スマートフォンのカメラは「撮ってすぐきれい」が当たり前の時代になりました。

その中で最近よく聞くのが「RAWで撮ると後から自由に編集できる」という言葉です。しかし、RAWとは何なのか、本当に誰にとってもメリットがあるのか、正直よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

Galaxy S25 Ultraは、200MPカメラやAI処理を武器に、スマホカメラの最高峰とも言われています。一方で、RAW写真については「編集に強い」「逆に扱いづらい」といった相反する声も見られます。

この記事では、カメラに詳しくないライトユーザーの方でも理解できるように、Galaxy S25 UltraのRAW写真がどこまで編集に耐えられるのか、どんな撮り方・使い方がおすすめなのかをやさしく整理します。

JPEGとの違いや、Expert RAWの特徴、失敗しやすいポイントまで知ることで、自分にRAW撮影が必要かどうかがはっきり分かるはずです。

そもそもRAW写真とは?スマホ写真との違いをやさしく解説

RAW写真とは、カメラのセンサーが受け取った光の情報を、できるだけそのまま記録した写真データのことです。スマホで普段撮っている写真は、多くの場合JPEGやHEIFという形式で保存されますが、これは撮影した瞬間にスマホ側で明るさや色味、シャープさを自動調整した「完成済みの写真」です。

一方でRAWは、いわば「調理前の素材」のような存在です。撮った直後は少し暗かったり、色が地味に見えたりしますが、その分あとから自分好みに仕上げる余地が大きく残されています。写真好きやクリエイターがRAWを好む理由は、まさにこの自由度にあります。

スマホ写真との違いを、イメージしやすいポイントで整理すると次のようになります。

項目 スマホ写真(JPEG/HEIF) RAW写真
見た目 撮った瞬間からキレイ 少し地味で未完成
編集耐性 調整すると画質が崩れやすい 明るさや色を大きく変えても粘る
ファイルサイズ 軽い 重い

たとえば、逆光で撮った風景写真を思い浮かべてください。スマホ写真では空が真っ白に飛んでしまったり、人物の顔が暗く潰れたりしがちです。RAWで撮っていれば、後から編集することで白飛びした空の階調をある程度取り戻したり、暗部を持ち上げたりすることが可能になります。

この「後からどこまで直せるか」という性能は、現像耐性と呼ばれ、写真のクオリティを左右する重要な要素です。Photons to Photosなどのセンサーデータ分析で知られる海外の研究によれば、RAWデータはJPEGに比べて記録されている情報量が圧倒的に多く、編集時の自由度に大きな差が出ることが示されています。

ただし、RAWは万能ではありません。ファイルサイズが大きく、保存容量を圧迫しますし、編集にはLightroomなどのアプリが必要です。撮ってすぐSNSに上げたい、難しいことはしたくないという使い方には、通常のスマホ写真の方が向いています。

RAW写真は、「あとから写真を育てたい人のための選択肢」です。スマホカメラが高性能になった今だからこそ、RAWという形式が持つ意味を知っておくと、写真の楽しみ方が一段広がります。

Galaxy S25 Ultraのカメラ性能は何が進化したのか

Galaxy S25 Ultraのカメラ性能は何が進化したのか のイメージ

Galaxy S25 Ultraのカメラは、見た目のスペック以上に「中身」が進化しています。ライトユーザーにとって重要なのは、難しい設定をしなくても失敗しにくく、日常の写真がより印象的に撮れるかどうかです。その点でS25 Ultraは、AIと画像処理の進化によって撮影体験そのものが洗練されています。

最大の進化点は、超広角カメラの高画素化です。従来の約1200万画素から一気に5000万画素へと刷新され、風景や建物を撮ったときの細部の描写力が大きく向上しました。DXOMARKの評価でも、広い画角での解像感が改善した点が指摘されています。旅行先で景色を撮ったあと、写真を拡大してもディテールが崩れにくいのは大きなメリットです。

項目 S24 Ultra S25 Ultra
超広角カメラ 約1200万画素 約5000万画素
明るさ F2.2 F1.9

また、明るさを示すF値も改善され、暗い場所でもシャッタースピードを落とさずに撮影しやすくなっています。夜の街並みや室内の集合写真でも、ブレやザラつきが出にくいと感じる場面が増えるでしょう。

