主要なNvidiaボードパートナーであるZotacが、ユーラシア経済委員会(EEC)に新たなGeForce RTX 5050、5060、5060 Tiを登録したことが明らかになった。特にRTX 5050の存在が初めて確認され、RTX 3050の後継モデルとして注目されている。
これらの新モデルは、Nvidiaが久しぶりに250ドル未満の価格帯に参入する可能性を示唆しており、予算を抑えたいゲーマーにとって朗報となるかもしれない。ただし、EECへの登録が必ずしも製品の市場投入を保証するものではないため、正式な発表を待つ必要がある。
RTX 5050の登場は、NvidiaがエントリークラスのGPU市場に再び力を入れる兆候と捉えられる。これまで、この価格帯は中古のRTX 30シリーズやRadeon RX 6000シリーズが主流であったが、新たな選択肢が増えることで、ユーザーの幅広いニーズに応えることが期待される。
一方、IntelのBattlemageアーキテクチャを採用したArc B580やArc B570も予算重視のゲーマーの間で人気を集めているが、Nvidiaの新モデルがこれらに対抗する形となる可能性がある。
なお、RTX 5060 Tiは8GBと16GBのVRAMを搭載した2つのバリエーションが噂されており、RTX 5060は8GBのメモリを備えると報じられている。しかし、RTX 5050の詳細なスペックについてはまだ明らかになっていない。これらのモデルの正式な発表や発売時期については、今後の情報に注目したい。
RTX 5050の存在が示唆するNvidiaの新たな戦略
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EECに登録されたRTX 5050は、Nvidiaが久しぶりにエントリークラスのGPU市場に本格的に参入する可能性を示している。RTX 40シリーズでは、50番台のモデルが投入されず、RTX 3050の後継機を待ち望むユーザーも多かった。
これまで、この価格帯は中古のRTX 30シリーズやRadeon RX 6000シリーズが主流となっていたが、Nvidiaが再び手を広げることで、エントリークラスの選択肢が大きく変わるかもしれない。特に、RTX 3050が登場した際には、補助電源なしのモデルと補助電源ありのモデルで性能差があったが、RTX 5050がどのような仕様で登場するのかが注目される。
電力効率の向上や最新のDLSS技術への対応が期待されるが、現時点では具体的なスペックは不明だ。また、RTX 4050が存在しなかったため、RTX 5050がどの程度の性能向上を果たしているのかも重要なポイントとなる。さらに、エントリークラスの新GPUが登場することで、競合他社の動向にも影響を与える可能性がある。
AMDはRDNA 4アーキテクチャを採用した新しいRX 9060やRX 9050を準備中とされているが、Nvidiaが先にエントリー市場に動きを見せたことで、AMDの戦略も変わるかもしれない。また、IntelのArcシリーズも低価格帯市場で一定のシェアを獲得しているため、RTX 5050がこれらの製品とどのように競争するのかが見どころとなる。
RTX 5060 TiとRTX 5060の仕様はどうなるのか
RTX 5060 Tiには、8GBと16GBのVRAMを搭載した2つのバリエーションが登場するとされている。これは、かつてのGTX 1060が3GB版と6GB版で大きな性能差を見せたケースを思い出させる。特に、VRAM容量が異なることで、レイトレーシング性能や高解像度での安定性に違いが生じる可能性がある。
過去の例を踏まえると、メモリの違いがフレームレートに大きな影響を与えるため、どの程度の性能差が生まれるのかが気になるところだ。一方、RTX 5060は8GBのVRAMを搭載すると報じられている。これは、RTX 4060と同じ容量であり、メモリバス幅やクロック速度の違いによってパフォーマンスが調整される可能性がある。
特に、RTX 4060は128bitのメモリバスとGDDR6メモリを搭載していたため、RTX 5060がどのような仕様となるかがポイントとなる。また、RTX 5060シリーズの登場時期については、来月の発表が噂されているが、RTX 5070のリリース遅延が影響する可能性もある。
過去のNvidiaのリリーススケジュールを振り返ると、上位モデルの遅延が下位モデルの投入時期に影響を与えることがあったため、今回も同様のパターンとなるかもしれない。とはいえ、エントリークラスのGPUを求めるユーザーは多いため、RTX 5060シリーズの詳細な情報が待ち望まれる。
Computexでの発表に期待が高まるエントリーGPU市場
Computexが開催される5月下旬には、NvidiaやAMD、Intelの新しいGPU情報が続々と発表されると見られている。特に、NvidiaがEECに登録したRTX 5050、5060、5060 Tiがどのタイミングで正式発表されるのかが注目ポイントだ。
近年、エントリークラスの新GPUは減少傾向にあり、特に低価格帯の最新モデルは少なくなっていた。そのため、もしRTX 5050が発表されれば、多くのユーザーの関心を集めることになるだろう。AMDもRDNA 4アーキテクチャを採用したRX 9070シリーズを準備しているが、エントリークラスのRX 9060やRX 9050はまだ先になると見られている。
これにより、エントリー市場ではNvidiaのRTX 5050が先行する可能性がある。一方で、IntelはBattlemageアーキテクチャを採用したArc B580やArc B570をすでに発表しており、一定の需要を獲得している。価格帯が近いこれらの製品とRTX 5050がどのような競争を繰り広げるのかがポイントとなる。
また、Intelの次世代GPUである「Celestial」は、2025年後半に登場予定のPanther Lake CPUとともにリリースされると見られており、専用GPUの新モデルが登場するまでにはまだ時間がかかりそうだ。
そのため、現時点ではNvidiaのRTX 5050やAMDのRX 9060が、エントリーGPU市場の主役となるかもしれない。Computexでは、各メーカーがどのような新製品を発表するのか、今後の動向に注目が集まる。
Source:Tom’s Hardware