サムスン電子は、韓国市場向けに最薄型の「Galaxy Z Fold Special Edition」を発表した。この新モデルは、既存のZ Fold 6よりも1.5mm薄く、3グラム軽量化されているが、Sペンの機能を犠牲にしている。また、200メガピクセルの広角カメラを初めて搭載し、最新のSnapdragon 8 Gen 3チップセットを採用している。

韓国市場向け特別版Galaxy Z Foldの詳細

サムスン電子は、韓国市場向けに「Galaxy Z Fold Special Edition」(SE)を発表した。このモデルは、折りたたんだ状態での厚さがわずか10.6mmとなり、従来のGalaxy Z Fold 6に比べて1.5mm薄くなっている。また、重量も236グラムと、わずかに3グラム軽量化された。これにより、より携帯性が向上したデザインが実現されている。

ただし、このスリム化のために、Sペンが搭載されていないという変更点もある。画面サイズは、展開時にシリーズ最大の203.1mmを誇り、20:18というユニークなアスペクト比を持つ。この大画面により、ユーザーは映画鑑賞やマルチタスクなどで高い視覚体験を得ることができる。

さらに、この特別版は、韓国国内限定のリリースであり、サムスンが国内のユーザーに感謝を表するために企画されたものである。価格は2.79百万ウォン(約2040ドル)で、オンラインストアおよび主要なモバイルキャリアでの予約が開始されている。

競合他社とのスリム化競争と技術的な工夫

折りたたみスマートフォン市場では、各社がスリム化を競い合っている。サムスンのGalaxy Z Fold SEは、その中でも特に薄型化を追求したモデルである。しかし、他の中国ブランドも同様に、折りたたみスマホのスリム化に注力している。例えば、Honorの「Magic V3」は折りたたんだ状態で9.3mmという驚異的な薄さを誇り、現時点で最も薄い折りたたみスマートフォンとされている。

Xiaomiも「MIX Fold 4」を発表し、厚さ9.47mmとHonorに次ぐ薄さを実現している。これに対し、サムスンのZ Fold SEは10.6mmであり、依然としてスリム化の余地があるが、その分、優れたディスプレイやカメラ機能を搭載していることが特徴である。特に、初の200メガピクセル広角カメラを搭載しており、性能面での妥協はない。

このような技術的工夫により、スリムでありながら高性能なスマートフォンを提供することが可能となっている。

市場シェアの変動と中国ブランドの台頭

サムスンは折りたたみスマートフォン市場の先駆者であり、多くのモデルを展開してきたが、最近の市場シェアは中国ブランドに押されている。IDCのデータによれば、Huaweiは27.5%の市場シェアを占め、サムスンの16.4%を大きく上回っている。この差は、特に中国国内での強力な販売網や競争力のある価格設定が要因とされている。

サムスンはこうした市場の動向を注視し、今回のGalaxy Z Fold SEによって再び市場シェアの回復を目指している。中国市場への拡大も検討されており、今後、薄型化したモデルを武器に競争力を高める計画が進行中である。

他方、折りたたみスマホ市場全体はまだ成長途中であり、特にアジア市場では今後も競争が激化する見込みである。サムスンがこれにどう応えるか、今後の動向が注目される。

今後の展開と他国への拡大可能性

サムスンのGalaxy Z Fold SEは、韓国限定の特別版として発表されたが、今後他国への展開が期待されている。特に中国市場は、薄型スマホに対する需要が高く、サムスンもこれに応じた展開を検討しているという。現時点では、韓国市場向けのモデルのみが発表されているが、今後の展開次第では、グローバル市場にも投入される可能性がある。

また、サムスンは折りたたみスマホのラインナップを拡充しており、これまでのモデルとは異なるデザインや機能を取り入れることで、さらなる差別化を図っている。特に、他社のモデルに対抗するため、スリム化だけでなく、耐久性やバッテリー寿命の向上も重要な課題となっている。

折りたたみスマートフォン市場は、技術の進化に伴いさらなる競争が予想される。サムスンがどのような新たなモデルや戦略を打ち出すか、今後の動向が注目される。