ファイル転送アプリ「LocalSend」がWindows PC上で動作しない、またはデバイスを検出できない問題が報告されている。特に、同じネットワーク内で接続されているにもかかわらず、端末が認識されないケースが多発している。
主な原因として、APアイソレーションの設定、VPNの干渉、ファイアウォールの制限、ネットワーク検出機能の無効化などが挙げられる。本記事では、LocalSendが正しく機能しない理由を詳しく解説し、ネットワーク設定の見直しやアプリの再起動など、実践的な解決策を紹介する。
LocalSendがデバイスを検出できない主な原因

LocalSendがWindows PCで正常に動作しない場合、その原因は主にネットワーク環境やソフトウェア設定に関連している。特に、PCと他のデバイスが同じWi-Fiネットワーク上にあるにもかかわらず、接続できないケースが多発している。
最も多い要因のひとつが「APアイソレーション(Access Point Isolation)」だ。これはWi-Fiルーターが、同じネットワーク上のデバイス同士の通信を遮断する機能で、セキュリティ強化の目的で有効化されていることがある。この設定が有効だと、LocalSendは他の端末を検出できなくなる。また、VPNの使用やWindowsのファイアウォールの設定も接続の妨げになることがある。
加えて、「ネットワーク探索」が無効になっている場合も問題が発生する。この機能がオフのままだと、PCは同じネットワーク上の他のデバイスを認識できない。これらの設定を適切に調整することで、LocalSendの接続問題は解決できる可能性が高い。
設定変更で解決できるか 試すべき具体的な対処法
LocalSendの接続トラブルを解消するためには、まずWindowsやネットワーク環境の設定を見直すことが重要だ。最初に試すべきなのは、LocalSendアプリの再起動と、PC自体の再起動だ。これにより、一時的なネットワークの不具合が解消されることがある。
次に確認すべきなのが、Wi-Fiネットワークの設定だ。PCと送信先のデバイスが同じWi-Fiに接続されていることを確認し、ルーターの管理画面で「APアイソレーション」や「クライアントアイソレーション」の設定をオフにする。これらの機能が有効になっていると、デバイス間の通信が遮断されるため、LocalSendは正常に動作しない。
さらに、VPNを使用している場合は一時的に無効にし、Windowsのファイアウォール設定を見直す必要がある。LocalSendが正しく動作するには、Windows Defenderファイアウォールの「アプリ許可リスト」に追加するか、ファイアウォールを一時的にオフにして動作確認を行うことが推奨される。
LocalSendの今後の課題と代替手段
LocalSendはシンプルなインターフェースと高速なファイル転送機能を備えた便利なツールだが、ネットワーク設定によって動作しないケースが発生する点は課題だ。特に、Wi-Fiルーターの設定やファイアウォールの制限をユーザーが把握していない場合、トラブル解決が難しくなる。
こうした問題を回避する方法として、LocalSend側でネットワークの状態を診断し、適切な設定変更をユーザーに案内する機能が追加されると利便性が向上するだろう。また、P2P(ピア・ツー・ピア)通信以外の転送方法として、クラウドストレージ経由でのファイル共有機能を組み込むのも有効な解決策のひとつだ。
もしLocalSendが動作しない場合の代替手段としては、Windows標準の「近距離共有」や、「Snapdrop」「Send Anywhere」などの他のP2Pファイル転送ツールを利用することも検討すべきだ。どのツールもそれぞれ特徴があり、用途に応じて最適な選択をすることが重要になる。
Source:The Windows Club