中国の折りたたみスマートフォン市場で、ファーウェイが2024年第3四半期に市場シェア41%を獲得しトップの座に立った。これは世界初の三つ折りスマホ「Mate XT」の成功が背景にある。オナ―やシャオミもそれぞれ2位、3位につける中、サムスンはシェア7.7%で4位にとどまり、中国市場での存在感が後退した形だ。

中国の折りたたみ市場は出荷台数が増加する一方、成長率は鈍化しており、さらなる技術革新と価格競争力が今後の鍵を握ると専門家は分析する。

ファーウェイの新製品が市場シェア41%を獲得

中国の折りたたみスマホ市場でファーウェイが市場シェア41%を獲得し、2024年第3四半期のトップに立った。ファーウェイの勢いを支えるのは、世界初の三つ折りスマホ「Mate XT」である。Mate XTは三つのディスプレイがZ字型に折りたたまれる設計が特徴で、折りたたみ技術における革新の象徴として高い評価を得ている。

この革新的な設計により、Mate XTは従来の折りたたみスマホの枠を超えたユーザー体験を提供し、消費者からの関心を集めた。特に中国市場での人気が急増し、市場シェアの大幅な拡大につながっている。ファーウェイはこれまでにも独自技術で折りたたみ市場を牽引してきたが、Mate XTの登場でさらにその地位を確固たるものとした。

IDCのレポートでも、Mate XTが中国市場における折りたたみスマホの需要を喚起し、新たな成長の牽引役となっていると評価されている。中国市場での折りたたみスマホ競争は激化しているが、ファーウェイのMate XTはその中心で存在感を放っている。<br>

オナ―とシャオミが後を追う一方、サムスンは4位に留まる

ファーウェイに続く形で、市場シェア2位を確保したのはファーウェイの元子会社であるオナ―である。オナ―は縦型と横型の折りたたみスマホ両方で競争力を発揮しており、第3四半期の市場シェアは21.9%に達した。このシェアは、横型折りたたみ機で2位、縦型では3位のポジションを確立することで支えられている。

シャオミもまた、折りたたみ市場において3位に位置し、17.2%のシェアを獲得している。これは、Mix Foldシリーズの最新モデルが消費者に受け入れられたことが大きな要因である。シャオミの復調は、中国市場での折りたたみスマホ競争が一層の盛り上がりを見せる中で、その影響力を拡大していることを示している。

一方、サムスンは世界的なスマホ市場での存在感に比べて、中国の折りたたみ市場では苦戦している。市場シェアはわずか7.7%にとどまり、4位に甘んじている。韓国のスマホ大手であるサムスンが中国市場でのシェア確保に苦しんでいることは、地域市場の特異性を反映していると言えよう。<br>

中国市場の成長鈍化、成熟に近づく折りたたみスマホ

2024年第3四半期のデータによれば、中国の折りたたみスマホ市場全体の出荷台数は約223万台に達した。しかし、前年同期比の成長率は過去8四半期にわたる成長に比べて鈍化しており、市場は徐々に成熟に向かっている兆しが見える。消費者層がすでに折りたたみデバイスに慣れているため、新規ユーザーの増加ペースが減少しつつあると考えられる。

市場の成熟に伴い、既存の折りたたみデザインだけでは成長の継続が難しい状況にある。業界専門家は、折りたたみ市場が再び活気を取り戻すには新たな技術革新や消費者にとって魅力的な新デザインが必要とされると指摘している。また、製品価格の調整も市場の広がりに重要な役割を果たすであろう。

一方で、消費者が折りたたみスマホに期待する機能と使い勝手を満たすために、メーカー各社はさらなる改善が求められている。市場の動向が変化しつつある中で、どの企業がこの停滞を打破する革新を提供できるかが今後の焦点となる。<br>

価格と技術革新が今後の市場成長の鍵

IDCの分析によると、中国の折りたたみスマホ市場が成長を維持するためには、価格の引き下げと技術革新が欠かせない要素となる。折りたたみスマホは一般的なスマホと比較して価格が高く、消費者の購入を妨げる要因となっている。特に、一般的な消費者層にリーチするためには、競争力ある価格設定が重要である。

さらに、ユーザーが魅力を感じるための新たな機能や使いやすいデザインも必要である。多くの折りたたみスマホが市場に出回る中で、消費者は差別化された付加価値を求めている。折りたたみ技術の進化とともに、耐久性やバッテリー性能など、従来のスマホに対抗するための課題も依然として残されている。

技術革新と価格の引き下げが進むことで、折りたたみスマホ市場は再び成長する可能性がある。これにより、メーカー各社の競争も一層激化すると予想され、どの企業が次のブレイクスルーを果たすかが注目される。