ASRockは、新たに発表されたAMDのRyzen 9 9950X3DおよびRyzen 9 9900X3Dプロセッサを同社のAM5マザーボードで完全にサポートすることを公式に確認した。これにより、ASRockの複数のチップセットを搭載したマザーボードで、3D V-Cacheを活用した最新CPUが利用可能となる。
ASRockはこの2つのプロセッサをいち早く互換性リストに掲載したメーカーであり、すでに対応BIOSの提供を開始している。利用するにはAGESA 1.2.0.3aへのBIOSアップデートが必要で、対応するチップセットにはX870E、X670E、B650Eなどが含まれる。公式サイトから最新のファームウェアをダウンロードし、BIOS FlashbackやInstant Flash機能を利用してアップデートが可能だ。
これらのプロセッサはZen 5アーキテクチャを採用し、特にゲームパフォーマンス向上を目的として設計されている。AMDは正式な発売日をまだ発表していないが、今四半期中に市場に登場する可能性が高い。
ASRockの対応チップセットとBIOSアップデートの重要性
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ASRockは、Ryzen 9 9950X3DおよびRyzen 9 9900X3Dをサポートするために、多数のAM5マザーボード向けにBIOSアップデートを提供している。特に、最新のAGESA 1.2.0.3aに更新することで、これらの新CPUが最大限の性能を発揮できるようになる。このアップデートは、X870E、X870、B850などの最新チップセットだけでなく、X670EやA620といった前世代のモデルにも適用可能である。
BIOSの更新方法には、BIOS FlashbackおよびInstant Flashが用意されており、ユーザーは事前にUSBドライブにアップデートファイルをダウンロードすることで簡単に適用できる。ただし、マザーボードの型番によって手順が異なるため、ASRockの公式サイトで詳細を確認することが推奨される。
これらのアップデートによって、3D V-Cacheを搭載した新世代のRyzenプロセッサがスムーズに動作する環境が整うことになる。今回のBIOSアップデートが重要なのは、新CPUの潜在能力を最大限引き出すためだけではない。
AGESA 1.2.0.3aは、安定性や互換性の向上に加えて、パフォーマンスの最適化も含まれているとされる。特に、X3Dモデル特有の動作に最適化された調整が加えられることで、ゲームやクリエイティブ用途での動作がより安定する可能性が高い。
Ryzen 9 9950X3Dと9900X3Dの3D V-Cacheがもたらす性能の変化
Ryzen 9 9950X3Dと9900X3Dは、従来のZen 5ベースのCPUと異なり、3D V-Cacheを搭載している点が大きな特徴である。3D V-Cacheは、通常のL3キャッシュの上に追加のキャッシュを積層する技術で、主にゲームなどの用途でパフォーマンス向上が期待される。
この技術は、従来の3D V-Cache搭載モデルであるRyzen 7 5800X3DやRyzen 9 7950X3Dでその効果が証明されており、最新のZen 5世代でも同様の結果が得られる可能性がある。ゲームタイトルによっては、キャッシュの増加によりCPUボトルネックが緩和され、フレームレートが向上するケースが報告されている。
特に、CPU負荷が高いオープンワールドゲームや、RTS・シミュレーション系タイトルでは効果が顕著になると考えられる。ただし、一部のタイトルではキャッシュ容量が増加することで劇的な変化は見られない場合もあるため、ユーザーが求める用途に適しているかの判断が重要になる。
一方で、3D V-Cache搭載モデルの特性として、通常のRyzen 9000シリーズと比べて動作クロックが抑えられる傾向がある。これは、発熱や消費電力を抑えるための調整と考えられるが、シングルスレッド性能を重視する用途では影響を受ける可能性がある。
そのため、Ryzen 9 9950X3Dおよび9900X3Dは、特にゲーミング向けとして最適化されたモデルであり、プロフェッショナル用途では従来の9000シリーズの選択肢も考慮すべきだろう。
Ryzen 9 9950X3Dと9900X3Dの発売時期と今後の展望
ASRockは既に対応BIOSを提供しているが、AMDはRyzen 9 9950X3Dと9900X3Dの正式な発売日を明らかにしていない。ただし、今四半期中に登場する可能性が高いとされており、多くのユーザーが待ち望んでいる状況である。特に、既存のRyzen 7000X3Dシリーズからのアップグレードを検討している層にとって、性能向上の度合いが大きな関心事となるだろう。
発売後には、各種ベンチマークによる実際のパフォーマンス検証が行われると考えられ、Ryzen 9 9950X3Dおよび9900X3Dが従来モデルと比べてどの程度の差を見せるのかが焦点となる。特に、競合であるIntelの次世代Coreシリーズとの比較も注目されるポイントだ。
また、今回のX3Dモデルの登場によって、今後のRyzenシリーズにおいても3D V-Cacheが定番化する可能性がある。過去のRyzen 7 5800X3DやRyzen 9 7950X3Dの成功を踏まえると、AMDが今後のハイエンド向けモデルにこの技術をさらに投入していく可能性は高い。そうなれば、今後のゲーミング向けCPU市場のトレンドが大きく変化することも考えられる。
Source:eTeknix