシリーズは、同じA17 Proチップを搭載しているが、GPUの構成には違いがある。iPhone 15 Proシリーズでは6コアGPUを使用しているのに対し、iPad miniは5コアGPUを搭載しているため、グラフィック性能に若干の差が生じる。

Geekbenchのテスト結果によると、iPhone 15 Pro Maxはシングルコア2925、マルチコア7123を記録しており、iPad miniよりもやや高いスコアを示している。一方で、iPad miniのスコアもハイエンドのスマートフォンに匹敵するものであり、日常的な使用やゲーム、クリエイティブな作業においては性能の差を感じにくいと予想される。

この違いは、AppleがiPad miniにおいてコストを抑えるために行ったチップビニングの一環と考えられる。

A17 ProのGPU性能とチップビニングの効果

新型iPad miniのA17 Proチップは、Appleが行ったチップビニングによってコストを最適化しつつ、依然として高いパフォーマンスを実現している。具体的には、6コアGPUを持つiPhone 15 Proシリーズと比較して、5コアGPUに削減されたが、実際の使用における体感差は小さいとされる。

GPUベンチマークの結果では、iPad miniのA17 Proが25,600というスコアを記録し、iPad mini 6のA15 Bionicチップの20,200を大きく上回った。これにより、最新ゲームや高解像度の動画編集といった負荷の高い処理でも、快適なパフォーマンスを発揮することが期待される。

Appleはチップビニングによるコスト削減の恩恵を活かしつつ、エンドユーザーに対しては性能を損なわない製品提供を実現している。