一方、メインカメラは前モデルと同じ2億画素センサーを継続採用しています。ただし進化がないわけではありません。新しい画像処理エンジン「ProVisual Engine」と最新チップの組み合わせにより、撮影後の処理精度が向上しています。Samsung公式情報やGSMArenaのレビューによれば、逆光時の明暗バランスや肌の質感がより自然になるよう調整されています。

特に恩恵を感じやすいのが、シャッターを押すだけで自動的に複数枚を合成するHDR処理です。従来は白飛びしやすかった空や照明部分も粘り強く描写され、SNSにそのまま載せても見栄えの良い写真になりやすいです。専門的なRAW現像をしなくても、完成度の高い写真が得られる点はライトユーザー向きと言えます。

望遠カメラ自体のハードウェアは大きく変わっていませんが、AIによるノイズ低減とシャープネス制御が改善されています。遠くの被写体をズームしたときに、輪郭だけが不自然に強調される場面が減り、全体として落ち着いた仕上がりになります。

総合するとGalaxy S25 Ultraのカメラ進化は、「数字が派手に変わった」というより撮った瞬間から完成形に近い写真が得られる方向への成熟です。カメラに詳しくなくても、日常や旅行、家族写真を安心して任せられる点が、このモデルならではの進化と言えるでしょう。

Galaxy S25 Ultraで使える3種類のRAW撮影モード

Galaxy S25 UltraでRAW撮影をしようとすると、実は選べるRAWが3種類あることに気づきます。これは一眼カメラに慣れていないライトユーザーにとって少し戸惑いやすいポイントですが、それぞれの性格を知ると使い分けは意外とシンプルです。**どのRAWも同じではなく、写真の仕上がりや編集のしやすさが大きく変わります。**

まず押さえておきたいのが、標準カメラアプリのProモードで撮影できるRAWです。これは1枚撮りが基本で、センサーが捉えた情報を比較的そのままDNG形式で保存します。AI処理やHDR合成はほとんど行われないため、明るさや色は地味ですが、動いている被写体でも破綻しにくいのが特徴です。Samsungの公式コミュニティでも「最も素直なRAW」と説明されており、後から自分で細かく調整したい人向けです。

次に、多くの人にとって実用性が高いのがExpert RAWです。これはGalaxy Storeから追加できる専用アプリで、シャッターを押すと内部で複数枚を合成します。Samsungのサポート情報によれば、最大で十数枚の画像を使い、明るい部分と暗い部分を同時に残すHDR処理が行われています。その結果、**空の白飛びや夜景のノイズが大幅に抑えられ、RAWなのに最初から完成度が高い**のが特徴です。

RAWの種類 内部処理 向いている人
ProモードRAW ほぼ単写・AI控えめ 自分でじっくり編集したい人
Expert RAW 複数枚合成・HDRあり 失敗せず高画質に仕上げたい人
サードパーティRAW 完全生データ 上級者・実験的に撮りたい人

ただしExpert RAWには注意点もあります。DXOMARKの分析でも触れられているように、ノイズ低減やシャープネスがRAW生成時点で適用されるため、葉っぱや遠景が少し単純化される場合があります。**後から元に戻すことはできないため、「素材そのもの」を重視する人には好みが分かれます。**それでもライトユーザーにとっては、編集耐性と見栄えのバランスが非常に優秀です。

3つ目がMotionCamなどのサードパーティアプリによるRAW撮影です。これはAndroidのカメラAPIを直接使い、Samsung独自の画像処理をほぼ通さずに保存します。海外のモバイルフォトグラファーの検証によれば、色も質感も非常にナチュラルですが、レンズの歪みや周辺の暗さまでそのまま記録されます。編集の手間が大きく、完全に上級者向けと言えます。

まとめると、**迷ったらExpert RAW、動きものや自分好みの調整をしたいならProモードRAW、画質研究やこだわり派ならサードパーティRAW**という考え方が分かりやすいです。Galaxy S25 UltraはRAWの選択肢が多い分、目的に合った使い分けができるのが最大の強みです。

RAW写真はどこまで明るさや色を編集できるのか

RAW写真はどこまで明るさや色を編集できるのか のイメージ

RAW写真の最大の魅力は、撮影後に明るさや色を大きく調整できる点です。Galaxy S25 UltraのRAWは、この自由度がスマートフォンの中でもかなり広い部類に入ります。ただし「何でも直せる魔法のデータ」ではなく、できることと限界を知っておくと失敗しにくくなります。

