Googleの開発者向けイベント「Google I/O 2025」が、5月20日から21日にかけて開催される。今年もカリフォルニア州マウンテンビューのショアライン・アンフィシアターで実施され、オンラインでもライブ配信される予定だ。
毎年、I/OではGoogleの最新技術が発表されるが、今年は特にAIやAndroidに関する発表が注目される。昨年はGemini AIやProject AstraなどのAI技術、Pixel Foldなどの新ハードウェアが発表された。今年はAndroid 16「Baklava」やWear OS 6、Googleマップ、Circle to Searchの進化、さらにはXRヘッドセット向けのAndroid XRに関する情報も期待される。
また、Google I/O 2025の開催期間はMicrosoftの開発者会議「Build 2025」と重なっている。両社の技術競争が加速する中、各カンファレンスでどのような新発表が行われるのか、多くの関心が集まっている。
Android 16 BaklavaとWear OS 6の進化がもたらす新体験

Google I/O 2025では、新たなAndroidバージョンとして「Android 16 Baklava」が発表される見込みだ。毎年のI/Oでは最新のAndroid OSが披露されるが、今回も多くの新機能が期待される。特に、プライバシー強化、パフォーマンス向上、AIとの統合が焦点になる可能性が高い。
Gemini AIの進化と組み合わせることで、スマートフォンの操作がよりシームレスになり、パーソナライズ機能の向上が見込まれる。また、Wear OS 6の登場にも注目が集まっている。スマートウォッチの市場は拡大を続けており、Googleがどのような改良を加えるのかが重要なポイントとなる。
特に、バッテリー効率の向上やヘルスケア機能の強化が期待される。昨年のアップデートでは、Fitbitとの連携が強化されたが、今年はさらに進化した健康管理機能が登場する可能性もある。
Android 16やWear OS 6がどのような形で発表されるかは不明だが、過去の傾向から見ても、I/Oで詳細が明らかになる可能性は高い。特に、Pixelシリーズとの統合を強化することで、Googleのエコシステムがさらに充実することが期待される。
GoogleのXR戦略とSamsungとの協力が示す未来
Google I/O 2025では、Android XRに関する発表が行われる可能性がある。XR(拡張現実・仮想現実)市場は急速に成長しており、Googleもこれに対応する形で専用のプラットフォームを強化している。特に、SamsungおよびQualcommと共同開発中の「Project Moohan」がどのような形で登場するのかが注目される。
Googleはかつて、AR向けの「Google Glass」やVRプラットフォーム「Daydream」を展開していたが、市場の変化とともに方針を変更してきた。現在のAndroid XRは、スマートグラスやXRヘッドセットに最適化されたOSとなる可能性があり、Samsungのデバイスと組み合わせることで新たなユーザー体験を提供することが考えられる。
現時点では、Project Moohanの詳細は明らかにされていないが、I/Oで技術デモや開発ツールの発表が行われる可能性は高い。AppleのVision Proが市場に登場したことで、Googleも本格的にXR分野での競争に参入する可能性がある。これにより、スマートフォンを超えた新たなコンピューティング体験が広がることが期待される。
Microsoft Build 2025との日程重複が示すテクノロジー業界の競争
Google I/O 2025は、Microsoftの開発者会議「Build 2025」と日程が重なっている。Microsoft Buildは5月19日から22日にかけて開催され、I/Oの開催期間とほぼ一致する形となる。これは単なる偶然ではなく、両社が開発者向けプラットフォームの主導権を巡って競争を加速させている証拠とも言える。
昨年のBuildでは、Copilot AIの発展やWindows 11の新機能が発表された。今年のBuildでも、AIを活用した新たな機能や、Windowsとクラウドの統合強化がテーマになる可能性がある。一方、Google I/OではAndroid 16やGemini AIの進化が取り上げられることが予想されており、両社のAI戦略がどのように対比されるかがポイントとなる。
このように、開発者向けイベントが同時期に開催されることで、ユーザーは両社の発表をリアルタイムで比較できる環境が生まれる。GoogleとMicrosoftの競争は、今後のテクノロジーの方向性を決定づける重要な要素となるだろう。
Source:Neowin