Apple Watchはその登場以来、多くのユーザーに愛用され続けてきた。
しかし、セルラー対応のモデルは本当に必要なのだろうか?
著者は、あえてiPhoneを置き去りにし、セルラー版Apple Watchを2週間使用してみたが、その結論は「不要」であった。

Apple Watchのセルラーモデルに関心がある人々に向け、実験結果を詳細に報告している。

Apple Watchのセルラーモデルの実験的使用

Apple Watchは多機能であり、特にシリーズ4以降は日常生活に欠かせない存在となっている。筆者も長年愛用しているが、セルラー対応モデルはこれまで使用したことがなかった。そこで、シリーズ10のセルラーモデルを購入し、実際にiPhoneを持たずに過ごす実験を行った。

この実験では、日常的にiPhoneを持ち歩かずにどこまでApple Watchで対応できるのかを試した。例えば、ジムでiPhoneをロッカーに入れた状態で音楽をストリーミングしたり、犬の散歩中にiPhoneを家に置いて出かけたりした。結果として、Apple Watchは単体でも十分に機能したが、頻繁に「iPhoneがあれば便利なのに」と感じる場面が多々あった。特に情報を検索したり、ビデオを視聴したい場面では、iPhoneの不在が不便に感じられた。

Apple Watchのセルラーモデルが提供する自由さは魅力的ではあるものの、日常生活でiPhoneなしで過ごすことは予想以上に難しかった。この実験は、セルラー版の必要性を改めて考え直す機会となった。

iPhoneとの連携とWi-Fiの重要性

Apple Watchのセルラーモデルを使って感じた最大のポイントは、実際にはWi-Fi接続があればほとんどの機能が問題なく動作するということである。iPhoneと連携することで、Apple Watchはインターネットへの接続が必要なタスクもWi-Fi経由でこなせるため、セルラー接続は不要な場面が多い。

例えば、ジムにいる時、iPhoneがWi-Fiに接続していれば、Apple Watchも同じネットワークを使用する。このため、音楽のストリーミングやメッセージの送受信、通知の確認など、iPhoneが近くにあればセルラー接続は全く必要ない。また、ワークアウトの追跡やアクティビティの記録も、iPhoneが近くにない場合でもApple Watchは後で同期してくれるため、問題なく利用できる。

セルラーモデルの追加費用を考えると、Wi-Fi環境が整っている場所ではセルラー接続はほとんど使われないことがわかった。こうした状況では、セルラー機能の利点は非常に限定的である。

セルラーモデルが必要となる場合とは?

セルラー対応Apple Watchが本当に役立つ場面は、iPhoneを持ち歩かないことが前提となる状況である。例えば、ランニングやハイキングなど、iPhoneを持つのが煩わしい場面で、音楽やポッドキャストをストリーミングしながら走りたいという場合、セルラーモデルは役立つ。また、外出中に緊急の電話やメッセージの受信が必要な場合にも便利である。

特に、ランナーがiPhoneなしで外を走り、音楽を楽しみながら連絡手段を確保したい場合、セルラー接続は非常に実用的である。事前に音楽やポッドキャストをダウンロードすることも可能だが、ストリーミングの利便性を考慮すると、セルラー機能は確かに価値がある。また、ハイキング中にiPhoneを持たずに緊急連絡を取る場面も考えられるが、これはあまり一般的なシナリオではない。

一方で、子供向けのApple Watchにセルラー機能を搭載する場合は、子供が自分のiPhoneを持っていないことを前提としており、位置情報の追跡やテキストメッセージの送受信が重要となるため、こうしたケースではセルラーモデルが必要とされる。

結論:セルラーモデルは本当に必要か?

実験の結果、Apple Watchのセルラーモデルは、特定のニーズに応じた利用シーンでは役立つが、日常的には不要であることが判明した。Wi-Fi環境が整っている場所では、iPhoneとの連携でほぼすべての機能が利用可能であり、セルラー接続の必要性は非常に低い。

セルラーモデルは、ランニングやハイキングなど、iPhoneを持たずに活動する場合に便利だが、こうしたシーンが頻繁に発生しない限り、その利便性は限られている。また、セルラーモデルを使用するためには、追加のサービス料やデバイス本体の価格上昇を考慮しなければならず、これらの費用が見合うかどうかは慎重に検討する必要がある。

最終的に、iPhoneを常に持ち歩くユーザーにとっては、Wi-FiモデルのApple Watchで十分であると結論づけられる。セルラー対応モデルの魅力は限定的であり、多くのユーザーにとって不要な機能であると言える。