AMDのコンシューマーおよびゲーミングマーケティング部門の責任者であるフランク・アゾール氏が、X(旧Twitter)上で新たなRadeon RX 90700.05XTXT Maxについてユーモラスな投稿を行った。彼は、このGPUが320GBのVRAMを搭載し、動作には1.21ギガワットの電力と96ピンの電源コネクタが必要だと冗談交じりに述べている。
この発言は、AMDがRadeon RX 9070 XTX(32GB VRAM搭載)を開発中との噂が広まる中でのものである。アゾール氏のコメントは、AMDの次世代GPUに対する期待と関心をさらに高めている。アゾール氏は、X上で「Radeon RX 90700.05XTXT Maxは320GBのVRAMを搭載し、1.21ギガワットの電力を必要とする」と投稿した。
さらに、このGPUには新しい96ピンの電源コネクタが採用されるとも述べている。これらのコメントは明らかに冗談であり、AMDの新製品に対する関心を引きつける意図があると考えられる。
また、あるユーザーが「新しいRadeon RX 90700.05XTXT Maxは600Wの消費電力を持つNVIDIAのGeForce RTX 5090を超えるのか?」と質問した際、アゾール氏は「ラスタライズ性能だけなら」と返答した。さらに、「Max+という名前を付けなかったのか?失敗だな」というコメントに対しては、「Always a Marketing Disaster(常にマーケティングの大失敗)」と答えている。
現在、AMDがRadeon RX 9070 XT(16GB GDDR6メモリ搭載)よりも上位のRDNA 4 GPUを準備しているとの憶測が広がっている。
Benchlifeのレポートによれば、アゾール氏は「RX 9070 XTに32GB GDDR6メモリ版は存在しない」と否定しているが、同サイトの情報筋によれば、AMDはAIBパートナーと協力して32GB GDDR6メモリを搭載した製品を開発中であり、このGPUはNavi 48チップを使用し、Radeon RX 9070シリーズと同じアーキテクチャであると報じられている。
さらに、NVIDIAは当初2月に予定していたRTX 5070の発売を3月5日まで延期した。これは、AMDが2月28日にRadeon RX 9070および9070 XTを発表する予定であることを受けての動きとされている。NVIDIAはまた、2月20日にRTX 5070 Tiを749ドルで発売する予定であり、AMDとの競争が激化している。
アゾール氏のユーモラスな発言は、AMDの新製品に対する関心を高めるとともに、同社のマーケティング手法に対する自虐的なユーモアとして、多くのファンに新鮮な印象を与えている。
AMDのユーモア戦略とコミュニティの反応
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フランク・アゾール氏の発言は単なるジョークとして受け取られるだけではなく、AMDのマーケティング戦略の一環としても注目されている。彼の投稿は、過去にも度々AMDの製品情報と絡めて冗談を交えた内容が多く、そのたびにコミュニティの関心を引きつけてきた。
今回の「Radeon RX 90700.05XTXT Max」も例外ではなく、多くのユーザーがこの投稿に反応し、SNS上ではユーモアを交えた議論が活発に交わされている。特に、「1.21ギガワットの電源供給が必要」という発言は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の名シーンを彷彿とさせ、多くのファンの間で話題となった。
このような形で技術系の話題とポップカルチャーを絡める手法は、AMDに限らずテクノロジー業界全体で見られるが、同社のファン層が特にこのスタイルを好む傾向があるため、効果的なマーケティングとなっている。
一方で、こうしたジョーク混じりの発言が繰り返されることで、AMDの次世代GPUに関する正式な情報が曖昧になりやすいという意見もある。特に、新モデルに関する具体的な仕様を求めるユーザーにとっては、公式の場での冗談がかえって混乱を招く可能性がある。AMDはファンとの距離感を縮めつつも、正確な情報発信のバランスを取ることが今後の課題となるだろう。
Radeon RX 9070 XTXの実際の仕様はどうなるのか
今回の話題の発端となったRadeon RX 9070 XTXは、現在正式な仕様が公開されていないものの、いくつかの情報筋によってそのスペックが推測されている。特に、16GB GDDR6メモリを搭載したRadeon RX 9070 XTよりも上位のモデルとして登場すると考えられており、より高いVRAM容量を搭載する可能性が指摘されている。
また、AMDは過去にXTXという名称を使用した製品を投入してきたが、その多くはハイエンドモデルに位置付けられている。RX 7900 XTXはその代表例であり、RX 7900 XTとの差別化として、より大容量のメモリや高いクロック速度を備えていた。今回のRX 9070 XTXについても、同様の方針が採られる可能性が高い。
一方で、AMDはRDNA 4アーキテクチャを採用する次世代GPUに関して、正式な発表を控えている状況だ。現在流通している情報の多くはリークや噂レベルにとどまっており、最終的な仕様がどのようになるかは定かではない。とはいえ、既存の9070 XTが599ドルで販売されることを考慮すると、XTXモデルはより高価格帯の製品となることが予想される。
NVIDIAとの競争が新たな局面を迎える可能性
今回のRadeon RX 9070 XTXの話題は、NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズとの競争にも影響を及ぼす可能性がある。特に、アゾール氏がRTX 5090に言及したことからも、AMDが次世代のフラッグシップGPU市場でNVIDIAを意識していることがうかがえる。
現在、NVIDIAはGeForce RTX 5070 Tiを2月20日に749ドルで発売予定であり、さらに上位のRTX 5090も600Wの消費電力で登場すると噂されている。この中で、AMDのRX 9070シリーズがどのような立ち位置を取るのかは、多くのユーザーにとって関心の的となっている。特に、価格と性能のバランスが重要な要素となる。
AMDが今回のRX 9070 XTXを正式に発表する際には、消費電力や価格設定がどのようになるかが大きなポイントとなるだろう。NVIDIAのRTX 5000シリーズが高価格化する中で、AMDが価格競争力を武器に市場を奪う戦略を取る可能性もある。いずれにせよ、今後の正式発表を待つ価値は十分にあるだろう。
Source:TweakTown