GoogleはPixel Phoneアプリの通話インターフェースを刷新し、操作性を向上させるアップデートを正式発表した。新UIでは、通話中の便利機能「Call Assist」や「オーディオ絵文字」へのアクセスが簡単になり、円形ボタンの配置が最適化された。

さらに、通話履歴には「不在着信」「スパム」「連絡先」などのフィルターが追加され、必要な通話を素早く見つけやすくなった。この変更により、煩雑になりがちな履歴の整理が容易になると期待される。

また、Pixel 9限定だった通話メモ機能の正式展開が明言されたほか、一部の新UIが非Pixelデバイスでも利用可能になる可能性も浮上している。

Pixel Phoneアプリの新UIは何が変わったのか

Pixel Phoneアプリの新しい通話インターフェースでは、ボタンの配置が再設計され、利便性が向上した。従来のUIでは「通話メモ」や「オーディオ絵文字」などの機能にアクセスするためには「その他」ボタンをタップしなければならなかったが、新UIでは「Call Assist」と「Audio Emoji」のボタンがより目立つ形で配置され、一目で認識しやすくなった。

また、キーパッド、ミュート、電話、その他といった基本機能のボタンは円形のデザインを維持しつつ、レイアウトが整理された。特に「通話メモ」機能では、タップするとシートが展開され、リアルタイム文字起こしや要約が大きなカード形式で表示されるようになっている。これにより、通話中でも視認性が向上し、重要な情報を逃さず記録できる設計になった。

今回のUI変更がPixel 9シリーズに限定されているのは、「通話メモ」機能がPixel 9専用だからとされている。しかし、GoogleのPhoneアプリが他のAndroid端末でも利用可能であることを考えると、今後さらなる展開があるかもしれない。ベータ版では一部の非Pixel端末でもUI変更が確認されており、Pixel以外のユーザーにも影響を及ぼす可能性がある。

通話履歴のフィルター追加で整理が容易に

新たに導入された「最近の通話」履歴フィルターは、通話履歴の整理を劇的に改善する機能となる。従来、Pixelの通話履歴は時系列で一覧表示されるだけだったが、新UIでは「すべて」「不在着信」「連絡先」「非スパム」「スパム」の5種類のフィルターが用意され、目的の通話を素早く見つけられるようになった。

特に「スパム」フィルターは迷惑電話の多い現代において有用な追加要素といえる。従来のスパム通話ブロック機能と併用することで、不要な通話を効果的に管理できるようになる。一方で「非スパム」フィルターの追加も興味深い。これにより、通常の通話履歴とスパムを明確に区別し、ビジネスやプライベートでの通話管理がしやすくなると考えられる。

さらに、検索バーの高さが増したことで、特定の連絡先や番号を素早く検索できるようになった。履歴のスクロールに時間を取られることなく、必要な情報にすぐにアクセスできる設計になっている。これらの改良は、単なるUI変更にとどまらず、日常的にスマートフォンで通話を利用するユーザーにとって実用的な改善といえる。

進化するGoogleの通話アシスト機能

今回のアップデートでは、Googleが提供する通話アシスト機能の強化も見逃せないポイントとなる。Pixelシリーズの「Direct My Call」や「Hold for Me」などの機能は、ユーザーの通話体験を向上させるために導入されてきたが、新たに「Call Screenの推奨返信」や「ライブキャプション」の強化も発表された。

「ライブキャプション」の新機能では、着信時に会話の内容がリアルタイムで文字起こしされ、キーボードで返信すると音声として発話することが可能になった。特に騒音が多い環境や、通話が難しい状況でもスムーズにコミュニケーションが取れる機能として注目されている。また、設定から音声の種類を変更できる点も、より柔軟なカスタマイズを求めるユーザーにとって有益だ。

Googleの通話アシスト機能は、単なる補助機能ではなく、通話のストレスを軽減し、より快適な通話体験を提供する方向に進化している。特にAIを活用したリアルタイム文字起こしや通話案内機能は、今後さらなる改良が期待される。Pixelシリーズの強みとして、このような機能がどこまで発展していくのか、今後の展開に注目が集まる。

Source:9to5Google