AMDの次世代GPU「Radeon RX 9070 XT」がFurMarkの4Kベンチマークに登場し、そのパフォーマンスが現行のフラッグシップRX 7900 XTXに迫る可能性が示唆されている。今回のリークはXの著名リーカーによって公開され、同GPUのベンチマークスコアがRX 7800 XTよりも大幅に上回っている点が注目される。

しかし、以前のGeekbenchリークでは期待外れのスコアが報告されており、ベンチマーク環境による影響も考慮する必要がある。今回の結果が正しければ、AMDは次世代ミドル~ハイエンド帯でNVIDIAに強力な対抗馬を投入することになるかもしれない。

RX 9070 XTのベンチマーク結果が示すAMDの進化

今回のFurMarkベンチマーク結果によれば、RX 9070 XTはRX 7900 XTXに匹敵する可能性がある。この結果が事実ならば、AMDはハイエンドGPU市場において大幅な進化を遂げたことになる。特に注目すべきなのは、RX 9070 XTが「RX 7800 XT」として記録されていた点だ。

リーク情報によると、これは新しいGPUのIDが意図的に隠されている可能性があるという。これはメーカー側が正式発表前に内部テストを行っているためなのか、それとも単なるラベルの混同なのかは不明だ。しかし、パフォーマンスを見れば、このカードがRX 7800 XTとは別物であることは明らかだ。

さらに、今回の結果は2024年1月初旬のベータ版ドライバーによるものだった点も見逃せない。つまり、最適化が進めばさらなる性能向上の余地がある。正式版ドライバーが登場すれば、フレームレートが向上し、より安定した動作が期待できる。もしこのRX 9070 XTが発売されるとすれば、価格帯と性能のバランス次第では非常に魅力的な選択肢となるだろう。

Geekbenchの結果と異なる理由とは?GPUの性能評価の難しさ

一方で、今回のFurMarkのスコアは、数日前にリークされたGeekbenchの結果とは異なるものだった。GeekbenchのベンチマークではRX 9070 XTのスコアが期待値よりも低く、多くのユーザーが落胆していた。しかし、これは単純に「このGPUの性能が低い」という結論には直結しない。

そもそもGeekbenchは、ゲーム性能を測定するのに最適なツールではない。特に、GPUのゲーミング性能を反映するにはDirectXやVulkanといったゲームAPIを使ったテストが必要となる。しかし、Geekbenchは主にコンピューティング性能を測定するため、実際のゲーム体験とは大きく異なる可能性があるのだ。

逆にFurMarkのスコアは、純粋なGPUのレンダリング能力を示す指標の一つとして有効だ。しかし、FurMarkもベンチマークソフトの一種であり、ゲーム環境とは異なる。そのため、本当に重要なのは「実際のゲームでどれだけのパフォーマンスを発揮するのか」という点に尽きる。

近いうちにRX 9070 XTのゲームベンチマークがリークされる可能性があり、それによって本当の実力が明らかになるだろう。

NVIDIAとの競争はどうなる?RDNA 4世代の方向性

RX 9070 XTの性能がRX 7900 XTXと同等であれば、AMDはハイエンド市場でNVIDIAと真っ向から競争することになる。NVIDIAのGeForce RTX 4080 SUPERなどと比較してどの程度の性能を持つのかは不明だが、AMDがRDNA 4アーキテクチャを強化してきているのは間違いない。

価格設定も鍵を握るポイントだ。RX 7900 XTXと同等のパフォーマンスを発揮しながら、より低価格で登場すれば、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。特に、レイトレーシングやAI機能の強化が求められる現在の市場では、AMDがどこまで進化を遂げているのかが重要になる。

また、消費電力の最適化もポイントだ。FurMarkの結果によると、RX 9070 XTは比較的低い電力で高いパフォーマンスを実現しているようだ。これが事実ならば、NVIDIAの高消費電力モデルと比較して、省エネ性能に優れた選択肢となる可能性がある。

今後、正式発表とともに詳細な仕様が明らかになれば、AMDの次世代GPUがどのような立ち位置にあるのかがより明確になるだろう。

Source:TweakTown