Windows PCからMacに乗り換えたユーザーは、基本的な機能の不足に不満を感じることがある。特に、Windowsで当たり前のように使える機能がmacOSには存在しない点が、作業の効率を下げる要因となり得る。この記事では、そんなギャップを埋めるために、MacでWindows 11の機能を再現するための5つの必須アプリを紹介する。

MacでもAlt+Tabを自在に使うためのAltTab

Macのアプリケーション切り替え機能は、WindowsのAlt+Tabに比べて使い勝手が劣る。macOSでは、コマンド+タブでアプリ間を移動できるが、ウィンドウごとのプレビュー表示がなく、同じアプリケーションの複数ウィンドウを区別することができない。しかし、「AltTab」を使うことで、これらの問題が解決できる。

AltTabは、Windows風のアプリケーションスイッチャーを提供し、ウィンドウのサムネイルを表示してくれる。さらに、サムネイルのサイズやショートカットキーをカスタマイズでき、ユーザーの作業環境に合わせた設定が可能だ。特に便利なのは、サムネイルにドラッグ&ドロップでファイルを移動できる機能である。

この機能のおかげで、作業の効率が大幅に向上し、マウスを使う頻度が減るため、作業に集中しやすくなる。無料で提供されているAltTabは、WindowsからMacに移行したユーザーにとって欠かせないツールだ。

クリップボード管理機能を強化するMaccy

macOSには、クリップボード履歴を管理する機能が標準で備わっていない。このため、複数のテキストやファイルをコピーする際に不便を感じることがある。そんな問題を解決してくれるのが「Maccy」である。

Maccyは、クリップボードにコピーした内容を履歴として保存し、後からいつでも簡単にアクセスできるツールだ。メニューバーからワンクリックで利用できるだけでなく、ショートカットキーで呼び出すことも可能だ。コピーしたテキストだけでなく、ファイルパスも履歴として記録されるため、ファイル操作においても非常に便利だ。

また、頻繁に使うアイテムをピン留めしておくこともでき、検索機能を使って膨大な履歴の中から特定のアイテムを素早く見つけることができる。さらに、Maccyはすべてのデータを端末内で処理するため、プライバシーの面でも安心して利用できる点も評価に値する。

システム情報を詳細に監視するiStat Menus

Windowsのタスクマネージャーに慣れ親しんでいるユーザーにとって、macOSのアクティビティモニターは少々物足りないだろう。そこで役立つのが「iStat Menus」だ。このツールは、CPUやGPUの使用率、メモリやバッテリーの状態など、詳細なシステム情報を表示してくれる。

特に、iStat Menusの優れた点は、これらの情報をメニューバーから一目で確認できる点である。アプリケーションを開かずに、リソースを消費しているプログラムやシステム温度を瞬時にチェックできるため、作業の流れを中断することがない。また、iStat Menusは細かいカスタマイズが可能で、ユーザーのニーズに応じた情報を表示できる。

ただし、iStat Menusにはカレンダー機能や天気情報など、リソース監視とは無関係な機能も搭載されており、これらがデフォルトで有効になっているのは少し煩雑に感じるかもしれない。とはいえ、無効化が簡単にできるため、必要な情報だけを表示することも可能だ。

アプリごとの音量調整を可能にするBackground Music

Windowsには、アプリごとに音量を調整する機能が標準搭載されているが、macOSにはそのような機能がない。音量をアプリ単位で細かく調整したい場合、Background Musicが有用な解決策となる。この無料アプリは、macOSにWindowsのようなアプリ別の音量管理を追加してくれる。

Background Musicを使用することで、各アプリケーションの音量を個別に調整できるようになるだけでなく、左右のスピーカーバランスも調整できる。また、メニューバーからの簡単な操作で、オーディオ出力デバイスの切り替えも可能だ。さらに、他のアプリで音声が検出されると、音楽再生を自動的に一時停止してくれる便利な機能も搭載されている。

特に、作業中に音楽を聴きながら他のアプリケーションを使用することが多いユーザーにとって、このアプリは非常に便利である。音量調整の手間が省け、マルチタスクの効率が向上するだろう。