Windows 11の最新アップデート「24H2」がリリースされ、サポートされているPCはもちろん、サポート外のPCにもインストールする方法が注目されている。新しい機能と厳しいシステム要件が追加され、多くのユーザーがアップグレードに挑む中、正式なサポートがない古いPCでもWindows 11を動かすことは可能だ。この記事では、その方法とリスクについて詳しく解説する。

Windows 11の最新アップデートとその重要性

2024年10月にリリースされたWindows 11の「24H2」アップデートは、オペレーティングシステムの大規模な改良をもたらした。このアップデートでは、ジェネレーティブAI機能の強化を含む多数の新機能が追加され、特にAI関連のタスクでパフォーマンスが向上している。だが、これらの新機能には新しいハードウェア要件が伴い、全てのPCで利用できるわけではない。

また、見た目や操作感は従来のWindows 11と大きく変わらないが、システムの内部構造には大きな改善が施されている。Microsoftはセキュリティ強化やパフォーマンスの最適化を進めており、企業利用者やセキュリティ重視のユーザーにとっては重要なアップデートであると言える。特に、セキュアブートやTPM 2.0の活用が強く推奨されており、これらがシステムの信頼性向上に寄与する。

しかし、古いPCではこの24H2アップデートを導入するために特定の条件を満たす必要があり、それをクリアしなければアップデートが実行できない場合もある。

サポートされているPCとされていないPCの違い

Windows 11をインストールするには、Microsoftが定める厳しいシステム要件を満たしている必要がある。特に、TPM 2.0やセキュアブートの有効化が必須であり、これらがサポートされていないPCは「非対応」とされる。サポートされているPCは、IntelやAMDの比較的新しいプロセッサを搭載しており、セキュリティ機能や新しい技術にも対応しているのが特徴だ。

一方、サポート外のPCは主に、2017年以前に製造されたものや、古いプロセッサを搭載している場合が多い。特に、TPM 1.2やセキュアブートの非対応機種では、インストールそのものが難しい。また、最新のAI機能「Copilot+」などの高度な機能は、これらの古いPCでは利用できない。しかし、Microsoftの定める要件を回避し、Windows 11をインストールする方法が存在するため、完全にインストール不可能というわけではない。

ただし、こうした古いPCにインストールする際には、リスクを十分に理解しておく必要がある。

TPMやSecure Bootの有効化方法

Windows 11をインストールするためには、TPM 2.0とSecure Bootの有効化が不可欠であるが、多くのユーザーはこれらの設定に戸惑うことがある。まず、TPM 2.0は多くのPCに搭載されているが、デフォルトでは無効化されている場合が多い。これを有効にするには、PCのBIOS設定にアクセスし、「Platform Trust Technology (PTT)」や「fTPM」などの項目を探して有効化する必要がある。

一方、Secure Bootも同様にBIOS設定で有効にできる。BIOSの「ブート」または「セキュリティ」タブに移動し、Secure Bootの設定をオンにすることで機能が有効化される。ただし、これが有効化されていない場合、PCが古いMBRパーティション形式でフォーマットされている可能性があり、これをGPT形式に変換する必要がある。Windows 10の「ディスク管理ツール」や「コマンドプロンプト」でこの変換は簡単に実行できる。

設定が完了したら、TPMとSecure Bootが正常に機能しているかを確認することが重要である。

サポートされていないPCへのインストールのリスクと対策

サポートされていないPCにWindows 11をインストールすることは、いくつかのリスクを伴う。まず、Microsoftは公式にアップデートやセキュリティパッチの提供を保証しておらず、今後、重要なセキュリティ更新が受けられない可能性がある。また、TPMが無効なPCでは、ディスク暗号化などのセキュリティ機能が利用できず、脆弱性が高まることもある。

さらに、古いドライバやハードウェアの互換性問題も無視できない。特に、古いグラフィックスカードやネットワークアダプタが適切に動作しない場合があり、システムの不安定さやクラッシュの原因となる可能性がある。こうした問題に直面する可能性が高いのは、2015年以前に製造されたPCである。これらのPCにWindows 11をインストールする際には、最新のドライバを入手できない場合も多いため、注意が必要だ。

対策としては、重要なデータをバックアップし、システムの不安定さに備えることが推奨される。