Nvidiaの最新GPU「GeForce RTX 5090」と「RTX 5070 Ti」に、一部モデルでROPs（ラスタオペレーションパイプライン）が不足している問題が発覚した。この問題はTechPowerUpによって指摘され、特定のモデルにおいてROPsが1つ欠落していることが確認された。
ROPsはゲームやグラフィック処理のパフォーマンスを左右する重要な要素であり、不足により特定のモデルで最大8.6%の性能低下が報告されている。Nvidiaはこの問題を認め、影響を受けるGPUは全体の0.5%未満であると説明。しかし、交換対応には供給不足の影響で遅れが生じる可能性がある。
さらにRTX 50シリーズはクラッシュや不安定な動作など複数の問題が発生しており、消費者の間で不満が広がっている。Nvidiaは品質管理の強化を進めるとしているが、ブランドへの影響は避けられそうにない。
RTX 5090とRTX 5070 TiのROPs不足が引き起こす性能低下の実態
RTX 5090およびRTX 5070 Tiに搭載されるべきROPsが一部のモデルで欠落していることが判明した。この問題は、TechPowerUpが行った検証によって明らかになり、特定のモデルにおいてROPsが1基少ないことが確認された。ROPsはピクセル処理を担当し、最終的な描画速度や画面の描写に大きな影響を与える重要なコンポーネントである。
この問題が発覚したモデルでは、ROPs不足により最大8.6%の性能低下が報告されている。特に、Zotac RTX 5090 SolidはFounders Editionと比較して5.6%、ASUS ROG Astral RTX 5090 OCと比較すると8.6%の性能差が生じていた。ROPsの欠落は、特に高解像度でのゲームプレイや、高フレームレートを求める環境で影響を及ぼす可能性が高い。
Nvidiaはこの問題を認識し、ROPs不足が確認されたGPUは全体の0.5%未満であり、影響は限定的であると説明している。しかし、グラフィックカードの価格が高騰し続ける中、期待される性能が発揮されないことに対するユーザーの不満は大きい。さらに、交換対応を求める場合でも、RTX 50シリーズの供給不足が影響し、スムーズな対応が難しくなる可能性がある。
RTX 50シリーズで発生するその他の技術的問題とユーザーの反応
ROPs不足の問題だけでなく、RTX 50シリーズには複数の技術的課題が報告されている。一部のユーザーは、使用中にブルースクリーン（BSOD）やブラックスクリーンが発生するケースを指摘しており、特定のシナリオでは安定した動作が難しくなることがある。特に、高負荷時のクラッシュやゲーム中のフリーズが問題視されている。
また、価格と性能のバランスに対する不満も広がっている。RTX 50シリーズは、前世代に比べて価格が高騰している一方で、実際のパフォーマンス向上が期待ほどではないという声が多い。特に、RTX 5090に関しては、AI向け機能の強化が目立つものの、ゲーム用途での恩恵が限定的だと感じるユーザーもいる。
Nvidiaはこれらの問題を認識し、現在調査を進めていると発表しているが、具体的な解決策や修正のタイムラインは明らかにされていない。RTX 50シリーズは本来、次世代のグラフィックス体験を提供するはずだったが、技術的な課題によって期待外れと感じるユーザーも増えている。こうした問題への対応が遅れることで、消費者の信頼が揺らぐ可能性がある。
Nvidiaのブランドへの影響と今後求められる対応
今回のROPs不足問題やその他の技術的トラブルは、Nvidiaのブランドイメージに影響を与えかねない。これまで、NvidiaはハイエンドGPU市場において圧倒的な支持を得てきたが、RTX 50シリーズの品質管理に対する懸念が高まることで、その評価が揺らぐ可能性がある。
特に、Nvidiaの主な競合であるAMDは、価格と性能のバランスを重視した製品を展開しており、今回の問題を受けてAMD製GPUへと乗り換えるユーザーが増える可能性もある。これまで、Nvidiaの製品は安定性と性能の高さが評価されていたが、品質管理の問題が顕在化することで、他の選択肢を検討するユーザーが増えることも考えられる。
今後、Nvidiaには迅速な対応が求められる。まず、ROPs不足が発覚したモデルの交換対応を円滑に進めることが重要となる。また、RTX 50シリーズの安定性向上のために、ドライバーの最適化やファームウェアの更新を早急に行うことも不可欠だ。さらに、次世代GPUの開発において、品質管理体制の強化を徹底することで、再びユーザーの信頼を獲得する必要がある。
Source：TechStory