マイクロソフトは、Windows 11 24H2向けの最新パッチKB5052093をリリースした。今回のアップデートでは、ファイルエクスプローラーの動作改善、クラウドストレージのコンテキストメニューの最適化、タスクマネージャーの誤認識問題修正など、多数のバグ修正が含まれる。
特に、スリープ復帰後に音量が最大になるオーディオ関連の不具合、リモートデスクトップ接続時の画面表示問題、設定画面のエラーメッセージ表示バグなどが修正された点が注目される。また、タスクバーのジャンプリストから直接ファイルを共有できる新機能や、Windows Spotlightの情報表示強化などの改善も加えられた。
この更新はオプションのプレビュー版であり、自動適用されない。正式リリースは2025年3月11日の「Patch Tuesday」を予定しており、安定版を待つ選択肢もある。更新を適用する場合は、Windows Updateを手動で確認するか、Microsoft Updateカタログからダウンロードすることが可能だ。
Windows 11 24H2の最新パッチKB5052093 具体的な修正内容とは

今回のKB5052093アップデートでは、多数のバグが修正された。その中でも特に注目されるのが、ファイルエクスプローラーの動作改善だ。多数のメディアファイルを含むフォルダを開く際のパフォーマンス向上に加え、クラウドストレージのコンテキストメニューの表示速度が改善された。また、アドレスバーの挙動が修正され、直接URLを入力しても正しく遷移するようになっている。
オーディオ関連の修正も多岐にわたる。スリープ復帰後に音量が突然最大になる問題や、USBオーディオデバイスが一定時間アイドル状態になると動作しなくなる不具合が解消された。さらに、マウスポインターの色がUACダイアログ表示後にデフォルトに戻るバグも修正され、より快適な操作が可能となった。
その他、タスクマネージャーがHDDをSSDと誤認識する問題や、スタートメニューの配色バグも修正されている。特に、リモートデスクトップ接続時に画面が正常にレンダリングされない不具合が解消された点は、リモートワークを行うユーザーにとって大きな改善といえる。全体的に、日常的な操作で影響を受けやすい部分の修正が多く含まれている印象だ。
新機能の追加と改善 ユーザー体験はどう変わるのか
今回のアップデートでは、バグ修正だけでなく、新機能の追加や改善も行われている。その中でも特に目を引くのが、タスクバーのジャンプリストから直接ファイルを共有できる機能だ。対応アプリ限定とはいえ、タスクバーから即座にファイルを送信できるため、作業の効率が向上するだろう。
また、Windows Spotlightの機能強化も注目に値する。デスクトップ背景に設定された画像にカーソルを合わせると、詳細情報が表示されるようになった。加えて、Windows Spotlightのアイコンがデスクトップの右下に表示されるようになり、設定へのアクセスが容易になった。この変更により、利用者が背景画像の情報にアクセスしやすくなると考えられる。
加えて、Windowsナレーターの改良も見逃せない。スキャンモードの強化により、特定のキー操作でリンクをスキップしたり、表の先頭や末尾に素早く移動できるようになった。視覚障害を持つユーザーやスクリーンリーダーを活用する人々にとって、より使いやすい環境が提供される形となる。機能の追加だけでなく、細かなUX改善が施されている点も、今回のアップデートの特徴といえる。
プレビュー版アップデートは適用すべきか 正式リリースを待つべきか
KB5052093はオプションのプレビュー更新であり、すべてのユーザーが自動で適用するものではない。更新プログラムの確認を手動で行い、適用するかどうかを判断する必要がある。プレビュー版であるため、今後の正式リリース時にはさらなる修正や変更が加わる可能性もある。
今回の更新で修正されたバグは、日常的な使用に影響を与えるものが多く含まれる。しかし、プレビュー版のため新たな不具合が発生するリスクもゼロではない。そのため、安定した環境を維持したい場合は、2025年3月11日に予定されている正式リリースを待つのも選択肢の一つだ。
一方で、エクスプローラーのパフォーマンス向上やオーディオ関連の修正に魅力を感じる場合、手動で適用するのも有効だ。更新の確認は「Windows Update」から行い、適用したくない場合は「最新の更新をすぐに取得する」設定をオフにしておくとよい。
また、Microsoft UpdateカタログからMSUファイルをダウンロードし、手動インストールする方法もあるが、この方法はややハードルが高いため注意が必要だ。
Source:ZDNET