Razerが18インチのフラッグシップゲーミングノートPC「Razer Blade 18」を発表した。Intelの最新CPU「Core Ultra 9 275HX」とNvidiaの最上位GPU「GeForce RTX 5090」を搭載し、4K 120Hzまたは1080p 440Hzのデュアルモードディスプレイを備える。

さらに、Thunderbolt 5対応の高速接続や強化された冷却機構を採用し、究極のゲーミング環境を実現。価格は約67万円からとなり、ハイエンド志向のユーザーに向けた一台となっている。

Razer Blade 18の冷却設計とサイズの進化―パワーを支える構造とは

Razer Blade 18は、前世代モデルと比較して本体サイズが大幅に増している。これは、Intel Core Ultra 9 275HXとNvidia RTX 5090という高性能コンポーネントを最大限活かすための冷却設計の強化によるものだ。従来のRazer Blade 16と比較すると約47%厚くなり、重量も3.1kgに達している。

ノートPCとしては大型だが、これにより合計280Wという膨大な電力を安定して処理できる環境が整えられている。本機は、ベイパーチャンバー冷却を採用し、CPUとGPUの熱を効率的に拡散する構造になっている。

さらに、大型のヒートパイプとデュアルファンシステムが組み合わされ、高負荷時でも安定した動作が期待できる。また、ヒートシンクの放熱面積を拡張することで、GPUやVRAMの温度上昇を抑える仕組みも備えている。

このサイズの増加は、デスクトップPC並みのパフォーマンスを追求した結果といえる。しかし、その分持ち運びのしやすさは犠牲になっており、一般的なノートPCのように日常的な外出先での使用には向かない。一方で、据え置き環境でデスクトップに匹敵する性能を求めるユーザーにとっては、冷却能力の向上が長時間の安定動作につながるため、大きな利点となる。


デュアルモードディスプレイのメリットとは―4K 120Hzと1080p 440Hzの使い分け

Razer Blade 18が搭載するデュアルモードディスプレイは、ゲーミングノートPCとしての革新を象徴する機能の一つだ。ユーザーは用途に応じて4K 120Hzと1080p 440Hzを切り替えられるため、ゲームプレイやクリエイティブ作業に最適な環境を選択できる。これにより、一つのディスプレイで高解像度と超高速リフレッシュレートの両方を享受できるようになった。

4K 120Hzモードは、高精細な映像を必要とする場面に適している。映像制作や写真編集では、DCI-P3 100%の色域カバー率を活かして正確な色表現が可能だ。また、シングルプレイのAAAタイトルでは、細部まで鮮明な描写を求めるユーザーにとって理想的な選択肢となる。

一方、1080p 440Hzモードは、競技性の高いゲームにおいて圧倒的なリフレッシュレートを提供する。特にFPSやMOBAといったジャンルでは、440Hzの恩恵による滑らかな描画が、敵の動きを素早く捉える助けになる。

この機能は、ゲーミングモニターではすでに採用例があるが、ノートPCでは珍しい。一般的なゲーミングノートPCでは、144Hzや240Hzのパネルが主流であり、440Hzという高リフレッシュレートを持つモデルは限られている。そのため、Razer Blade 18のディスプレイは、ゲーマーだけでなく、映像の美しさを求めるユーザーにもアピールできる点で大きな強みとなる。


Razer Blade 18の位置づけ―究極のゲーミングノートか、それともデスクトップの代替か

Razer Blade 18の特徴を総合すると、このモデルは「持ち運べるデスクトップPC」としての性質が強い。高性能なCPU・GPUの組み合わせ、280Wの電力供給、強化された冷却システム、そして高解像度かつ高リフレッシュレートのディスプレイなど、すべてがデスクトップPCクラスの構成を目指した結果となっている。

しかし、3.1kgという重量と400Wの電源アダプターを考慮すると、一般的なノートPCのような携帯性はほぼ失われている。このため、外出先での作業には不向きであり、どちらかといえば、自宅やオフィスに据え置いて使用するシナリオを想定した設計となっている。

それでも、従来のデスクトップPCのように外付けモニターや多数のケーブルに依存する必要がなく、1台で完結するというメリットは大きい。また、Razer Blade 18の価格は**4,499ドル(約67万円)**と、ゲーミングノートPC市場の中でも最上位クラスに位置する。

これだけの投資をするユーザーは、単なるゲーミングデバイスではなく、クリエイティブワークや動画編集など、あらゆる用途に対応できるハイエンドマシンを求めていると考えられる。実際に、RTX 5090の性能を活かせば、ゲームだけでなく、3DモデリングやVR開発といった負荷の高い作業にも対応可能だ。

このように、Razer Blade 18は単なるゲーミングノートではなく、「ハイエンドデスクトップの代替」としての役割を担う可能性がある。持ち運びの必要がないが、デスクトップ並みのスペックをノートPCの形で求めるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるだろう。

Source:NotebookCheck