Windows 11には、多くの新機能やアプリが追加されているが、その中には見落とされがちな便利機能が存在する。入力パネルもその一つであり、クリップボード履歴や特殊文字の挿入機能を備えた強力なツールである。この機能を活用すれば、作業効率が大幅に向上する可能性があるが、知られていないことが多い。

クリップボード履歴機能の活用

Windows 11の入力パネルには、クリップボード履歴という非常に便利な機能が搭載されている。従来、コピーしたテキストや画像は、別のアイテムをコピーすると上書きされてしまっていたが、クリップボード履歴を使えば、過去にコピーした複数のアイテムを一度に管理できる。この機能を呼び出すには、「Windowsキー + V」を押すだけで、直近にコピーしたアイテムの一覧が表示される。

さらに、履歴に残ったアイテムは「ピン留め」して保存しておくことができ、PCを再起動しても消えることはない。仕事や作業中に複数のコピー・ペーストが必要な場合、この機能があると非常に効率的である。また、履歴に残ったテキストをプレーンテキストとして貼り付けることも可能で、フォーマットのズレを防ぐことができる点も魅力的だ。

複数の異なるウィンドウ間で頻繁にコピー&ペーストを行う場合、このクリップボード履歴は特に重宝する。多くの人にとって、作業の大幅な効率化が期待できる機能であり、活用しない手はない。

特殊文字やシンボルの簡単挿入

Windows 11の入力パネルは、クリップボード履歴だけでなく、特殊文字やシンボルの挿入にも非常に役立つ。標準的なキーボードには存在しない記号や特殊文字を、簡単に挿入できるのがこの機能の特徴である。たとえば、欧州でよく使用される「ユーロ」記号や、文書作成時に使用される「エムダッシュ」など、普段使わない文字も素早く入力可能だ。

この機能を利用するには、「Windowsキー + ピリオド(.)」を押し、入力パネルを開いた後、シンボルタブに切り替えることで様々な記号が表示される。通常のキーボード操作では煩雑な文字入力を、入力パネルが手軽にサポートしてくれる。また、過去には「文字コード表」などを使っていたが、入力パネルによって大幅に手間が省ける。

この機能は、特定の記号を多用する作業をしている人々にとっては特に便利だと言える。日々の文書作成がより効率的に進められるため、多くの人に活用されるべき機能である。

絵文字、顔文字、GIFの充実したサポート

現代のコミュニケーションでは、言葉だけでなく絵文字や顔文字、さらにはGIFを使った表現が一般的となっている。Windows 11の入力パネルは、このトレンドに対応し、豊富な絵文字や顔文字の挿入を簡単に行えるようになっている。これは、日常的にメッセージアプリやメールでやり取りをする際に特に便利な機能である。

絵文字の挿入は「Windowsキー + ピリオド(.)」で簡単に呼び出すことができ、必要な絵文字を検索することもできる。また、顔文字(カオモジ)もサポートしており、通常のキーボードでは入力が難しいテキスト表現を手軽に使える。GIFについても、検索機能を活用してインターネット上の人気GIFをすぐに共有できるのが特徴である。

このように、単なる文字入力だけでなく、ビジュアルでの表現をサポートする入力パネルは、個人だけでなく、仕事の場でも非常に役立つ。現代の多様なコミュニケーション手段を活用する上で、欠かせないツールの一つである。

今後の改善に期待される点

Windows 11の入力パネルは非常に便利なツールではあるが、さらなる改善点も存在する。たとえば、現在の検索機能は絵文字やGIFに限られており、記号や特殊文字を検索できない点が不便である。将来的には「ã」や「エムダッシュ」などの記号も、言葉で検索できるようになると利便性がさらに向上するだろう。

また、クリップボード履歴についても、改善の余地がある。現在はテキストや画像の履歴に限られているが、ファイルのコピーも記録できるようになると、より多くの場面で活用できる。特に、ファイルパスの保存や、複数ファイルの簡単なコピーペーストができるようになると、作業効率が一層高まるだろう。

現状でも十分に強力な機能ではあるが、さらなる機能追加や改善がなされれば、より多くのユーザーにとって不可欠なツールとなることは間違いない。これからのアップデートにも期待したいところである。