まず明るさ調整についてです。Expert RAWで撮影した場合、**暗い部分は2〜3段分程度までなら自然に明るく持ち上げられます**。これは複数枚を合成するHDR処理のおかげで、ノイズを抑えながら階調を残せるためです。Adobe Lightroomでも、シャドウスライダーを大きく動かしても破綻しにくいのが特徴です。

一方で、空や照明などの明るすぎる部分は注意が必要です。DXOMARKやPhotons to Photosの分析によれば、S25 Ultraのセンサーは物理的にハイライト側の余裕が小さく、**完全に白飛びした部分はRAWでも復元できません**。撮影時に少し暗めに撮る意識が、後編集の自由度を高めます。

調整項目 編集のしやすさ 注意点
シャドウ(暗部) ◎ 大きく持ち上げ可能 ProモードRAWはノイズ増加
ハイライト(明部) △ 軽度なら可 白飛びは復元不可
全体の露出 ○ 1〜2EV調整可 過度な調整は階調劣化

次に色編集です。RAWではホワイトバランスを撮影後に自由に変えられるため、室内の黄ばみや夕方の赤みも簡単に補正できます。SamsungはAdobeと連携しており、Lightroom側には専用のカメラプロファイルが用意されています。これにより、**色を動かしても破綻しにくいベース**が最初から整っています。

ただし、シャドウを大きく持ち上げすぎると、暗部にマゼンタやグリーンの色被りが出ることがあります。これはISOCELLセンサー特有の特性として、専門レビューでも指摘されています。この場合、色かぶり補正で多少は緩和できますが、完全に消すのは難しいです。

まとめると、Galaxy S25 UltraのRAWは**暗部と色調整に強く、日常写真を後から整えるには十分すぎる耐性**があります。一方で、白飛びした光や極端な編集には弱く、「撮影時に守る」ことが前提になります。このクセを理解して使えば、ライトユーザーでも一眼カメラに近い編集体験を楽しめます。

Expert RAWは便利?ライトユーザーが知っておきたい長所と弱点

Expert RAWは、難しい設定を意識せずに「あとから編集しやすい写真」を残せる点で、ライトユーザーにとって意外と便利な存在です。通常の写真モードよりも情報量が多く、明るさや色を後から調整しても画質が破綻しにくいのが特徴です。Samsungが公式に説明しているように、内部では複数枚の写真を合成する計算処理が行われています。

最大の長所は、失敗写真を救いやすい点です。逆光で顔が暗くなった写真や、夜景でノイズが出やすい場面でも、Expert RAWならシャドウを持ち上げたり、白飛びを抑えたりしやすくなります。Adobe Lightroomでの検証でも、16bit相当の階調データによりトーン調整時の段差が出にくいと評価されています。

撮った瞬間は普通でも、あとから「ちょうどいい写真」に仕上げやすいのがExpert RAWの魅力です。

一方で、弱点も理解しておく必要があります。Expert RAWで保存されるDNGは、完全な生データではありません。ノイズ低減やシャープネスが撮影時点で自動的に適用されており、細かい葉や遠景が少し単純化されることがあります。DXOMARKなどの評価でも、このAI処理は好みが分かれる点として指摘されています。

また、撮影から保存までに少し時間がかかります。内部で最大十数枚を合成するため、シャッターを切ってから次に撮れるまでワンテンポ遅れます。動いている被写体や、子どもやペットの撮影では、通常モードの方が向いている場面もあります。

項目 ライトユーザー視点 注意点
画質の粘り 明るさや色を後から直しやすい 完全な生RAWではない
暗所撮影 ノイズが少なく見栄えが良い 細部がなめらかになりやすい
操作感 基本はオートで簡単 保存に少し時間がかかる

つまりExpert RAWは、難しい現像を前提としたプロ向け機能というより、「あとで調整する余地を残した安心モード」に近い存在です。完璧なRAWを求める人には物足りないかもしれませんが、写真編集を少し楽しみたいライトユーザーには、使いどころを選べば頼もしい機能と言えます。

iPhoneやPixelと比べたときのRAW写真の違い

iPhoneやPixelと比べたとき、Galaxy S25 UltraのRAW写真で最も印象的なのは、「RAWなのに仕上がりが整いすぎている」という点です。特にExpert RAWで撮影したDNGは、撮った瞬間からノイズが少なく、明暗差も広く感じられます。これはSnapdragon 8 EliteとProVisual Engineによるマルチフレーム合成が、RAW生成の段階で強く効いているためです。

