ソニーが開発中の「Xperia 1 VII」は、従来のモデルから大きく進化したカメラシステムを搭載すると報じられている。現在の「Xperia 1 VI」ではメインカメラのみが最新のExmor Tセンサーを採用していたが、次期モデルではすべてのリアカメラにExmor Tを導入する計画だ。

これにより、低照度でのノイズ低減やダイナミックレンジの向上が期待され、従来のXperiaシリーズに見られたカメラ性能の課題が大幅に改善される可能性がある。また、Snapdragon 8 Eliteを搭載し、少なくとも12GB RAMと256GBストレージを備えると噂されている。

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正式な発表は5月または6月と見られており、詳細なスペックや実際のカメラ性能がどこまで向上するのか、今後の追加情報に注目が集まる。

ソニーが全リアカメラにExmor Tを採用する理由とは

Xperia 1 VIIでは、これまでメインカメラのみに採用されていたExmor Tセンサーが、超広角・望遠を含むすべてのリアカメラに搭載されると報じられている。これは単なるスペックの向上ではなく、撮影体験全体を大きく変える可能性を秘めている。

従来のXperia 1 VIでは、メインカメラのみExmor Tを搭載し、他の2つのカメラは従来のExmor RSセンサーを使用していた。このため、異なるセンサーによる画質のバラつきが生じ、特に超広角や望遠撮影ではノイズやダイナミックレンジの差が目立つことがあった。

新モデルでは、すべてのカメラでExmor Tを採用することで、この問題が解消される可能性がある。さらに、Exmor Tはデュアルレイヤートランジスタピクセル技術を採用し、従来のセンサーよりも光の取り込み効率を向上させている。

これにより、低照度環境でもノイズを抑えながら明るい写真を撮影できるほか、HDR性能の向上も期待される。Xperiaシリーズはこれまで「カメラ性能が本来のセンサー性能を発揮しきれていない」と言われることが多かったが、今回の変更でその評価が覆る可能性がある。

Xperiaのカメラは他社のフラッグシップと競争できるのか

ソニーはスマートフォン市場において、カメラセンサーのトップメーカーでありながら、自社のXperiaがカメラ性能で他社のフラッグシップモデルに劣ると指摘されることが多かった。その理由の一つが、画像処理の最適化の違いにある。

例えば、iPhoneやGalaxy、Pixelといった競合機種は、AIによる画像処理や独自のアルゴリズムを駆使し、撮影直後に最適化された写真を提供する。一方、Xperiaは「プロ向け」のアプローチを取り、撮影データをなるべく加工せずに出力する傾向が強かった。このため、一般ユーザーには「他社のカメラの方が綺麗に見える」と感じられることがあった。

今回、Xperia 1 VIIが全リアカメラでExmor Tを採用することで、物理的なカメラ性能が大幅に向上する可能性がある。しかし、他社フラッグシップとの競争で重要なのは、ハードウェアだけではなく、画像処理ソフトウェアの進化も不可欠である。もしソニーが処理アルゴリズムの改善にも力を入れれば、Xperiaのカメラは競争力を大きく高めることになるだろう。

Xperia 1 VIIは購入すべきモデルとなるのか

Xperia 1 VIIの詳細なスペックはまだ明らかになっていないが、カメラ性能の大幅な向上が期待されている。しかし、購入するべきモデルかどうかは、カメラ以外の要素も重要になってくる。まず、現行モデルのXperia 1 VIは価格の高さがネックとなっていた。

フラッグシップモデルとしての高性能は備えていたものの、他社のハイエンドモデルと比較すると割高に感じられるユーザーも多かった。新型でもハードウェアの大きな変更がない場合、価格がどのように設定されるかは注目すべきポイントだ。

また、Xperiaシリーズはディスプレイ品質やオーディオ性能、独自のソフトウェア体験が魅力の一つである。特に、4K対応のOLEDディスプレイやゲーム向けの最適化機能などは他社にない強みだ。今回のモデルでも、こうした独自の魅力を維持しつつ、さらにユーザーの使いやすさが向上すれば、購入する価値が高まるだろう。

正式な発表は5月または6月と見られており、価格や追加の仕様が判明次第、購入判断がしやすくなる。カメラ性能の強化がどこまで実用的なものになるのか、今後の情報に注目が集まる。

Source:Android HeadlinesPhoneArena