AppleはiPhone 16シリーズと同時に、新たに25Wに対応したMagSafe充電器を発表した。従来の15Wから大幅に充電速度が向上し、ユーザー体験の向上が期待されている。しかし、アクセサリとの互換性や新たな設計変更がもたらす影響についても考慮する必要がある。

iPhone 16と共に登場した25W MagSafe充電器、その進化とは

Appleは、iPhone 16シリーズのリリースと同時に、新たに25Wに対応したMagSafe充電器を発表した。この新モデルは、従来の15Wから充電速度を大幅に向上させ、特に新型iPhoneユーザーにとっては魅力的な選択肢となっている。iPhone 16シリーズは、バッテリーの持続時間が長くなったため、高速充電が求められるシーンが増え、25WのMagSafe充電器はそのニーズに応える形となった。

この充電器は、MagSafeの技術をベースにしており、iPhone 12以降のモデルに対応しているが、25Wのフルパワーでの充電速度を発揮できるのはiPhone 16シリーズのみである。従来のモデルでも使用可能だが、充電速度は15Wに制限される。つまり、iPhone 16ユーザーにとってはこの充電器が最適な選択肢だと言えるだろう。

さらに、Appleはこの25W充電器をよりコンパクトに設計し、ポータビリティにも配慮している。これにより、持ち運びやすさも向上し、ユーザーの利便性がさらに高まった。

25Wの高速充電と従来モデルとの違い

25Wの新型MagSafe充電器は、従来の15Wモデルに比べて充電速度が飛躍的に向上している。特に、バッテリー容量の大きなiPhone 16 PlusやiPhone 16 Pro Maxでは、この充電速度の向上が顕著に感じられる。0%から100%までのフル充電にかかる時間は、約1時間47分程度であり、従来のモデルよりも大幅に短縮されている。

一方で、旧型のiPhoneやMagSafe対応の他のデバイス(AirPodsや一部のAndroid端末)に対しては、最大15Wの充電速度に制限される。つまり、25Wのフルパワーでの充電を実感できるのはiPhone 16シリーズ限定ということになる。この点で、最新モデルのユーザーにとっては非常に価値のあるアップグレードと言える。

また、25Wの充電器を最大限に活用するためには、少なくとも30W以上の電源アダプターが必要である。これにより、以前の20W対応の電源アダプターを使っているユーザーは、新たにアップグレードが求められることになる。

MagSafe充電器の互換性と設計の変更点

新型25W MagSafe充電器は、従来のMagSafe充電器と互換性を持ちながらも、いくつかの設計変更が施されている。まず、サイズがわずかに小型化され、金属製のベゼルもスリムになっているため、旧型のMagSafeアクセサリーとの互換性に若干の影響がある。この変更により、一部のスタンドやホルダーにおいて、充電器がしっかり固定されない可能性がある。

特に、旧型MagSafe充電器を固定するためのアクセサリーやレザーケースは、新型ではフィットしないケースが報告されている。これにより、アクセサリーメーカーは今後、新型MagSafe充電器に対応する製品のアップデートが必要となるだろう。

また、従来のMagSafe充電器と同様に、QiやQi2規格にも対応しているため、iPhone以外のデバイスでも充電が可能である。これにより、AirPodsや一部のAndroidデバイスも、この新型MagSafe充電器で効率的に充電できるという利点がある。

よりプレミアムに進化したケーブルとアクセサリ対応

新型MagSafe充電器は、単なる充電速度の向上だけでなく、ケーブルにも大きな進化をもたらしている。ケーブルには、新たに編み込み式のデザインが採用され、耐久性が向上している。この編み込みケーブルは、Appleの他の最新製品にも採用されており、これによりプレミアム感が増し、長期間の使用でも劣化しにくいという利点がある。

また、ケーブルの長さは1メートルと2メートルの2種類が用意されており、ユーザーの利用シーンに応じて選択できる。この点で、充電器を頻繁に持ち運ぶユーザーにとっても便利な設計となっている。価格は1メートルが39ドル、2メートルが49ドルであり、手頃な価格でアップグレードが可能である。

ただし、25Wの高速充電を実現するためには、30W以上の電源アダプターが必要であることから、電源アダプターが同梱されていない点には注意が必要である。これにより、電源アダプターを別途購入する必要があるユーザーも少なくないだろう。