一方、iPhoneのProRAWは、Appleが公式に説明している通り、12bitのリニアDNGを基本としつつ、処理の介入を比較的抑えた設計です。DXOMARKや複数のプロ写真家のレビューによれば、iPhoneのRAWはホワイトバランスが安定しており、Lightroomで露出や色を動かしたときの挙動が素直だと評価されています。ガジェットのライトユーザーでも、後編集で色が破綻しにくい点は大きな安心材料です。

Pixelシリーズはさらに方向性が異なります。GoogleはRAWであっても「写真らしさ」を重視し、あえてノイズを完全には消さない傾向があります。その結果、暗部を持ち上げた際にザラつきは残るものの、木の葉や壁の質感といった微細なディテールが保たれやすいです。Redditの写真系コミュニティでは、PixelのRAWはフィルムスキャンに近いと表現されることもあります。

機種 RAWの特徴 ライトユーザー視点
Galaxy S25 Ultra AI処理が強くノイズが少ない 編集しなくても完成度が高い
iPhone Pro 色と階調が自然で安定 失敗しにくく扱いやすい
Pixel Pro 質感重視でノイズを残す 写真好き向けだが癖あり

Galaxy S25 UltraのRAWをLightroomで編集すると、ハイライトやシャドウは大きく動かせますが、極端に調整するとAI処理の影響で細部が戻らない場面があります。これはAdobeのCamera Raw対応資料でも触れられている通り、Expert RAWが純粋なセンサー生データではないことに起因します。逆に言えば、難しい調整をしなくても見栄えの良い写真になる点は、ライトユーザーにとって明確なメリットです。

まとめると、Galaxyは「撮った瞬間から完成形に近いRAW」、iPhoneは「編集耐性が高く安定したRAW」、Pixelは「素材感を残すRAW」という違いがあります。RAW撮影に興味はあるけれど、細かい現像は難しそうと感じている人ほど、Galaxy S25 UltraのRAWは扱いやすく感じられるでしょう。

RAW撮影が向いている人・向いていない人

RAW撮影は万能ではなく、向き不向きがはっきり分かれます。Galaxy S25 UltraのRAWも例外ではなく、写真に何を求めるかによって評価が大きく変わります。まず向いているのは、撮ったあとに自分で仕上げを楽しみたい人です。明るさや色味を後から調整し、「見た目」を作り込む工程に価値を感じるなら、RAWは強力な素材になります。

特にExpert RAWは、複数枚の画像を合成した16bit DNGとして保存されるため、空と地面の明暗差が大きい風景でも粘り強く調整できます。Adobeによれば、ビット深度が高いRAWほど階調編集時の破綻が起きにくいとされており、スマホでも現像耐性を重視する人には魅力的です。旅行先で夕焼けや夜景をしっかり残したい人には相性が良いです。

一方で、撮ってすぐSNSに投稿したい人にはRAWは向いていません。RAWはファイルサイズが大きく、撮影後にLightroomなどでの現像作業が前提になります。Galaxy S25 UltraのJPEGやHEIFはAI処理が非常に完成度が高く、DxOMARKの評価でも「そのまま使える画作り」が強みとされています。手軽さ重視ならRAWを使う理由はほとんどありません。

タイプ RAWとの相性 理由
写真を後編集したい人 向いている 明暗や色を細かく調整できる
記録・共有が目的 向いていない 現像の手間が大きい
カメラ操作に慣れていない やや不向き 露出ミスの影響が大きい

また、RAWは「失敗を救える魔法」ではありません。Galaxy S25 Ultraはセンサーサイズの制約から、白飛びしたハイライトはRAWでも復元が困難です。Photons to Photosの分析が示すように、スマホセンサーのダイナミックレンジには物理的限界があります。撮影時点で露出を大きく外すと、現像でも取り戻せない点は理解しておく必要があります。

総合すると、RAW撮影が向いているのは、スマホでも写真表現を楽しみたい人、向いていないのは、手軽さと即時性を最優先する人です。Galaxy S25 UltraのRAWは「こだわる人ほど活きる」性格であり、ライトユーザーが無理に使う必要はありません。興味が出たときに挑戦する、くらいの距離感がちょうど良いです。

参考文献