MWC 2025でXiaomiが独自のAIスイート「HyperAI」を発表した。これまでSamsungやGoogleが主導してきたAI機能競争に、Xiaomiも本格参戦する。HyperAIは、文章生成や画像編集、音声認識といった多彩なAIツールを統合し、Xiaomiの独自OS「HyperOS」との連携を強化するものだ。

特に注目されるのは、AIライティングアシスタントや動画へのシネマティックエフェクト適用機能、AIジェスチャー操作など、ユーザーの創造性を拡張する機能群。また、ギャラリーアプリにはオブジェクト除去や静止画のアニメーション化といったAI技術が搭載され、画像編集の幅が広がる。

対応機種はXiaomi 15シリーズやXiaomi Pad 7などで、一部の旧モデルにも順次展開予定。SamsungのGalaxy AIやOnePlus AIとどこまで競争できるのか、今後の評価が注目される。

Xiaomiが展開するHyperAIの主要機能とは

XiaomiがMWC 2025で発表した「HyperAI」は、スマートフォンにAIの利便性を統合する新たな試みだ。主な機能として、AIによる文章作成や画像編集、音声認識などが用意されている。特に、AIライティングツールは文章の要約や校正に対応し、スマートフォンでの文書作成をスムーズにする。また、シネマティックルック機能は、撮影した動画に映画のようなエフェクトを加え、映像制作の可能性を広げる。

AIジェスチャーリアクションも注目すべきポイントだ。特定のジェスチャーを認識してスマートフォンを操作するこの機能は、タッチレスでの操作性向上に貢献する。さらに、AI検索機能では、システム内のファイルやアプリ、設定を即座に見つけることが可能になり、日常の利便性が増す。

ギャラリーアプリにもAIが活用され、画像の不要なオブジェクトを消去する機能や、静止画をアニメーション化する「AIダイナミック壁紙」などが搭載される。XiaomiはこれらのAI機能を「HyperOS」と連携させ、シームレスなユーザー体験を目指している。今後、これらの機能がどのように進化し、他社との差別化を図るのかが注目される。

Galaxy AIやOnePlus AIと比較したHyperAIの強み

XiaomiのHyperAIは、SamsungのGalaxy AIやOnePlus AIとどのように異なるのかが気になるところだ。Galaxy AIは、リアルタイム翻訳や高精度な画像編集機能を強みとしており、すでに多くのユーザーに利用されている。一方、OnePlus AIは、AIによるスマートな通知管理やバッテリー最適化といった機能にフォーカスしている。

これに対し、HyperAIの最大の特徴は、Xiaomi独自の「HyperOS」と密接に統合されている点だ。例えば、AI検索機能はシステム全体に適用され、デバイス内の情報を横断的に検索できる。さらに、AI字幕機能は、Google Pixelの「ライブキャプション」に類似した機能を持ち、動画視聴の際にリアルタイムで字幕を生成する。これにより、エンタメ用途でもAIの恩恵を受けることができる。

また、クリエイティブツールの充実度もHyperAIの強みだ。AIによるポートレート編集や動画のシネマティックエフェクト機能など、クリエイティブな作業を支援する機能が多数揃っている。こうした点を考慮すると、HyperAIは特にビジュアルコンテンツを楽しむユーザーにとって魅力的な選択肢となる可能性がある。

今後の展開とXiaomiの狙い

Xiaomiは、HyperAIを既存のデバイスに順次展開していく方針を発表している。Xiaomi 15シリーズやXiaomi Pad 7といった最新デバイスに加え、Xiaomi 14シリーズやRedmi Note 14 Pro 5Gなどにも、4月以降にアップデートが提供される予定だ。このように、幅広い端末で利用可能となる点は、Xiaomiの戦略の一環といえる。

また、XiaomiはHyperAIと並行して「HyperOS 2」も発表しており、OSレベルでの最適化を進めている。これにより、HyperAIのパフォーマンスを最大限に引き出し、シームレスな操作感を実現しようとしている。加えて、Xiaomi 15シリーズのユーザーには、Googleの「Gemini Advanced」を3か月間無料で利用できる特典が用意されている。これは、XiaomiがAI市場でのプレゼンスを強化するための施策の一つと考えられる。

今後、XiaomiがHyperAIの機能をどこまで進化させ、他社との差別化を図るのかがポイントになる。特に、SamsungやOnePlusといった競合がさらに高度なAI機能を投入してくることが予想される中、HyperAIがどこまで優位性を確保できるのかが注目される。

Source:Beebom