OnePlusは「OnePlus Open 2」の発売を見送ると発表した。完全な中止とは明言されていないが、2025年内のリリースはないとされている。多くのユーザーがこの決定に失望しているのは、OnePlus Open 2がOPPO Find N5のリブランド版として登場する予定だったからだ。Find N5は市場で最も薄い折りたたみスマートフォンになると見られており、技術的な進化も顕著だった。

OnePlusは「折りたたみスマホの開発を一時休止するが、撤退するわけではない」と説明している。しかし、アメリカ市場では折りたたみスマホの選択肢が限られているため、ユーザーの不満は高まっている。この決定の背景には、販売不振や政治的リスクがあると考えられるが、OnePlusは明確な理由を示していない。

この決定は競争の激しい折りたたみスマホ市場においてOnePlusの影響力を弱める可能性がある。一方で、OPPOがFind N5のグローバル展開を強化する可能性もあり、今後の動向に注目が集まっている。

OnePlus Open 2のスペック予想と実現しなかった進化

OnePlus Open 2のキャンセルは、多くのユーザーにとって予想外の決定だった。その理由の一つは、同モデルがOPPO Find N5のリブランド版として登場することが期待されていたからだ。Find N5は、折りたたみスマートフォン市場において画期的なスペックを誇るデバイスになると見られていた。

特に、折りたたみ時8.93mm、展開時4.23mmという驚異的な薄さは、現行の折りたたみスマートフォンと比較しても大きな進化だった。これにより、ポケットへの収まりや片手での持ちやすさが向上すると考えられていた。また、最新のシリコンカーボンバッテリーを採用し、バッテリー容量の向上が期待されていた点も重要だった。

加えて、50Wのワイヤレス充電の搭載や、80Wの有線充電強化、防水性能の向上など、多くのユーザーが求めるアップグレードが予定されていた。さらに、カメラユニットの出っ張りを抑えたデザインは、見た目の洗練度だけでなく、実用性にも大きく貢献する要素だった。これらの技術が市場に投入されることで、折りたたみスマホの常識が変わる可能性があっただけに、OnePlus Open 2のキャンセルは大きな損失といえる。

しかし、これらの進化が実現しなかった背景には、OnePlusの内部事情や市場環境が影響している可能性がある。その詳細を探ることで、今後の折りたたみスマートフォン市場の展望も見えてくるだろう。

OnePlusがキャンセルを決断した理由 販売不振と市場環境の影響

OnePlusが折りたたみスマートフォン市場から一時撤退する理由について、公式には明確な説明はされていない。しかし、いくつかの要因が絡み合った結果、この決定に至った可能性が高い。

まず、一つ目に考えられるのは販売不振だ。OnePlus Openはアメリカやヨーロッパで展開されたものの、売上データが公表されていない。通常、メーカーは販売好調であれば積極的に数字を公開するが、それが行われていないということは、期待されたほど売れなかった可能性がある。特に、折りたたみスマートフォン市場は価格が高く、一般ユーザーに広がるまでには時間がかかる傾向がある。

次に、米国市場における政治的リスクも影響したと考えられる。近年、中国のスマートフォンメーカーは米国市場での展開を制限される傾向にあり、Huaweiの排除がその代表例だ。さらに、最近の政権交代によって中国メーカーに対する規制が強化される可能性も指摘されている。このため、OnePlusは市場の不透明感を考慮し、リスクを回避する選択を取った可能性がある。

また、技術的な課題も要因の一つとして考えられる。Find N5の仕様を見る限り、非常に高い技術力を要する製品であり、生産コストが上昇した可能性もある。特に、シリコンカーボンバッテリーの導入や超薄型設計は、製造ラインの調整が必要になるため、コストとリスクを天秤にかけた結果、投入を見送る決定が下されたのかもしれない。

いずれにしても、この決定はOnePlusのブランド戦略にとって重要な転換点となる。今後、折りたたみスマートフォン市場に再参入する可能性はあるが、そのタイミングは不透明なままだ。

OnePlusの撤退がもたらす市場の変化と今後の展望

OnePlus Open 2のキャンセルにより、折りたたみスマートフォン市場の競争構図にも変化が生じる可能性がある。特に、Samsungにとっては競争相手が一つ減る形となり、折りたたみスマートフォン市場のリーダーシップを維持するうえで有利な状況が続くことになる。

SamsungのGalaxy Z Foldシリーズは、ここ数年デザインや機能面での革新が鈍化していると指摘されている。特に、ヒンジ部分の厚みや折り目の目立ちやすさなど、改善の余地がある点も多い。そのため、OnePlus Open 2が登場すれば、Samsungにとって強力なライバルになり得たはずだ。しかし、今回の決定により、Samsungは市場シェアを維持しやすくなると考えられる。

一方で、OPPOがFind N5をグローバル展開する可能性も浮上している。これまで、OPPOの折りたたみスマートフォンは主に中国市場向けだったが、Find N5は2月20日にグローバル発表会が予定されている。これは、OnePlus Open 2のキャンセルを補う形で、Find N5をより広範な市場に展開する計画があることを示唆している。

もしOPPOがFind N5をグローバル市場に投入すれば、OnePlus Open 2を待ち望んでいたユーザーにとっては代替の選択肢となるだろう。また、XiaomiやVivoなどのメーカーも折りたたみスマホ市場に注力しており、今後の展開次第ではSamsungに対抗する新たな勢力が登場する可能性もある。

今回のOnePlus Open 2のキャンセルは、市場にとって大きな影響を及ぼす決定だった。しかし、それが完全な終わりを意味するわけではなく、他のメーカーがこの機会をどのように活かすのかが注目される。折りたたみスマートフォン市場は依然として成長段階にあり、今後の技術革新と競争の動向から目が離せない状況が続きそうだ。

Source:Android Headlines