Appleは10月15日にiOS 18.1のパブリックベータ4を公開した。このベータ版では、RCSメッセージングのサポート拡大やコントロールセンターの微調整を含むいくつかの新機能が追加され、iPhoneの操作性が向上している。さらに、通話録音機能やスリープアプニアの検知、拡張された絵文字キーボードも新たに導入された。これらの機能は今後一般公開される可能性が高いが、現時点での最終リリース日は未定である。
iOS 18.1ベータ版でのRCSメッセージング拡張
iOS 18の登場で、AppleはRCSメッセージングのサポートをiPhoneに導入したが、iOS 18.1ベータ版ではこのサポートがさらに多くの通信キャリアに拡大されている。特に、ベルギーのTelenet、Proximus、BASEやアメリカのTracFone、C SpireなどのキャリアでRCSが利用可能になった。これにより、RCS対応キャリアのユーザーは、よりリッチなメッセージ体験を享受できる。
RCS(リッチコミュニケーションサービス)は、従来のSMSに比べ、画像や動画の送信、グループチャット、既読確認など、多機能なメッセージ機能を提供する。AppleがRCS対応を強化することで、Androidとのクロスプラットフォームでのコミュニケーションもスムーズに行えるようになり、特にビジネス利用や国際的なコミュニケーションにおいて利便性が向上する。iPhoneユーザーが増える中、この機能拡張は多くのユーザーに恩恵をもたらすだろう。
Appleは今後もさらなるキャリア対応を進めると予想されており、RCSはiPhoneのメッセージ機能において重要な役割を果たすことになるだろう。しかし、この機能を使用するためには、ベータ版ソフトウェアをインストールする必要があり、現時点では全てのユーザーが利用できるわけではない。
コントロールセンターの微調整と新しいレイアウト
iOS 18ではコントロールセンターが大幅に刷新されたが、iOS 18.1ベータ版ではさらに細かな調整が施されている。特に、コントロールセンター内の接続タイルが変更され、従来の行形式からタイル形式へと変わったことで、視覚的な操作性が向上している。これは、Wi-Fiや機内モードなどの設定に迅速にアクセスするための利便性を高めるものだ。
さらに、iOS 18.1ではコントロールセンターに独立したコントロールを追加できるようになっており、Wi-FiやVPN、AirDrop、そして新たに衛星通信の項目も加えることができるようになった。これにより、ユーザーは個々の設定に即座にアクセスでき、複数の操作をまとめて行うことが可能になっている。カスタマイズ性が向上し、自分に合ったレイアウトに簡単に設定できるようになった。
また、新たに「レベル」や「メジャー」などの便利なツールもコントロールセンターに追加でき、DIYや測定作業にもiPhoneが活躍する。これにより、日常的なタスクがさらに効率的にこなせるようになるだろう。このような小さな改善が積み重なることで、iPhoneの使い勝手はさらに向上している。
主要機能:通話録音、スリープアプニア検知、拡張絵文字
iOS 18.1ベータ版では、iPhoneに通話録音機能が新たに追加された。通話中に画面左上に表示されるサウンドバーアイコンをタップすることで、通話の録音が開始される。この機能は、相手がiPhoneユーザーであれAndroidユーザーであれ、録音開始時に自動音声で通話が記録されていることが通知される仕組みとなっている。録音された通話は、終了後にメモアプリに保存され、後から再生や編集が可能である。
さらに、Apple WatchOS 11との連携により、スリープアプニアの検知機能も追加された。この機能は、対応するApple WatchとペアリングされたiPhoneで動作し、夜間の睡眠中に睡眠時無呼吸症候群の兆候を検知できる。米国食品医薬品局(FDA)からも認可を受けており、医療デバイスとしての信頼性が高い。
加えて、絵文字キーボードも拡張され、カスタムステッカーやMemojiへのアクセスがよりスムーズになった。従来は「よく使う絵文字」セクションに表示されていたカスタムステッカーが、左スワイプで簡単に使用できるようになり、表現力がさらに豊かになった。これらの機能拡張により、iPhoneはより多様なニーズに応えるデバイスとなっている。
ベータテスター限定のApple Intelligence機能
iOS 18.1ベータ版では、特定の開発者やベータテスターに向けてApple Intelligence機能が提供されている。この機能は、主にiPhone 15 ProやPro Max、さらにはiPhone 16のラインナップを対象としており、EUや中国以外のユーザーが利用できる。主な機能としては、メールやドキュメントの作成支援ツールや、写真整理の「クリーンアップ」機能、Siriの改良が挙げられる。
Apple Intelligenceは、人工知能を活用した新たなツール群であり、特にクリエイティブ作業やビジネス用途において効果を発揮することが期待される。これにより、日常のタスクがより効率的に、かつ直感的に処理できるようになる。また、iPhone内のデータや写真の整理も自動的に行われ、ユーザーが手間をかけずにすっきりとしたデバイスを維持できる。
しかし、これらの機能はすべてのiPhoneユーザーが利用できるわけではなく、あくまで特定のデバイスを持つベータテスターに限られている。今後、これらの機能が一般公開されるかどうかは不明であるが、Appleの継続的な開発により、さらなる進化が期待される。