Appleの開発者向けイベント「WWDC 2025」が6月に開催される見込みだ。例年通りであれば6月上旬に行われるが、iOS 18の開発遅延によりスケジュールが後ろ倒しになる可能性も指摘されている。

今年のWWDCでは、iOS 19をはじめとする主要OSの新バージョンが発表される見通し。特に注目されるのは、Appleが開発を進めるAI機能「Apple Intelligence」で、これによりSiriが大幅に進化するとみられている。加えて、visionOSを参考にしたデザイン刷新や、カメラアプリの大規模アップデートも予定されている。

WWDC 2025の開催時期はいつ? 過去の傾向と今年の可能性

Appleが毎年6月に開催するWWDC(Worldwide Developers Conference)は、次世代のOSやソフトウェアを発表する重要なイベントだ。過去の開催日程を振り返ると、例年6月の第1週または第2週に行われており、2024年は6月10日から14日まで実施された。WWDC 2025も同様のタイミングで開催されると予想されるが、Appleの状況によっては変更の可能性もある。

特に注目すべきは、iOS 18の開発の遅れがWWDC 2025に影響を及ぼすかどうかだ。Appleは昨年、Siriの大規模なアップデートを含むiOS 18の一部機能をiOS 18.5以降に持ち越しており、そのリリースが5月から6月にかけて予定されている。このため、WWDC 2025の開催日程が例年より遅れる可能性もある。

また、WWDCの正式な発表時期についても過去のデータを見てみると、ここ数年は3月の最終週に発表されることが多い。2024年は3月26日、2023年は3月29日と推移しており、WWDC 2025の発表も3月下旬から4月上旬となる可能性が高い。Appleの動向を注視する必要がある。

iOS 19とSiriのAI強化 Apple Intelligenceは何をもたらすのか

WWDC 2025の最大の注目ポイントは、iOS 19に搭載される新しいAI機能「Apple Intelligence」だ。Appleは独自の大規模言語モデル(LLM)を活用し、Siriを大幅に進化させることを計画していると報じられている。新しいSiriは従来の音声アシスタントの枠を超え、ChatGPTやGoogle Geminiと競争できるレベルの対話能力を備えるとされている。

特に期待されるのは、自然な会話の流れを維持しながら、アプリ操作やタスク管理をより直感的にこなせる点だ。例えば、メッセージの要約やカレンダーの自動調整、複数アプリ間でのデータ連携などが強化される可能性がある。Appleは従来、プライバシー保護を重視しており、AI機能もデバイス上で処理する「オンデバイスAI」の強化が進められるとみられる。

ただし、AppleがどこまでAI機能を開放するかは未知数だ。現在のSiriは競合のAIアシスタントに比べて機能が限定的であり、オープンAIのChatGPTのような高度なテキスト生成能力を備えるかどうかは明らかではない。WWDC 2025では、AppleのAI戦略がより具体的に示されることになりそうだ。

WWDCで発表される可能性のある新ハードウェア M4搭載Macは登場するか

WWDCは主にソフトウェアに焦点を当てたイベントだが、新しいハードウェアが発表されることも少なくない。今年のWWDCでは、M4チップを搭載したMac StudioとMac Proが発表される可能性があると見られている。AppleはすでにM3チップを搭載したMacを複数リリースしており、次の世代への移行が進められている。

M4チップは、AI関連の処理能力を大幅に向上させると噂されており、特にプロ向けのMacにおいてパフォーマンスの向上が期待される。M4搭載のMacBook AirはWWDC前に発表される可能性が高いとされており、イベント当日はMac StudioやMac Proといったハイエンドモデルが主役になると考えられる。

ハードウェアの発表が行われる場合、Appleは通常、開発者向けの新機能と絡めて説明することが多い。M4チップの性能向上とともに、開発者向けのAIツールやソフトウェア最適化が紹介されるかもしれない。Apple Siliconの進化が、Macの使い方をどのように変えるのか、WWDC 2025での発表が待たれる。

Source:9to5Mac