SamsungのOne UI 7におけるGood Lockモジュール「Home Up」の大幅な刷新が注目を集めている。従来のグリッド配置に縛られることなく、アプリやウィジェット、フォルダを自由に配置できるカスタマイズ機能が導入された。この新機能により、スマートフォンのホーム画面がより個性的で直感的なものへと進化する。

Redditでは、One UI 7のベータ版で発見された新機能についての議論が活発に交わされている。デモ動画によると、新たに「DIY Home」ボタンが追加され、これをタップすると、アプリやウィジェットを自由なサイズや向きに調整可能となる。これまでのように固定されたグリッドに従う必要がなく、画面の好きな場所に配置できるようになったことで、柔軟なレイアウトが可能になる。

さらに、ウィジェットやアプリを重ねることも可能となり、カスタマイズの幅は一気に広がる。特に、通常の枠を超えてはみ出したウィジェットの配置が認められるなど、従来のスマートフォンのホーム画面では見られなかった自由度が実現している。Samsungが開発を進める新機能には、アニメーションの調整や摩擦、ぼかし効果の変更なども含まれており、より洗練された操作感が期待される。

このHome Upの大規模アップデートは、One UI 7のGood Lockモジュールの中でも特に大きな改良とされている。現在ベータ版に登録しているユーザーは、新たなホーム画面のカスタマイズを試すことができるが、正式版のリリースにはまだ時間がかかる可能性がある。Samsungは、Galaxy S24のディスプレイカラー問題の修正を優先しているため、安定版の提供が遅れる可能性も指摘されている。

Samsungは、One UI 7の正式版が2025年第1四半期に旧型のGalaxy Sシリーズにも提供される予定であると発表しており、多くのユーザーがこの革新的なカスタマイズ機能を体験できる日が近づいている。

新たに追加された「DIY Home」機能がもたらす操作の自由度の向上

One UI 7のHome Upでは、従来のホーム画面編集機能に加え、新たに「DIY Home」ボタンが導入された。この機能により、アプリやウィジェット、フォルダの配置が従来のグリッド制約から解放され、自由に配置できるようになった。

特に注目すべき点は、要素の回転やサイズ変更が可能になったことだ。従来のホーム画面では、アイコンやウィジェットのサイズや向きを変更することは難しかったが、DIY Homeを使えば直感的な操作でレイアウトをカスタマイズできる。例えば、ウィジェットを通常の配置範囲からはみ出させたり、アプリを斜めに配置したりといった従来の常識を覆すような使い方が可能となる。

また、フォルダの開閉動作にも変化が加えられている。通常、フォルダは一定の形状を保ったまま開くが、新たな仕様では回転させた状態でも開閉可能であり、配置の自由度がより一層向上した。さらに、アプリやウィジェットを重ねて配置することもでき、アイコンやフォルダを見た目にこだわったデザインに仕上げることができる。

この自由度の向上は、従来のグリッドベースのホーム画面に不満を持っていたユーザーにとって大きな利点となる。これまでは、アプリの配置を調整するためにウィジェットの位置を変更したり、ホーム画面のデザインを妥協したりする必要があったが、そのような制約から解放される。カスタマイズ性を求めるユーザーにとって、これまでにない柔軟なレイアウト作成が可能になるだろう。

アニメーション調整機能の強化とユーザー体験の向上

Home Upの刷新では、見た目のカスタマイズだけでなく、操作感にも大きな変化が加えられている。特に、アニメーションに関する調整機能の強化が特徴的だ。

これまでのバージョンでは、アニメーションの速度を簡単に変更できる程度だったが、今回のアップデートでは「硬さ」「摩擦」「ぼかし効果」「持続時間」などの細かい設定が可能となる。これにより、アイコンを移動させた際の滑らかさや、フォルダを開くときのアニメーションの流れを細かくカスタマイズできる。

特に「硬さ」と「摩擦」の設定は、スクロール時の挙動に影響を与える。たとえば、摩擦を弱めることで、軽くスワイプしただけで画面がスムーズに移動するようになり、逆に摩擦を強くすると、指を離した後のスクロールが素早く止まるように調整できる。これにより、各ユーザーの好みに応じた操作感を実現できる。

ぼかし効果の強化もまた、ビジュアル面でのカスタマイズ性を高める要素の一つだ。ウィジェットやフォルダを開いた際の背景のぼかし具合を調整することで、画面の視認性を向上させたり、スタイリッシュな見た目を作り出したりすることが可能となる。

このような細かなアニメーション調整機能の追加は、操作性を向上させるだけでなく、ユーザーのホーム画面のカスタマイズ体験をより充実したものにする。従来のホーム画面カスタマイズが「見た目」に重点を置いていたのに対し、今回のアップデートでは「操作感」にもこだわりが見られる点が特徴的だ。

One UI 7の正式版リリースに向けた今後の展開

One UI 7の正式版のリリースは、多くのGalaxyユーザーにとって待望のアップデートとなる。しかし、SamsungはOSの安定性向上のため、正式版のリリーススケジュールを慎重に進めている。

現在、Galaxy S24シリーズ向けには4回目のベータ版が展開される可能性があると報じられている。その背景には、ディスプレイカラーの調整問題があるとされており、安定版の提供時期に影響を及ぼしている。一方で、One UI 7が過去のGalaxy Sシリーズにも提供される予定であることが明らかになっており、2025年第1四半期には多くのユーザーが新機能を体験できる見込みだ。

また、Home Upを含むGood Lockのモジュールは、Samsungが推し進める「カスタマイズの自由度の向上」という方向性を象徴している。特に、ホーム画面の固定概念を覆す「DIY Home」や、細かいアニメーション調整機能の追加は、よりユーザーの個性を反映しやすい環境を提供するものとなる。

ただし、これらの機能がすべてのGalaxy端末に提供されるわけではない可能性がある。Good Lock自体が一部の地域で制限されていることを考えると、地域ごとの対応状況によっては全ユーザーがこの新機能を試せるとは限らない。とはいえ、Samsungのソフトウェア開発の方向性を考えれば、今後さらに多くのユーザーがこれらの新機能を利用できるようになる可能性は十分にある。

One UI 7の正式版がどのような形で展開されるのか、また、Home Upの機能が今後どのように進化していくのか、引き続き注目していきたい。

Source:Android Central