Asusは、新たなミニPC「NUC 15 Pro」を正式発表した。最新のIntel Core Ultra 7 255Hを選択可能な高性能モデルで、最大96GBのDDR5メモリに対応する点が特徴だ。M.2スロットを2基備え、大容量ストレージの拡張性にも優れる。

コンパクトな筐体に豊富な接続端子を備え、Thunderbolt 4や2.5Gイーサネットにも対応。Wi-Fi 7やBluetooth 5.4といった最新規格も搭載されており、あらゆる用途に適応する。

価格や発売日については現時点で明かされていないが、プレミアムモデルとしての位置付けが予想される。AsusのNUCラインアップの最新モデルとして、ユーザーの期待が高まっている。

Intel Core Ultra 7 255H搭載の真価とは 最新世代CPUの実力を検証

Asus NUC 15 Proの魅力の一つは、Intel Core Ultra 7 255Hを搭載可能な点にある。このプロセッサはArrow Lake-Hアーキテクチャを採用し、従来のRaptor Lake-H世代と比較しても大幅な性能向上が期待されている。特に、16コア(6P + 8E + 2LP)構成で動作するため、高負荷のタスク処理やマルチタスク性能が強化されている。

加えて、最新のAIアクセラレーション技術が組み込まれており、画像処理や動画編集、AIベースのアプリケーションでの最適化が図られている。さらに、内蔵GPUとしてIntel Arc 140Tが採用されている点も注目だ。専用グラフィックスカードは搭載されていないものの、統合型GPUとしては強力な性能を持ち、軽量なゲームやクリエイティブ用途にも対応できると考えられる。

また、96GBのDDR5-6400メモリとの組み合わせにより、メモリ帯域幅の広さがパフォーマンス向上に寄与すると見られている。一方で、発熱と消費電力の問題は気になるポイントだ。高性能なCPUと大容量メモリをコンパクトな筐体で運用するため、放熱設計の工夫が求められる。

Asusは過去のNUCシリーズで静音性を保ちつつ放熱性能を高める工夫を施してきたが、今回のNUC 15 Proではどのような冷却システムが採用されるのかが注目される。

ミニPC市場の進化 コンパクトながら高性能なデバイスの需要拡大

近年、デスクトップPC市場では小型化の波が広がっている。従来、ミニPCといえば省電力・低性能モデルが一般的だったが、技術の進歩により、高性能なプロセッサや高速メモリを搭載したミニPCの需要が急増している。その背景には、リモートワークやクリエイティブ作業の普及がある。

大規模なデスクトップPCを必要とせず、コンパクトで省スペースながらもパワフルなマシンを求める層が増えているのだ。Asus NUC 15 Proのような高性能ミニPCは、特にコンテンツ制作やプログラミング用途での活用が期待される。

例えば、動画編集や3Dモデリングといった負荷の高い作業にも対応できるだけの性能を持ちながら、場所を取らずに設置できる点が大きな魅力だ。また、複数のディスプレイ接続が可能なポート構成により、マルチモニター環境を構築しやすいのも特徴の一つといえる。

一方で、ミニPC市場が成長するにつれて、各メーカーの競争も激化している。Intelは従来、NUCシリーズを独自に展開していたが、現在はその開発をAsusが引き継ぎ、ブランドを継続する形となった。そのため、Asus製のNUCシリーズがどこまでIntel時代の品質を維持し、さらに進化できるかがポイントとなる。今後のモデル展開次第では、ミニPC市場の勢力図が大きく変わる可能性もある。

拡張性と接続性の充実 最新ポート構成がもたらす利便性

Asus NUC 15 Proは、小型ながらも豊富なポート構成を備えている点が特徴だ。具体的には、Thunderbolt 4を2基、USB 3.2 Gen 2×3、USB-C 3.2 Gen2x2×1、USB 2.0×1、HDMI 2.0×2、2.5Gイーサネットポートなどが搭載されている。これにより、外部ストレージ、ディスプレイ、ネットワーク機器との接続がスムーズに行える環境が整っている。

特に、Thunderbolt 4の搭載は大きなメリットだ。この規格は最大40Gbpsのデータ転送速度を誇り、外付けSSDやeGPUを利用することで性能を拡張できる。例えば、グラフィックス性能が必要な場合、eGPUを接続すればNUC 15 Proの用途は一気に広がる。また、複数の4Kモニターを同時に接続することも可能であり、作業環境の向上に貢献する。

加えて、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4にも対応しており、ワイヤレス通信の安定性も強化されている。特にWi-Fi 7は、低遅延・高速通信を実現し、ストリーミングやオンライン会議、クラウド環境での作業を快適にする要素となる。

一方で、これだけのポートを備えているものの、前面ポートの配置やアクセス性がどうなるかも注目されるポイントだ。デスク上に設置する場合、頻繁に使うUSBポートやオーディオジャックの配置が使い勝手を左右するため、ユーザーの意見が分かれる部分となる可能性がある。とはいえ、拡張性の高さを求めるユーザーにとって、これほど多彩なポートを持つミニPCは大きな魅力となるだろう。

Source:NotebookCheck