Steamの最新ハードウェア&ソフトウェア調査によると、Windows 10が再び最も人気のあるOSとして返り咲いた。2025年2月のデータでは、Windows 10の使用率が10.47ポイント増加し53.34%に達した一方、Windows 11は9.36ポイント減少し44.10%となった。

この急激な変動の背景には、互換性やパフォーマンスの問題、あるいはユーザーの慣れ親しんだ環境への回帰が影響している可能性がある。全体として、Steamユーザーの97.58%がWindowsを利用し、その割合は増加傾向にある。一方で、LinuxとmacOSのシェアはそれぞれ減少した。

また、ハードウェア面では、Intel製プロセッサーが68.89%のシェアを維持し、NvidiaのRTX 4060が最も人気のあるGPUとなった。これらの動向は、PCゲーマーの選択基準や市場の変化を反映しており、今後の推移にも注目が集まる。

Windows 11のシェア急落の理由とは

2025年2月のSteam調査では、Windows 11の使用率が44.10%へと大幅に低下した。前月比で9.36ポイントもの減少は、短期間での急落として異例の動きだ。一方で、Windows 10のシェアは53.34%に上昇し、再びSteamユーザーの主流となった。この変化の要因として、Windows 11のパフォーマンスや互換性の問題が関係している可能性がある。

Windows 11はリリース当初からシステム要件が厳しく、特にTPM 2.0や特定のCPU要件が足かせとなっていた。さらに、一部のゲームで最適化が十分でなく、フレームレートの低下や不具合が報告されることもあった。加えて、インターフェースの変更に対するユーザーの評価が分かれ、Windows 10に慣れたプレイヤーが戻ってきた可能性もある。

また、Windows 11の強制アップデートや、タスクバー・スタートメニューの仕様変更も不評の要因と考えられる。ゲーム用途では安定性が重視されるため、不安要素の少ないWindows 10が再び支持を集めたのかもしれない。今後のアップデート次第では、再びWindows 11のシェアが回復する可能性もある。

Windows 10の人気が再燃した背景

Steamユーザーの間でWindows 10のシェアが53.34%にまで回復した背景には、Windows 11の問題点とともに、Windows 10の持つ強みが改めて評価されたことがある。特に、安定性や互換性の面でWindows 10を支持する声は根強く、ゲーム用途ではこの点が大きな決め手となった可能性が高い。

Windows 10は、リリースから長期間にわたり使用されてきた実績があり、多くのゲーマーにとって「最も安定した環境」として認識されている。最新のゲームでも依然として最適化が行われており、特に古いタイトルの互換性が保証されている点も安心感を与える。

さらに、Windows 10は2025年10月までの公式サポートが続くため、今後もしばらくはセキュリティ面での懸念が少ない。これに対し、Windows 11はユーザーインターフェースの変更や機能制限があり、一部のユーザーにとっては扱いづらいと感じられたのかもしれない。ゲーム用途に限らず、PC全体のパフォーマンスや操作性の観点からも、Windows 10の再評価が進んでいるようだ。

SteamユーザーのOS選択の傾向と今後の展開

Steamの調査では、Windows 10と11のシェア変動だけでなく、全OSにおける使用状況も明らかになった。Windows全体のシェアは97.58%と依然として圧倒的で、LinuxとmacOSはそれぞれ1.45%と0.97%にとどまった。これらのシェアは前月から減少しており、特にLinuxは0.61ポイント、macOSは0.43ポイント低下した。

LinuxとmacOSはゲーム環境としての選択肢が限られていることが影響していると考えられる。Steam Deckの登場によりLinuxの利用が一時的に増えたものの、多くのPCゲーマーにとってWindowsの優位性は揺るがない。一部のAAAタイトルがWindows向けに最適化されていることや、DirectXの恩恵を受けられる点もWindowsが選ばれる要因だろう。

今後の展開として、Windows 11がどのように改善されるかが注目される。もしゲーム向けの最適化が進み、パフォーマンスの向上が図られれば、再びシェアが回復する可能性がある。逆に、現状の課題が解決されなければ、Windows 10の人気が維持される可能性も十分にある。ゲーマーにとって最適なOS環境とは何か、今後の動向からも目が離せない。

Source:Neowin