中国のハードウェアメーカーLoongsonが、次世代「3B6600」CPUを発表した。このチップは、Intelの第12世代および第13世代のCPUに匹敵する性能を誇り、同社の成長戦略の一環として重要な位置を占めている。
「3B6600」は、競争力のある価格設定と高性能を兼ね備え、特にミッドレンジからハイエンドの市場に向けた製品として注目されている。さらに、Loongsonは独自のアーキテクチャに基づいた技術開発を続け、将来的にはIntelやAMDに対抗できる存在となることを目指している。
Loongson、次世代「3B6600」CPUの詳細を発表
中国のLoongsonは、次世代プロセッサ「3B6600」を発表した。この新しいチップは、独自のアーキテクチャを採用しており、Intelの第12世代および第13世代CPUに対抗できる性能を誇っている。Loongsonは、自社開発の「LoongArch」アーキテクチャを基盤に、外国企業からのライセンスに依存しない技術力を強化しており、これにより、競争力を高めることを目指している。
この「3B6600」は、パフォーマンス面でインテルの競合製品に匹敵するとして、特にミッドレンジおよびハイエンド市場に焦点を当てている。同社はこれまでの技術開発で、過去20年間にわたり着実に性能の差を埋めてきたが、今回の「3B6600」では、これをさらに推し進める計画である。また、同製品は「Tick-Tock」モデルに基づく開発サイクルを採用しており、効率的な進化が期待されている。
このCPUは、PCやサーバー向けの「3A6600」や「3C6600」といったバリエーションも展開予定で、さまざまな用途に対応できるよう設計されている。Loongsonは、今後数年間でIntelやAMDと肩を並べる存在になることを目標としている。
Intelの12世代・13世代CPUに匹敵する性能を目指す
Loongsonの次世代CPU「3B6600」は、Intelの第12世代および第13世代のCPUに匹敵する性能を目指して開発されている。この動きは、Loongsonが世界のCPU市場においてさらに大きな存在感を示すための重要な一歩となる。同社のHu Weiwu会長は、この新製品がデスクトップ市場の約50%をカバーできる競争力を持っていると述べている。
現在、Loongsonは自社の技術力を基盤に、独自のアーキテクチャである「LoongArch」を採用しており、これにより、x86アーキテクチャのライバルチップに匹敵する性能を実現しつつある。最新の3A6000シリーズでは、IntelやAMDの旧世代プロセッサに対抗できるレベルに到達しているが、まだ最新のミッドレンジやフラッグシップ製品には及ばない。それでも、「3B6600」は、この性能差を縮める大きな可能性を秘めている。
Loongsonは、競争力のある価格帯で提供することを視野に入れており、今後もさらなる性能向上を図っていく方針である。これにより、同社は国内外のCPU市場での競争力を一層強化し、成長を加速させていくことになる。
AI対応GPU「9A1000」との競争力強化
LoongsonはCPUのみならず、GPU分野でも競争力を高めようとしている。次世代の「9A1000」GPUは、AI処理に対応し、エントリーレベルながらも高い性能を誇る製品として注目されている。このGPUは、Radeon RX 550に匹敵する性能を持ち、128ビットLPDDR4Xメモリを搭載している点が特徴である。
「9A1000」は、2025年の前半に市場投入が予定されており、HDMI 2.1やDisplayPort 2.1といった最新の出力にも対応する。さらに、PCI-E 4.0やOpenGL 4.0のサポートにより、AI関連の処理にも十分なパフォーマンスを発揮することが期待されている。この製品は、LoongsonのGPUラインアップにおけるエントリーレベルの位置づけではあるが、コストパフォーマンスに優れており、競争力のある市場でのシェア獲得が見込まれている。
また、これに続く「9A2000」GPUも開発中で、こちらはRTX 2080に匹敵する性能を持つとされており、Loongsonのハードウェアポートフォリオにおいて重要な役割を果たす見通しである。
ソフトウェアエコシステムの進展と独自ISAの強み
Loongsonはハードウェアの開発だけでなく、ソフトウェアエコシステムの構築にも力を入れている。同社は、独自の命令セットアーキテクチャ(ISA)「LoongArch」に基づいて、WindowsやIntelに依存しない技術を確立しており、これにより、外国からの技術ライセンスに頼ることなく、自社でのチップ開発が可能となっている。
現在、Loongsonのソフトウェアエコシステムは3段階に分かれて進行中であり、第1段階ではLinuxベースのエコシステム構築がほぼ完了している。第2段階では、x86やArmとの広範な互換性に焦点を当て、第3段階では、LoongArchを基盤としたネイティブアプリケーションの開発を進める計画である。
この独自ISAは、Wintel(Windows + Intel)やAA(Arm + AMD)の支配する市場に対抗する重要な要素となりつつある。Loongsonは、今後数年でこの技術をさらに発展させ、世界的なCPU市場での競争力を強化する見通しである。