NVIDIAが次世代のGeForce RTX 50シリーズ「Blackwell」GPUをまもなく発表する可能性が浮上した。著名なリーカー「kopite7kimi」が、X(旧Twitter)上で「我々は近々GeForceまたはBlackwellに会うだろう」と述べたことから、2025年1月のCES 2025での発表予定とされていた従来の情報と矛盾する動向が注目を集めている。

これまでの予測では、CES 2025にてRTX 5090、5080、5070が発表され、翌年の初頭に発売開始と見込まれていた。最新のリーク情報では、RTX 5090は32GBのGDDR7メモリや20,000以上のCUDAコアを搭載し、5080は16GBのメモリと10,000以上のCUDAコアを誇るとされる。

NVIDIAがCESでの発表を避け、独自のイベントで「Blackwell」シリーズを披露する可能性があることから、ユーザーの期待は一層高まっている。

「Blackwell」アーキテクチャとは何か 次世代GPUへの進化を探る

NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 50シリーズ」に採用される「Blackwell」アーキテクチャは、現行の「Ada Lovelace」からどのような進化を遂げるのか注目されている。具体的な技術仕様はまだ公開されていないが、リーク情報によれば、Blackwellアーキテクチャは大幅な性能向上が見込まれている。

TweakTownの報道によると、次世代のRTX 5090にはCUDAコアが20,000以上搭載され、演算能力の飛躍的な強化が図られている。また、これまでのGDDR6Xメモリに代わり、新たにGDDR7メモリが導入され、転送速度が向上することで高負荷の処理も迅速に行える見込みである。

この「Blackwell」アーキテクチャは、特にゲームやクリエイティブ用途におけるパフォーマンス向上が期待されている。最新のAI処理技術やレイトレーシング(光線追跡)機能の進化により、リアルタイムでのレンダリングやディープラーニングにおいてもさらなる最適化が行われると考えられる。

だが、Blackwellの詳細が公式に発表されていないため、どこまで技術革新が進んでいるのかは不明である。NVIDIAの新世代アーキテクチャが、現行モデルとの性能差や価格面でどのように評価されるかが今後の焦点となるだろう。

CES 2025に依存しない独自イベントの可能性 背景にあるNVIDIAの戦略

リーカー「kopite7kimi」が示唆するように、NVIDIAがCES 2025を避けて独自に「GeForce RTX 50シリーズ」を発表する可能性は興味深い。CESは世界的な注目を集める一大イベントであるが、同時に数多くの企業が発表を行う場でもある。

その中でNVIDIAが主役として注目を集めるためには、独自のイベントで自社の新製品をより印象的に発表するほうが有利と考えるのは自然だ。NVIDIAはこれまでにもGeForceシリーズの重要な発表を、企業単独のオンラインイベントで行ってきた実績がある。

特に、GPUの性能が上がるにつれて、その発表にも高度なデモンストレーションや技術的な説明が求められるため、独自イベントのほうが柔軟な対応が可能である。また、CESに出展することは多くのリソースを消費し、競合他社とも同じ場で評価されることになるため、よりターゲット層に絞った形での発表がNVIDIAにとって効果的かもしれない。

こうした点を踏まえると、「GeForce RTX 50シリーズ」がCES 2025より前に発表されることも十分に考えられる。

新メモリ「GDDR7」導入と電力消費問題 高性能化の裏で生じる課題

RTX 5090およびRTX 5080には、次世代のGDDR7メモリが採用される見込みである。GDDR7は現行のGDDR6Xに比べ、転送速度の向上が見込まれており、よりリアルタイム性のある処理が可能となる。一方で、RTX 5090の消費電力が600Wとされ、これまでのグラフィックスカードよりもはるかに高い電力を必要とすることが予測される。

特にパワー供給が要求されるハイエンドモデルでは、PC全体の電力設計や冷却対策が必須となる。こうした消費電力の増加は、ユーザーにとって電源ユニットの選定や電力消費を考慮する必要が生じる点で一つの課題である。さらに、持続的なパフォーマンスを確保するための冷却性能も重要なポイントとなる。

RTX 50シリーズの性能向上がそのまま高い価値として受け入れられるか、消費電力や発熱問題がユーザーにとっての懸念材料とならないかが、製品の評価を左右するだろう。NVIDIAがこの課題にどう対応するかにも注目が集まる。