AMDの次世代GPU「Radeon RX 9070 XT」がFurMarkのベンチマークテストでRTX 4080と同等の性能を発揮した。搭載されるNavi 48 XTX GPUは、負荷時でもわずか55℃という驚異的な熱効率を示し、高性能ながらも優れた温度管理能力を備えている。
テストでは、GIGABYTE製のカスタムモデル「Radeon RX 9070 XT GAMING OC 16G」を使用し、GeekbenchスコアはRTX 4080とほぼ同等の20,703ポイントを記録。4K解像度でのFurMarkスコアもRTX 4080に迫る7,979ポイントをマークした。
特に注目すべきは、FurMarkのような負荷の高い環境下でも55℃を超えない冷却性能だ。リファレンスモデルは存在せず、AIBパートナーによるカスタムモデルのみが展開される予定であり、今後の正式発表が期待される。
Radeon RX 9070 XTが示した圧倒的な冷却性能とパフォーマンスのバランス
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AMDのRadeon RX 9070 XTは、FurMarkのベンチマークテストにおいて、RTX 4080と同等のパフォーマンスを発揮しながら、動作温度をわずか55℃に抑えた。この結果は、Navi 48 XTX GPUの設計とGIGABYTE製カスタムモデル「Radeon RX 9070 XT GAMING OC 16G」の冷却機構が極めて優れていることを示している。
通常、高負荷環境ではGPUの温度は上昇し、冷却ファンがフル稼働するが、本モデルはその常識を覆すレベルの熱効率を実現した。Geekbenchのスコアでは20,703ポイントを記録し、これはRTX 4080の20,702ポイントとほぼ同等だ。
さらに、4K解像度でのFurMarkテストでも7,979ポイントをマークし、RTX 4080の8,030ポイントに迫る。性能面では間違いなくハイエンドクラスに位置し、冷却性能と併せて、消費電力と発熱のバランスを見直したRDNA 4アーキテクチャの強みがうかがえる。
これまで、AMDのGPUは高性能ながらも発熱や消費電力がネックになることがあったが、Radeon RX 9070 XTではそれを大幅に改善した形だ。この結果がAIBパートナー製の冷却設計によるものなのか、それともRDNA 4アーキテクチャの特性によるものなのか、今後の追加情報に注目が集まる。
RDNA 4が実現する次世代GPUの可能性
Radeon RX 9070 XTのベンチマーク結果が示す通り、AMDのRDNA 4アーキテクチャは従来のRDNA 3と比べて大幅な改良が施されている可能性が高い。特に注目すべきは、消費電力と発熱の抑制に成功している点であり、これはAMDの製造プロセスや電力管理技術の進化を反映していると考えられる。
従来のRadeonシリーズは、ハイエンドモデルになるほど発熱と消費電力の増加が顕著だった。しかし、今回のRX 9070 XTのテスト結果を見る限り、新しいアーキテクチャでは効率性を重視した設計にシフトしていることがわかる。これにより、ユーザーは高性能を維持しながらも、発熱による性能低下やファンノイズの増加といった問題を気にせずに済む可能性がある。
また、NVIDIAのGeForce RTX 50シリーズが市場投入される中、AMDの新アーキテクチャがどのような立ち位置を確立するのかも注目点だ。今回のテスト結果を見る限り、競争力のあるGPUであることは間違いないが、ゲームやクリエイティブ用途での実際のパフォーマンスがどのように発揮されるのかは、さらなる検証が待たれるところだ。
リファレンスモデルが存在しない理由とAIBパートナーの戦略
Radeon RX 9070 XTの最大の特徴の一つは、AMDのリファレンスモデルが存在せず、すべてAIB(Add-in Board)パートナーによるカスタムモデルで提供される点だ。これは、AMDがRDNA 4世代において戦略的にリファレンスデザインを排除し、各メーカーの自由な設計に委ねる方針を取ったためと考えられる。
カスタムモデルのみの展開は、各メーカーが独自の冷却機構やオーバークロック仕様を施す余地を大きく持てることを意味する。GIGABYTEの「Radeon RX 9070 XT GAMING OC 16G」が55℃という低温を実現していることからも、AIBパートナーの設計がいかに重要であるかがわかる。
これにより、冷却性能や静音性を重視するモデル、オーバークロック性能を引き出すモデルなど、ユーザーの用途に応じた多様な選択肢が提供されることになる。
ただし、リファレンスモデルがないことで、価格の統一性や供給の安定性に影響が出る可能性もある。各AIBパートナーが異なる仕様と価格帯で展開することで、性能やコストパフォーマンスにばらつきが生じる可能性があるため、購入を検討する際には各モデルのスペックを慎重に比較することが重要になりそうだ。
Source:TweakTown