Xiaomi 15は、AIライティングツールをAndroidの「テキスト選択メニュー」に統合し、どのアプリからでもシームレスに利用できる仕様を採用した。従来、AIライティング機能は特定のアプリ内に限定されることが多く、ユーザーはコピー&ペーストを繰り返さなければならなかった。

一方、Samsungも「One UI 7」で同様のアプローチを進めており、AIライティング機能をシステム全体に統合する動きが見られる。これに対し、Google PixelやOnePlusは依然として純正アプリに限定した提供を続けており、他社の動向が注目される。

Xiaomi 15が採用したAIライティングの仕組みとは

Xiaomi 15シリーズは、AIライティングツールをAndroidの「テキスト選択メニュー」に直接統合することで、これまでのAIツールの使い勝手を大きく改善した。従来のAIライティング機能は特定のアプリに限定され、利用のたびにアプリを切り替える必要があった。しかし、Xiaomi 15ではどのアプリでも同じ方法でAI機能にアクセスできるため、一貫した操作が可能となる。

この機能は、ユーザーがテキストを選択するとメニューに「AIライティング」ボタンが表示され、タップするだけでテキストの要約やリライト、校正などが行える仕組みだ。Xiaomiが採用したこのアプローチは、Androidがもともと提供している「カスタムテキスト選択アクション」を活用していると考えられる。これにより、アプリごとの制限を受けることなくシステム全体でAIツールを統一的に利用できるのが特徴だ。

Samsungも同様の機能を「One UI 7」に搭載予定であり、特定のアプリやキーボードに依存せず、システムレベルでAIツールを活用できるようになる見込みだ。一方で、Google PixelやOnePlusは依然として、AIライティング機能を自社の特定アプリ内にとどめている。XiaomiやSamsungのようなシステム統合型のアプローチが今後主流となるか、注目が集まる。

既存のAIライティング機能との違いと利便性

AIライティングツール自体は、すでにPixelやOnePlusの端末にも搭載されている。しかし、これらのデバイスでは、特定のアプリ内でのみ利用可能となっており、ユーザーはアプリごとに異なる仕様に対応しなければならない。例えば、PixelではGoogleのAIによる文章校正を利用する際にGboardを使用する必要があり、書き換え機能はGoogleメッセージ専用だ。OnePlusも同様に、自社の「OnePlus Notes」アプリ内でしかAIライティングを活用できない。

Xiaomi 15の最大の違いは、このようなアプリの壁を取り払い、どのアプリでも統一的にAIライティングツールを使える点にある。ユーザーはテキストを選択するだけで簡単にツールへアクセスでき、アプリを切り替える手間が不要になる。これにより、SNSやメール、メモアプリなど、異なるシーンでのAI活用がスムーズに行えるのが強みだ。

Samsungもまた、AIライティング機能をシステムレベルで開放する方針を打ち出しており、今後のアップデートで「Samsung Keyboard」に依存しない形での提供が予定されている。これが実現すれば、XiaomiとSamsungのアプローチが今後のスタンダードとなる可能性がある。現在、AIライティング機能が特定アプリに縛られていることに不満を持つユーザーにとって、この変化は歓迎されるものとなるだろう。

他社も追随するか システム統合型AIの未来

Xiaomi 15やSamsungの「One UI 7」のように、AIライティング機能をシステム全体で利用できるようにする動きが広がれば、今後のスマートフォンの標準機能となる可能性がある。Androidはもともと、アプリごとに独自のテキスト選択アクションを追加できる仕組みを提供しているため、技術的なハードルは決して高くない。

しかし、GoogleやOnePlusのように、AIライティング機能を自社の特定アプリに閉じ込めるメーカーも依然として多い。これは、自社のアプリを優先的に使わせる戦略の一環とも考えられるが、ユーザーにとっては不便を強いられる要因にもなり得る。特に、異なるアプリ間でのテキスト編集をスムーズに行いたい場合、システム統合型のAIライティングツールの方が圧倒的に利便性が高い。

今後、SamsungがシステムレベルのAIライティング機能を本格導入すれば、他のメーカーもこれに追随する可能性は十分にある。特に、GoogleがAndroidの標準機能としてこの仕組みを取り入れることになれば、Pixelをはじめとする他のAndroid端末にも急速に普及することが予想される。XiaomiとSamsungの試みが、スマートフォンのAI活用にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目したい。

Source:Android Authority