Chromebookはシンプルさを追求したデバイスであり、主にChrome OS上で動作する。しかし、Chromebookを利用してWindowsインストール用のブータブルUSBを作成することも可能である。この方法は、他のPCにWindowsをインストールしたい場合に非常に役立つ。WindowsとChromebookは異なるシステムであるため、少し特殊な手順が必要となるが、いくつかのステップで簡単に実行できる。

Windows ISOファイルのダウンロード

Windowsインストール用USBを作成するためには、まずWindowsのISOファイルをダウンロードする必要がある。ISOファイルはMicrosoftの公式サイトから取得できる。Windows 10またはWindows 11のダウンロードページにアクセスし、利用したいWindowsのバージョンを選択する。バージョンの選択では、HomeやProなど、自分のニーズに合ったエディションを選ぶことが重要である。

次に、対応する言語も選択する。日本語や英語など、利用する環境に合わせた言語を選ぶことが必要だ。これらの選択が終わったら、「ダウンロード」ボタンをクリックし、ISOファイルをChromebookの「ダウンロード」フォルダに保存する。このファイルが、後の手順でUSBドライブに転送され、Windowsインストールの元となる。

ダウンロードが完了するまでに時間がかかる場合もあるため、安定したインターネット接続を確保しておくと良い。また、ダウンロード中に途中で接続が切れた場合は、再度ダウンロードをやり直す必要がある。これでWindowsのインストールに必要なファイルが手に入ったことになる。

USBドライブの準備とフォーマット

次に必要なのは、Windowsインストール用のUSBドライブの準備である。まず、8GB以上の容量を持つUSBドライブを用意することが推奨される。このUSBドライブは、後の手順で完全に初期化されるため、重要なデータが含まれている場合は、事前にバックアップを取っておくべきである。準備ができたら、USBドライブをChromebookに接続する。

Chromebookの「ファイル」アプリを開き、USBドライブを右クリックする。「デバイスをフォーマット」を選択し、ファイルシステムとして「FAT32」を選択する。このファイルシステムは、Windowsインストール用USBとして必要な形式である。フォーマット時に、USBドライブに名前を付けることができるため、たとえば「Windows Install」などの分かりやすい名前にしておくとよい。

フォーマットが完了すると、USBドライブはWindowsのインストールファイルを転送できる状態になる。これでUSBドライブの準備が整い、次のステップに進むことができる。

Chromebook Recovery Utilityの使用

USBドライブを準備したら、次に「Chromebook Recovery Utility」拡張機能を使用してWindowsのインストールメディアを作成する。このツールはChromeウェブストアから無料でダウンロード可能であり、通常はChrome OSの復旧に使用されるが、今回はWindowsのブータブルUSB作成に応用する。

まず、ダウンロードしたWindows ISOファイルの拡張子を「.iso」から「.bin」に変更する。たとえば、「Win10_22H2_English_x64.iso」というファイルであれば、「Win10_22H2_English_x64.bin」に名前を変更する。次に、Chromeブラウザのメニューから「その他のツール」→「拡張機能」を選択し、「Chromebook Recovery Utility」を開く。「ギア」アイコンをクリックし、「ローカルイメージを使用」を選択する。そして、先ほど名前を変更した「.bin」ファイルを指定する。

最後に、接続したUSBドライブを選択し、「作成」ボタンをクリックする。この作業は数分かかる場合があり、USBドライブにWindowsインストール用のファイルが書き込まれる。これでWindowsインストール用のブータブルUSBドライブが完成する。

Windowsインストールの手順と注意点

ブータブルUSBが完成したら、次は実際にWindowsをインストールする手順である。このUSBドライブを、WindowsをインストールしたいPCに挿入する。PCを再起動し、起動時に「BIOS」または「ブートメニュー」にアクセスする。これにアクセスするには、PCのモデルによって異なるが、通常は「F12」や「F2」、もしくは「Delete」キーを押すことでメニューに入ることができる。

ブートメニューからUSBドライブを選択し、PCをこのドライブから起動させる。その後、画面に従ってWindowsのインストールプロセスが進む。この際、Windowsプロダクトキーが必要になるため、手元に用意しておくことが推奨される。Windowsインストール中はPCのシステム要件を満たしているかどうかも確認することが重要だ。

また、Chromebookで作成したブータブルUSBは公式にはサポートされていない方法であるため、動作に不具合が発生する可能性もある。特に、Windowsの互換性がないPCにインストールする場合、起動しない問題が発生することも考えられる。