GoogleがAndroid Autoの最新ベータ版「13.8」をリリースした。現在、テスター向けに配信が進められているが、手動インストール(サイドローディング)により、一般ユーザーでも試すことが可能だ。

このアップデートの具体的な変更点はまだ明らかになっていないものの、Googleは車内アプリの新たな解禁に向けて準備を進めていると見られている。特に、昨年の開発者イベントで発表された「動画アプリ」「ウェブブラウザ」「ゲーム」の導入が注目される。

なかでも、YouTubeがAndroid Autoに正式対応する可能性が高く、駐車中に動画を視聴できる機能が追加されるかもしれない。正式な発表はまだないが、これまでの流れから推測すると、新たな車載エンターテインメントの時代が間近に迫っているといえる。

Android Auto 13.8の新機能と変更点 これまでのアップデートとの違い

Android Auto 13.8のベータ版が登場したが、具体的な変更点についてGoogleはまだ公表していない。しかし、過去のアップデートの流れを踏まえると、バグ修正やパフォーマンス向上に加えて、新機能の実装に向けた準備が含まれている可能性がある。

前回のAndroid Auto 13.7では、新しいアプリカテゴリの導入を示唆する仕様変更が確認された。特に、駐車中にのみ利用可能な動画アプリやゲーム、ウェブブラウザの実装に関するコードが含まれていたことが話題になった。

Googleはこれまで運転中の安全性を優先し、YouTubeの利用を禁止していたが、Android Automotive OSを搭載した車両ではすでに動画視聴を許可しており、Android Autoでも同様の機能解禁が近づいていると考えられる。

また、Android Auto 13.8には、Googleが進めるアプリストアの拡張に関する変更が含まれている可能性もある。昨年の開発者イベントでは、サードパーティ製アプリの充実を目指し、より多くのカテゴリを解放する方針が示された。これにより、ナビやメッセージングアプリだけでなく、エンターテインメント系のアプリが利用可能になる可能性がある。

ベータ版の段階では、目に見える大きな変化は少ないかもしれないが、Googleが進めるAndroid Autoの進化を考えると、今後の正式リリースに向けた重要なステップであることは間違いない。今回のアップデートを手動インストールすることで、細かい挙動の変化や新機能の準備状況を確認できるだろう。

YouTube対応の可能性と車載エンターテインメントの未来

Android Autoの利用者にとって、最も注目されるのはYouTubeの対応だろう。これまで、Googleは運転中の安全性を理由にYouTubeを含む動画アプリの使用を禁止してきた。しかし、Android Automotive OSを搭載した車両向けには、駐車中の動画視聴がすでに許可されている。この動きがAndroid Autoにも適用される可能性は高く、YouTubeがついに利用できるようになるかもしれない。

もしYouTubeがAndroid Autoで解禁されれば、車内のエンターテインメント環境が大きく変わる。長距離移動の休憩中や、充電待機時に映画や動画を楽しむことが可能になり、スマートフォンやタブレットを使わずに車載ディスプレイで視聴できる利便性が向上する。

さらに、ウェブブラウザやゲームアプリの導入も計画されているため、これまでナビや音楽再生が中心だったAndroid Autoの使い方が大きく広がることになる。ただし、Googleは安全性を最優先しており、動画アプリが解禁される場合でも「駐車中のみ」という制限が設けられると考えられる。これはAndroid Automotive OSと同様の仕様になる可能性が高い。

また、すべての車両でこの機能が利用できるわけではなく、対応するディスプレイやソフトウェアバージョンが必要になるだろう。YouTubeの導入は多くのユーザーが待ち望んでいた機能であり、正式発表が近づくにつれて期待が高まる。しかし、Googleの方針や各自動車メーカーの対応次第では、機能の提供範囲や仕様が変わる可能性もあるため、今後の動向を注視する必要がある。

サイドローディングでベータ版を試す方法と注意点

Android Auto 13.8は、現在ベータプログラムに登録しているユーザー向けに配信されているが、Google Playストアからの自動更新を待たずに、APKを手動でインストール(サイドローディング)することで試すことができる。これにより、正式リリース前に最新機能の動作を確認できるほか、既存の不具合が解消されているかどうかをチェックすることも可能だ。

サイドローディングを行うには、まずAndroid Auto 13.8のAPKファイルを信頼できるソースからダウンロードする必要がある。次に、Androidデバイスの設定で「提供元不明のアプリのインストールを許可」に変更し、APKファイルを開けばインストールが開始される。

ただし、Google Playストア以外からのインストールにはセキュリティリスクが伴うため、不審なサイトからのダウンロードは避けるべきだ。また、ベータ版である以上、安定性に関する保証はなく、一部のデバイスでは不具合が発生する可能性がある。

特に、これまでのアップデートでは、接続の問題やアプリのクラッシュが報告されることがあったため、メインで使用する車両やスマートフォンにインストールする際は注意が必要だ。

新機能をいち早く試したいユーザーにとって、サイドローディングは有効な手段となるが、予期しないバグに遭遇する可能性も考慮すべきだ。正式リリースが近づけば、安定版のアップデートも提供されるため、慎重に判断した上でインストールするのが望ましい。

Source:autoevolution