GEEKOMがCES 2025で発表予定の新型ミニPCは、AMD、Intel、Qualcommの最新プロセッサを搭載し、業界注目の的となっている。「A9 MAX」はRyzen AI 9 HX 375を採用し、5 TOPsのニューラル性能を実現。「IT15」はIntel Core Ultra 285Hを搭載し、次世代のフラッグシップを示唆する。
そして「QS1」は、世界初のQualcomm Snapdragon Eliteチップセットを搭載したミニPCとして発表される予定だ。これらのモデルは、省スペースと高性能を両立し、従来のデバイスに挑戦する形となる。価格や発売時期の詳細は未定だが、さらなる発表が期待される。
AMDとIntelの最新プロセッサが切り拓くミニPCの新時代
GEEKOMが発表予定の「A9 MAX」と「IT15」は、それぞれAMDのRyzen AI 9 HX 375とIntelのCore Ultra 285Hを搭載している。特にRyzen AI 9 HX 375は、Zen 5アーキテクチャを採用し、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)の性能が5 TOPs向上している。
この性能はAI処理や高負荷作業において従来のプロセッサを凌駕する可能性がある。一方、Intel Core Ultra 285Hは、まだ市場に登場していない新世代プロセッサで、CES 2025で正式発表されることが示唆されている。
これらのプロセッサを搭載したミニPCは、デスクトップPCと同等の性能をコンパクトな筐体で実現し、従来のラップトップに代わる新たな選択肢を提示する。特に、NPUを活用したリアルタイム翻訳や映像処理の高速化は、日常の利便性を大きく向上させるだろう。この進化の背後には、デバイスの多機能化とAIの普及というトレンドがあると言える。
ただし、これらのデバイスの価格がどの程度に設定されるかは依然として不明であり、その性能が一般消費者にどれほど受け入れられるかは未知数である。新型プロセッサの可能性と普及のスピードが今後の市場の鍵を握るだろう。
Qualcommプロセッサを搭載した世界初のミニPCの可能性
GEEKOMが発表予定の「QS1」は、QualcommのSnapdragon Eliteチップセットを搭載した世界初のミニPCとして注目を集めている。このプロセッサは12コア構成に加え、Adreno GPUや8448 MT/s対応のLPDDR5Xメモリを搭載しており、グラフィックス性能と省電力性が強みとされる。
特に、モバイル向けの技術を活用することで、コンパクトなデバイスながら効率的な計算処理を実現している。
QualcommのSnapdragonシリーズは、これまでスマートフォンやタブレット市場で成功を収めてきたが、デスクトップやミニPC市場に進出することで新たな競争を生み出す可能性がある。モバイル向けの技術がミニPCに応用されることで、バッテリー駆動やポータブル性の向上が期待される。
一方で、PC市場におけるQualcommの影響力はまだ限定的であり、このモデルが競争の激しい市場でどれほどの地位を築けるかは未知数だ。市場拡大に向けた戦略と、他社との競争が今後の注目点となる。
高性能とコンパクトさの両立がもたらす未来
ミニPCの利便性は、省スペースかつ高性能という特徴にある。特に、GEEKOMの新型ミニPC群は、AI処理やグラフィックス性能に特化したプロセッサを搭載しており、オフィスやクリエイティブワークでの活用が期待されている。例えば、「Strix Point」や「Core Ultra」シリーズのCPUは、dGPUなしでも高度なグラフィック性能を発揮する。
これにより、従来のPCが抱えていたスペースの制約や電力消費の課題を解決し、ワークスペースの最適化が進む可能性がある。さらに、コンパクトさを生かしたモジュール型のデザインが普及すれば、カスタマイズ性が高まり、個々のユーザーのニーズに応じたPC設計が可能となる。
しかし、こうした革新が広がる一方で、競争が激化する市場でどのように差別化を図るかが鍵となる。特に、価格と性能のバランス、そして新しい使用用途を提案できるかどうかが今後のミニPC市場の成長を左右するだろう。