ASUSの新型ゲーミングタブレット「ROG Flow Z13」がベンチマークデータベースで発見された。前世代がIntel CPUとNvidia RTX 4060 GPUを採用していたのに対し、次世代モデルではAMDの最新チップ「Ryzen Max+ 395」とRadeon 8060Sグラフィックスが搭載される見込みだ。
この新チップは16基のZen 5コアと2,560個のGPUストリームプロセッサを備え、性能面で前世代を大幅に上回る可能性が示唆されている。
さらに、「Forza Horizon 5」で1080p中設定・100fps超えの性能を示した過去のリークや、AMDの現行ハイエンドチップを凌駕するベンチマークスコアが明らかになったことで、シングルチップの性能でIntelとNvidiaの組み合わせを置き換えるポテンシャルを示す。
正式発表はCES 2025で期待されており、AMDとASUSの次世代ゲーミングデバイスが新たなトレンドを生み出す可能性が高い。
AMDの「Strix Halo」がもたらすシングルチップ性能の飛躍
AMDの新型Ryzen Max+ 395は、16基のZen 5コアと統合GPUのRadeon 8060Sを一体化した「Strix Halo」チップとして登場している。これまで高性能ゲーミングデバイスでは、CPUとGPUが別々に搭載されるのが一般的だったが、今回のASUS ROG Flow Z13ではAMDの統合チップがその常識を覆しつつある。
CPUのベンチマークスコアは従来のRyzen 9 7945HXを数千ポイント上回り、現行のラップトップ向けフラッグシップモデルを凌駕する水準に達している。
特筆すべきは、統合GPU性能が単体GPUであるNvidia RTX 4060に匹敵、もしくはそれを上回る可能性が示唆されている点だ。過去の情報によれば、「Forza Horizon 5」では1080p中設定で100fpsを超える安定した動作を実現している。これが事実であれば、外付けGPUを必要としないシングルチップデバイスの時代が到来する可能性がある。
ASUSはROGブランドを通じて、常に革新的なゲーミングデバイスを提供してきたが、AMDの「Strix Halo」チップ採用は、電力効率や熱管理の面でも大きなアドバンテージをもたらすだろう。シングルチップで性能を確保できれば、デバイスの軽量化や長時間駆動も実現できるため、今後のトレンドに大きな影響を与える可能性が高い。
ASUSとAMDの次世代ゲーミング戦略がCES 2025で明らかに
今回のベンチマークリークは、未発表デバイスであるROG Flow Z13の性能の一端を示したに過ぎないが、正式な発表はCES 2025で行われると見られる。CESはテクノロジー業界にとって最大の見本市であり、AMDが「Ryzen AI Max+ 395」や次世代GPUの詳細を発表する場になる可能性が高い。ASUSも同イベントに参加し、ROGシリーズの最新デバイス群を披露する見込みだ。
ASUSがこの新型ゲーミングタブレットにおいてAMD一択の構成を選んだ背景には、AMDが近年進めているAI統合戦略や一体型チップの性能向上があると考えられる。AI技術の強化が求められる現代において、RyzenシリーズのAI対応はゲーミング分野にも大きな価値をもたらすからだ。
独自の考えとしては、ROG Flow Z13がAMD構成のみで発表されることは、従来のIntelとNvidiaの市場独占への挑戦と読み取れる。この動きが他のメーカーにも波及すれば、ゲーミングPC市場の勢力図が塗り替えられる可能性も十分に考えられる。AMDがシングルチップ性能で実現する「統合」こそが、今後のデバイス競争の焦点になるだろう。
ゲーミングタブレット市場が新たな競争局面に突入
ゲーミングタブレット市場は、ここ数年で急速に進化してきたが、ASUSのROG Flow Z13に見られるように、AMDの高性能一体型チップが新たな競争の火種となるかもしれない。
これまでIntel CPUとNvidia GPUの組み合わせが主流だった市場では、性能と価格のバランスが課題となっていた。しかし、AMDの「Strix Halo」が事実上その両者を置き換えることが可能であれば、コスト面での競争力も大きく変わるだろう。
従来のモバイルゲーミングデバイスでは、複数のチップを搭載することで発熱や消費電力が増大し、小型デバイスにとっては大きな課題だった。その点、Ryzen Max+ 395はCPUとGPUを一体化することで熱効率を高め、発熱を抑えながら高い性能を維持することができる。これにより、ASUSはデザイン面でも優れたモバイルゲーミングデバイスを実現する可能性が高い。
さらに、AMDが高性能GPUの新モデルをCES 2025で発表するという予測もあることから、次世代のゲーミングデバイスはシングルチップでの性能競争が本格化すると見られる。IntelやNvidiaがこの動きにどう対応するのかも注目されるポイントだ。