Nvidiaの新型GPU「GeForce RTX 5070」の発売が、当初予定されていた2月から3月初旬に延期される可能性が浮上している。この情報は、業界アナリストのMEGAsizeGPU(X上の @Zed__Wang)によるもので、AMDの次世代GPU「Radeon RX 9070」シリーズに対抗するための戦略的判断とみられる。

RTX 5070は、CES 2025で発表され、12GBのGDDR7メモリや6,144基のCUDAコアを搭載し、価格は549ドルと設定されている。一方、AMDのRX 9070シリーズは、RDNA 4アーキテクチャを採用し、3月に発売予定で、RX 9070 XTは16GBのGDDR6メモリを搭載すると噂されている。NvidiaとAMDのミッドレンジGPU市場での競争が激化する中、ユーザーは最新情報を注視する必要がある。

RTX 5070が搭載するGB205チップの実力とは

RTX 5070に採用される「GB205」チップは、RTX 50シリーズの中でコストと性能のバランスを取ったミッドレンジ向けGPUとして設計されている。このチップは48基のストリーミングマルチプロセッサ(SM)を備え、CUDAコア数は6,144基となっており、前世代のRTX 4070と比較すると処理能力が向上している。

また、メモリには最新のGDDR7規格を採用し、12GBの容量を搭載することで高速なデータ転送を実現している。メモリインターフェースは192ビット幅で、帯域幅は672GB/sに達するため、高解像度のゲームプレイでも安定したフレームレートを維持できる仕様となっている。

一方で、RTX 5070はVRAMの容量が12GBに抑えられており、4K解像度でVRAM消費の多いゲームをプレイする際にはボトルネックが発生する可能性がある。Nvidiaはその対策として「Neural Texture Compression(NTC)」技術を開発しているが、この技術が広く普及するまでには時間がかかると考えられる。

現時点では、RTX 5070が4Kゲーム向けというよりも、1440p解像度でのゲーミングを想定した設計であることがうかがえる。このチップがどれほどのパフォーマンスを発揮するかは、発売後の実際のベンチマーク結果によって明らかになるだろう。

特に、RTX 4070との性能差や、競合するAMDのRadeon RX 9070シリーズとの比較が注目される。Nvidiaがどのようなドライバー最適化や追加機能を提供するかも、RTX 5070の評価を左右するポイントとなる。

RTX 5070の価格設定と市場での位置付け

RTX 5070の希望小売価格(MSRP)は549ドルに設定されており、これは前世代のRTX 4070(599ドル)より50ドル安価となる。通常、新世代のGPUは前世代より価格が上がる傾向にあるが、RTX 5070では価格が抑えられていることが特徴的だ。これは競争が激化しているミッドレンジGPU市場において、Nvidiaが価格面での競争力を高めるための戦略と考えられる。

しかし、サードパーティ製のカスタムモデルや転売市場では、実際の販売価格がMSRPよりも高騰する可能性がある。特に、高性能なクーラーを搭載したモデルやオーバークロック版は、MSRPより100ドル以上高くなるケースも珍しくない。

また、初回出荷台数が限られる場合、需要が供給を上回り価格がさらに上昇する可能性もある。過去のRTX 40シリーズの発売時も、初期の供給不足が一時的な価格高騰を引き起こした。一方で、競合するAMDのRadeon RX 9070シリーズがどのような価格設定になるかも、RTX 5070の市場に影響を与える要素となる。

AMDのRX 9070 XTの価格は599ドルになるとの報道もあり、RTX 5070よりやや高価に設定される可能性がある。ただし、RX 9070シリーズは16GBのGDDR6メモリを搭載すると見られており、VRAM容量の面で優位に立つ可能性がある。価格とスペックのバランスを考慮すると、消費者はどちらのGPUを選択するか慎重な判断が求められる。

最終的に、RTX 5070の市場での評価は、実際のゲーム性能、価格の安定性、そして供給状況によって決まることになる。特に、日本市場では円安や輸入コストの影響もあり、米国価格よりも高くなる傾向があるため、国内価格の動向も注目される。

Source:Digital Trends