Appleの最新タブレットとして登場した13インチiPad AirとiPad Proは、同じ画面サイズながら価格差があり、どちらを選ぶかで迷うユーザーも多いだろう。Airは799ドルから、一方でProは1,299ドルからの販売価格だ。この価格差を支えるのは、ディスプレイ性能やプロセッサの違いである。
Proは新技術のOLEDディスプレイを採用し、HDRコンテンツの表示では1,500ニトの明るさを誇る。一方、AirはLiquid Retinaディスプレイで標準的な明るさだが、コストパフォーマンスの良さが魅力だ。また、性能面でもProは最新のM4チップを搭載し、より多くのコアを持つことで、特にAIやグラフィック処理が求められる作業での高速化が図られている。
これに対して、AirはM2チップを搭載しており、軽い作業や日常使用に十分な性能を発揮する。携帯性を重視するAirと、性能を求めるProとで、どちらが自分に合っているかを選ぶことが重要である。
iPad Proのディスプレイがもたらす視覚体験の進化
13インチiPad Proには、Appleが新たに採用したOLED技術を搭載したUltra Retina XDRディスプレイが採用されている。これにより、ProはHDRコンテンツで最大1,500ニト、フルスクリーン使用時には1,000ニトと高い明るさを誇る。
一方、iPad AirはLiquid Retinaディスプレイで最大600ニトに留まるため、日常の視覚体験において明らかな違いが生まれる。Proにはさらに、AppleのProMotionテクノロジーも加わっており、リフレッシュレート120Hzを実現している。
この技術により、ゲームプレイやApple Pencilの使用時に滑らかな動作が可能であるため、視覚的な快適さが飛躍的に向上する。一方で、iPad Airは基本的なタスクにおいて必要十分な性能を発揮し、コストパフォーマンスが高い選択肢である。
Proの高価格には、OLEDによる明るさや鮮やかさ、ProMotionによる応答性が付随しており、動画編集やイラスト作成など、特にビジュアルにこだわるユーザーにとっては価値のある投資といえるだろう。SlashGearが報じるように、ディスプレイの性能が使い勝手に直結するという点で、Proは他にない視覚体験を提供している。
M4チップとM2チップの性能差が示す用途の違い
性能面でもiPad ProはiPad Airを凌駕している。iPad Proに搭載されたM4チップは最新の第2世代3ナノメートル技術で製造され、4つの性能コアと6つの効率コアを組み合わせた構成となっている。この結果、Proは従来のM2チップと同等の性能を半分の電力で実現でき、特に高度なグラフィックス処理が求められる作業において高い効果を発揮する。
M4チップには10コアのGPUも搭載され、Dynamic Cachingやハードウェアアクセラレーションの機能も備え、特にレイトレーシングを利用するアプリケーションにおいて圧倒的な性能を見せる。一方、iPad AirのM2チップも従来のM1チップに比べ大幅にパフォーマンスが向上しており、軽度なクリエイティブ作業や日常的な使用には十分な能力を持っている。
ProのM4チップがAIや高度なグラフィックス処理での優位性を持つ点を考慮すると、Airは学生やビジネスユーザーなど日常の多様な作業をこなす用途に適した選択肢といえる。
デザインと携帯性の違いが使い勝手に与える影響
AppleのAirシリーズは軽量で持ち運びやすいことが特徴だが、2024年モデルのiPad Proはさらに薄型化され、「最も薄いApple製品」として市場に投入されている。このデザインの進化により、携帯性と性能を両立させた端末として、Proは幅広いニーズに応える構造となった。
また、Proは1TBおよび2TBのモデルでナノテクスチャガラスのオプションが選択でき、これは外光下での使用頻度が高いユーザーにとって重要な仕様である。一方、Airも比較的軽量であるが、Proの薄型設計と比較すると少し厚みがある。
Airのシンプルさと価格の手頃さは、旅行や通勤時の携帯性を求める人々にとって優れた選択肢だ。Appleの製品ラインナップにおける設計の違いは、ユーザーのライフスタイルや用途に合わせた選択を後押しする役割を果たしているといえるだろう。